表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第四部 天の邪鬼な酩酊少女
145/243

第145話

 怒り狂った黒飛竜(ダークワイバーン)は、尻尾を鞭のようにしならせ、強烈な一撃で、近づく灰狼侍(サムライウルフ)のアウギュスタと、猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテを牽制する。


 アネッテは身の軽さを活かして、ヒョイッと尾をジャンプで躱したが、アウギュスタは踏み込んだ地面に足を取られてしまった。刀をクロスさせながら尻尾の直撃を受けて吹き飛ばされたが、運良く後ろにいた鉄巨兵カリブルヌスジャイアントのラヴレーンチェフにキャッチされる。


 黒飛竜(ダークワイバーン)が翼を広げた。


「飛ばせるものですか!! 炎矢(フレイムアロー)!!」


 ノアは左腕の七色に輝く精霊義手(エレメンタルアーム)を弓に変化させ、火傷をしないように結界で右手を覆い【炎術】により炎の矢を召喚する。【弓矢】スキルを発動させ、炎の矢を放つ。


 月弓(ムーンアロー)とは違い、矢にのみ力を注げるので、威力は段違いなのだが…。黒飛竜(ダークワイバーン)は回避しながら、上空へ飛び立った。


「空の敵は厄介でコン!!」


 冬狐姫(ヒエムスクィーン)のカルメンシータは、右の翼を凍結させた。動きが鈍ったところに、鉄巨兵カリブルヌスジャイアントのラヴレーンチェフが、黒飛竜(ダークワイバーン)の足を掴む。


「そのまま!! 拙者が!!」

「残念!! たまにはアネッテが!!」


 アネッテの【猫爪】により、黒飛竜(ダークワイバーン)の首が刎ねられた。


「す、凄い…これが…ハンターの戦い…」


 リリアナは胸の前で両手を組み…祈るように戦いを見つめていたのだ。


 その呟きを聞いていたノアは答える。


「一年後、リリアナも十分な戦力として一緒に戦えるよ。ちなみに…この報酬は、バルバストル金貨で650枚だよ」


 ノアは小さな玉から出る導火線に【炎術】で着火する。「アウギュスタ!」を呼び、その玉を渡すと、アウギュスタは空高くへ投げる。


 パァァァァァァンッ!! と、大きな音が上空で鳴り響く。


「師匠あれは?」

「うん? 信号弾。この近くにいる回収屋が、そのうち来るはずだ」


 しばらくすると、バサバサと羽悪魔(レッサーファミリア)の集団がやってくる。指示書を渡し、黒飛竜(ダークワイバーン)の死体を指示すると、あっという間に解体して、遺体を持ち去ってしまった。


「何か、凄いの見ちゃいました…」

「料金は割高だけど、便利だよ」


「ノア! こっち来て〜。黒飛竜(ダークワイバーン)の赤ちゃんがいるけど、どうする? アウギュスタが食べたいって言ってた」

「ば、馬鹿な…拙者は…」

「う〜ん…。そうだなぁ…。食べちゃいなよ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ