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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第四部 天の邪鬼な酩酊少女
158/243

第158話

「もういい! ノアぁ…様が、こでぃん的にぃ…助けてぇ…やる…。ばそはどごだぁ?」

「本当か!? で、でも…そんな酔っ払ってて…」

「だいどうぶぅ!! はやぐいえ!」

「街の北、元盗賊たちのアジトに…住み着いた緑豚兵(オーク)の討伐だった…」

「ほらぁ、アネッテぇ、おんぶ、おんぶ」

「えーっ。面倒だけどっ!?」

「お、俺も…連れてってくれ!!」


 2時間後。元盗賊のアジト周辺…。ノアは猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテから下り、少し離れた所で地面に蹲って、既に胃の中が空なのに、吐き続けていた。原因としては、ノアの飲みすぎなのだが、アネッテもノアの酔いが回るように、わざと跳ね回りながら走っていたのだ。


「アネッテ…め…」


 恨めしそうにノアがアネッテたちの場所に戻る。


「ノア。誤解だよ。ほら、吐いてお酒抜けたでしょ?」


 まぁ、確かにそうですけど? そのおかげとは、口が裂けてもアネッテには言わないが、【特定】スキルで、この子供に対する不審点が浮かび上がる。


 怖がってない? 兄を助けたい気持ちが勝ってるから? いや、緊張してるのかな? でも…悪意があるな…。


「えっと、名前なんだっけ?」

「お、俺はバート」

「うん、バートは、ここで待っててね。人質奪還だとバレると、人質を盾に使われるからさ」

「え、でも…」


 白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティルを呼び出し、精神操作でバートを眠らせる。


「ノア? 緑豚兵(オーク)が人質を使うの?」

「ううん。アジトにいるのは、全員人間だよ。それも…ノアに悪意を持った人間がね」

「それって…このガキを使って、ノアをおびき出したってこと?」

「正解です!!」

「どうするの?」

「どうしましょう? そもそも今回の正解って何? 犯行を計画した主犯を捕まえて依頼主を探すこと? このまま帰ること? 皆殺しにすること? 何にしても、ノア達の正当性が…あっ! 思いつきました!!」


 ノアは、アネッテにバーンを背をわせると、使い魔たちと手を繋ぎ【隠密】スキルを発動する。


「このまま敵陣地へ行って、ノアたちへ何をしたかったのか、探りを入れてみましょう!」

「えーっ。だるいなぁ…」

「だって、ほぼ満員の酒場で…見られているからね…面倒だからって、殺すだけじゃ…」

「うーんと、冒険者ギルドで緑豚兵(オーク)がアジトにいるのは立証済みだから、アジトに行ったけど、全員殺されていたというのは? で、緑豚兵(オーク)は逃げてたみたいな…。全員殺した後にガキを起こして、遅かって的なやつでいいじゃない?」

「おぉ!? どうしたアネッテ! 冴えまくりじゃないですか!!」

「ふっふっふ。遂にアネッテの時代がきましたね!!」

「では、アネッテ!! 全員ぶち転がして来て!! 背後に誰がいるとか聞かなくて良いからね」

「はぁ〜い!」


 背後に誰がいようと、尻尾を掴むのに時間がかかり過ぎて面倒なのです。


 猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテは、進化していないのに灰狼侍(サムライウルフ)のアウギュスタに足元に届きそうな強さなのです。恐らく今頃は、ドヤ顔で登場して、猫つえぇぇぇでもしてるのでしょう。


 アネッテが帰ってきたので、バーンを起こして、兄を救えなかった演技を開始する二人でした。


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