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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第五部 その手から零れ落ちるもの
179/243

第179話 ノア編

 ここはヒガシヤマさんの寝室。ノアはヒガシヤマさんに腕に抱かれ寝ていた。之亜の体を勝手に使うのは心苦しかったが、神は我儘なのだ。


 ちなみに夏海は、白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティルの精神スキルで熟睡させている。


 ノアは出来る限り細かく、ヒガシヤマさんと別れた後に起きた出来事を話した。


「神は、俺との再会を餌に、ノアを神にさせたのか? 目的がわからないな」

「でしょ? それで…ね。この世界で…之亜として生きるのも自由だって…」


 親友の父親と結婚? 好きなのだから仕方がない。だけれども、全てを満たされる日本より、悪意に満ちたノアの世界が気にかかるのは何故だろう。


「ヒガシヤマさんは、日本に戻れて…生きる意味を手に入れたの?」

「ぁぁ…。挑戦したよ。この新しい体でね。生きる意味は…夏海かな。夏海の成長が楽しみなんだ」

「そう…。あ、あのね…。ノアは、どっちかを選ばなければならないの。もしも、日本に残ったら…ノアと一緒に…ずっと一緒に…いてくれる?」

「この世界は男女の付き合いは、ノアの世界より厳しいからね。すぐに一緒にはなれないよ。だけど、残るなら…一緒にいることを…誓うよ」

「ヒガシヤマさん…ノアに残れって、言ってくれないの?」

「俺は…ノアを置いて、日本に帰ってしまった。そして、ノア以外の女性と結婚して、夏海を授かった。ノアの事を愛していたのは本当だ。今、再会しても間違ってなかったと言える。だけれども、ノアのいなかったこの世界で結婚した女性へ対する愛も、夏海に対する愛も本物なんだ。ノアが神になってまで会いに来てくれた…それほど強い愛情に答えられる自信がない…。

 その世界を作ったタムリンは、別のタムリンを取り込んだノアに、戦いのない世界で幸せに暮らして欲しかったのかもな。でも、ノアを神にしたのは、タムリンではない。つまり、ノアの心の底にある…言いたくはないけど、俺への想いを乗り越えて、ノアの世界を見守れる強い神になって欲しいのかもな。

 やっぱり、ここに残るか、戻るか…ノアが決めることだと思う」

「ヒガシヤマさんの馬鹿…」


 ◆◇◇◇◇


 翌朝、目覚めた之亜は、夏海の父親と一緒に寝ていた事に驚く。そして、いろいろやらかしてしまったことも…。


「ヒガシヤマさんですか…。ノアって子の記憶、私の中に残ってますよ。勝手に体使われたのは…本来怒るべきだと思うのですが、そんなに…嫌な感じじゃないです。正直、ノアが残れば、私の魂は…どうなったんでしょうね? でも、ノアが残っても良かった気がします。勿論、世界も時代も違って、今は、夏海ちゃんが一番だってこともわかりますけど」


 之亜は、ヒガシヤマさんにキスをした。


「これは、ノアの分で、私のではありません。ヒガシヤマさん、しっかりと責任を取ってくださいね。夏海ちゃんに何て言えば納得してくれるんだろう?」


 ◇◆◇◇◇


 微細な粒子が再び集まり、ノアを形成していく。


 何年もかけて、ヒガシヤマさんを忘れてかけたってのに、また振り出しに戻る…わけでもない…な。前よりも、諦めと言うか、納得と言うか、過去の恋愛と言うか、前に進めた気がした。


 ちなみに神に神を辞退すると言ったのだが、それは無理と言われてしまう。神と言っても全知全能の神ではなく、特定のスキルに属する神であるらしい。


 またその特定のスキルとは、なんと、自分で決められるらしいのだ。


 しかし、条件が合って、既存スキルに無いスキルでオリジナルスキルのみが対象らしい。


 新しいスキルを考えなければならないのか。

真夜中に書いていると、神になっちゃったり、ヒガシヤマさんに会いに言っちゃったりと、とんでもない話に展開していく。


もう日本で再会ENDで良いんじゃね? と、何回も思ってしまった。


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