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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第四部 天の邪鬼な酩酊少女
137/243

第137話

「へへ〜っ。私? ノアァですよ〜。ははっ! おじさん、ロリコンですねぇ〜。こんな小さな子が趣味なんですかぁ? ははっ!」


 ノアはカウンターから、店のど真ん中に席を移し、大勢のごろつきや冒険者に囲まれて、酩酊状態となっている。このままだと…泥酔状態となり、またお持ち帰りされかねない…。


 しかし、アネッテは…ノアに近づくことを躊躇する。酩酊状態のノアは、暴力的なのだ。


「うぅ…。でも、後で冬狐姫(ヒエムスクィーン)のカルメンシータと、灰狼侍(サムライウルフ)のアウギュスタの説教を喰らうのも嫌だなぁ…。お昼ご飯で…頭が一杯だった自分が恨めしい…」


 チラッとカウンターから振り返り、ノアを一瞥したアネッテは、ため息をついた。


「よっっっし! お前らぁ、かかってこいぃ!! ノアァを倒せたら、抱かせて…やる…うぃっっ…」


 人間界を知らなかったアネッテでも、一年で大凡理解できた。アレは駄目だ。あんな酔っぱらいを好きになる人間は…いないだろうと。


 そして、酩酊状態であるが、今のノア自身の実力も…それなりにあり、半端な男どもでは勝てないのだ。


「女の子が…ちょっと飲み過ぎかな?」


 ノアが振り上げた腕を、スッと掴む紳士…。あっ…。


 アネッテは知っていた。ノアの好みのタイプを。嫌な予感は的中する。ノアは、その紳士の顔を見て、ぽーっとしている。


 ノアは基本かまってちゃん&怒ってちゃんなのだ。しかもダンディーなおじさんや、優しいお兄さんに弱い。


 面倒事の予感がするが、紳士っぽいけど、こんな庶民の店に貴族たちは来ないはずだ。アネッテは、とりあえずホッとする。


「スキ…」と大胆にノアは告白を始めた。


 またまた始まった!?  しかし、乙女モードの今なら非暴力モード!! アネッテはカウンターから飛び降りると、ノアを抱えて店の外へ走り去る。


「ノアァ…結婚するぅ…もう…だぁいすきぃ…」


 男に抱っこされたと勘違いしているノアの顔は、とっても幸せそうにだった。


 庶民街から少し高級な街並みの地区に入った。アネッテも自身が猫亜人(ゴロゴロニャー)でありトラブルの元である事は認識している。だが、ここらで名が売れているノアのギルドカードを見せれば、庶民の泊まれる高級ホテルならば…。


 ノアを部屋のベッドに寝かせる。


「むふふっ。高級ホテルに泊まっちゃった。これはノアが悪いんだからね!!」


 鼻歌交じりでお風呂の準備をするアネッテ。


「それじゃ、ノア。お先にぃ〜」


 さっぱりした顔でお風呂から出てきたアネッテだが、ノアが吐き戻した…カオスなベッドを涙ながらに掃除するはめになったのだ。


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