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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第三部 異世界から来た転生者
134/243

第134話

 ノアは転移ポータルを使い地上の家に戻った。勿論、10mを超える鉄巨兵カリブルヌスジャイアントとなったラヴレーンチェフは封印したけど。


「ここがノアの家!?」猫亜人(ゴロゴロニャー)のアネッテが大はしゃぎする。


「うん…。久しぶり…」

 

 と、ノアがソファーを撫でながら、ヒガシヤマさんを思い出し、感慨深い気持ちになってとき…。


「もぅー!! 何で帰っちゃうかな? あと少しでゴールでしょ?」


 振り返ると5、6歳の子供が立っていた。


「だ、だれ?」


 子供は腕を組むと、「俺は、第100階層のボスだ。名前はない」とふんぞり返る。


 灰狼侍(サムライウルフ)のアウギュスタは、即座に刀を二本召喚して臨戦態勢に入る。


「待て。俺は戦闘できない。話を聞け。それと…数百年ぶりに声を出す。喉を潤すお茶が欲しい」


 【特定】スキルで調べるが、確かに戦闘力もない。悪意もない。


「う〜ん。これから夕食なんだけど、一緒に食べる?」

「おぉっ!! いいな。喰ったのは一年前の生贄以来だな」


 飛び出したアネッテが爪を伸ばし、子供の喉元に突きつける。


「待て。殺すのは、また後にしてくれ。オマエは主の努力を無駄にするつもりか?」

「アネッテ。止めなさい。まずは話すことが大事です」


 ノアは、久しぶりに精霊王の力を使って、ハンバーグステーキセットを作り出す。沢山食べそうなアウギュスタには山盛りだ。


 白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティルと鉄巨兵カリブルヌスジャイアントのラヴレーンチェフは食べ物を食べられないので、フェールケティルは森を散歩して、ラヴレーンチェフは家の前の広場で寝転がっていた。


「おい、何じゃこりゃ、美味いぞ! 美味すぎる!!」

「アネッテ…こんなの初めて。美味しい…」


 どうやら高評価らしい。流石は、ヒガシヤマさんの世界の料理だ。


「で? 君は、何で、100階層から来ちゃったの?」

「うん? だって…もうすぐ消えちゃうから。ほら、そこの生贄アネッテを喰えないから…」

「君。アネッテを挑発しないで」

「ご、ごめん…怒らないで…」

「これで怒らない猫亜人がいたらみてみていですよ!」


  アネッテって、弱い人に強いタイプだね…。


「消えちゃう前に何か用があるの?」

「うん。俺を作った人間が、最下層まで来たら、プレゼントをあげろって」

「でも、最下層まで行ってないよ?」

鉄巨兵カリブルヌスジャイアント倒したら、俺まで…階段おりて、すぐだったのに…帰っちゃうんだもん」


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