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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第四部 天の邪鬼な酩酊少女
140/243

第140話

 結局、何度か頼み込みましたが、取り繕ってもらえませんでした。


「はぁ…。どうしよう…。もうお金もないし。いつまでも孤児院にいられないよ…」


 トボトボと孤児院への近道の路地裏に入ったのが失敗でした。何でだか知りませんが、盗賊たちに囲まれていました。


「あの…私…孤児院出の貧乏人ですよ?」


 盗賊たちは、何も答えない。ニヤニヤしながら…距離を縮めてきた。心臓がバクバクする。折れた箒の柄で作った杖を握りしめる。


「や、やめてください! あなた達は…誰ですか!」


 このまま…恥辱の限りを味わい…娼婦として売られる…。何てつまらない人生だったんだろう…。


「何だよ。魔女じゃねーのかよ? 抵抗しないのか?」

「ギャハハッ!! 震えて、呪文が唱えられねーってか?」


 違う…。人を傷つけるよな魔法を覚えてないだけ…。


 背中に気配がすると、腰やら、腕やらを…押さえつけられる。


「とりあえず、中身を確認しねーとな」


 盗賊がナイフを出す。服を切り裂くつもり…。駄目!! これは…みんなが…一生懸命お金を出して…作ってくれた…魔女の服…。怖くて、怖くて…声がもう…でない…。


 しかし、ナイフを持った盗賊が…目の前でふっとんだ!? それは、猫亜人(ゴロゴロニャー)の少女が、殴りつけたからだと、すぐに…わかったのだが…何で? ここに…いるの?


 猫亜人(ゴロゴロニャー)の少女は、相手の動きが全部理解っているみたいに、後ろにも目が付いているみたいに…。踊りながら戦っていた!?


 私には、何が起こっているのか、よくわからない。でも…猫亜人(ゴロゴロニャー)の少女は、圧倒的だった。格好いい…。


 そして、物凄く大きな…目つきの鋭い…両手に剣をもった…ムキムキのおじさんが現れた…。なになに!? 盗賊なんかよりも、もっと…凶悪な…最悪だ…間違いなく、殺される…。


「アネッテは魔女殿をノア様の下へ。あとは拙者が!!」


 えっ!? 猫亜人(ゴロゴロニャー)の少女の仲間!? ノ、ノアさんに会えるの!?


 地獄から天国へ返り咲いた私。今度は違う意味で、心臓がドキドキする…。


 ノアさんは、ベッドの上でぐったりしながら、「あなた、薬と魔法で、治せるんでしょ?」と聞いてきた。


「は、はい! 治せます!!」

「じゃー、お願い…」


 いきなり…何の疑いもなく、信用されてしまった!? しかし、これは…アピールチャンスです!!


 携帯していた薬草と道具で、二日酔いの薬は簡単に作れた。ノアさんに飲んでもらい、私は、魔法で体にあるお酒を浄化していく。


 ノアさんの体って…ハンターにしては…華奢なんだね。


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