第147話
ハンターギルドから、冒険者ギルドへ。
「ごめんなさい。昨日の約束が、今日になってしまいました!!」
自分から頼んでおいて、すっぽかすなんて、ノアは最低だ!!
「いえ、頭をあげてください。問題ありませんから…」
「お、怒ってません!?」
「はい。大丈夫です。それより、ノア様の条件に適合する人材は3名でした。本人たちへの意思も確認済みです。あとはノア様と面接して問題なければ採用可能です」
ノアはぶっちゃけ誰でも良いのだ。
「はい。リリアナ。この3人から選んで」
リリアナは、私が決めるんですか!? と驚いていたが、「だってノア。魔法わからないもん」と答えたおいた。
「すいません。それと…ハンターギルドから届いた黒飛竜の素材の件について、ギルドマスターがお話をしたいと…」
「えっ!? あぁ…。お話? うん。大丈夫。ほら、よく見れば外壁とか床とか…ガタがきてるじゃないですか? 素材を売ったお金で直して頂いても…」
「そういう訳には、いかねーんだよ」
ノアの頭をガシッと鷲掴みするのは!?
「あっ、ギルドマスター。おかえりなさい」
「おう、このハンターさんと、俺の部屋で話がある。誰も通すなよ」
「わかりました。すぐにお茶をお持ちします」
鷲掴みにされたままギルド長室まで連れてこられたノア。猫亜人のアネッテは、お腹を抱えて笑っている。
「…だからなっ。あんなもん送られてきて、はい、そーですかって、ならねーって」
「毎回同じ事言われてます。何も裏なんてありません!」
「いや、あのな…冒険者ギルドでは、黒飛竜を討伐出来ないだろう? と、言われてるって…誰もが思うんだよ」
「そんなの捻くれてます!!」
ノアは頬をぷくりと膨らませ怒る。
「あのな。お前、ハンターギルドで、フランセル家粛清の依頼を打診されただろ?」
「耳が早いですね? 断りましたよ? ノアは魔物討伐専門ですが、それがなんでしょう?」
「ったく。あのな、あのハンターギルドの受付には気をつけろよ。知っての通り、ハンターギルドの情報管理は笊だ。それを使って、お前に打診したことを諜報部員共にアピールして、まるでお前が参戦するみたいな状態で事態は動いているんだ」
「そう…。だからなんでしょう?」
「だから? わかってるくせに…。その後すぐに、黒飛竜をしたら、フランセル家粛清に、冒険者ギルドも加担していると思われるだろ!!」
「そして、ギルドマスターの部屋で、密会していると…どう思われるでしょうか?」
「あっ…」
ノアはニコリと微笑む。ギルドマスターに別れの挨拶をして、部屋から立ち去った。
リリアナと合流する。リリアナは、まだ先生を決めかねているようだった。しかし、ノアの顔を見ると、「こっちにします!」と受付カウンターに資料をバンッ! と勢い良く置いた。
明日の昼に、リリアナの先生は、冒険者ギルドに来ることになっているので、そこで顔合わせとなる。




