第127話
翌朝、絵本を見て愕然とした。これは…ヒガシヤマさん?
広場に石碑もあると言うので、ノアは調査することにした。
「猫耳は日本人の夢 ヒガシヤマ か…」
【看破】スキルを使って、刻まれた日本語を解析する。馬鹿なセリフを石碑に刻んだもんだ…。
ダンジョンに入ったこと無いって言ってたのに…。賢者と面識が無いような口調だったのに…。ボッチだと言っていたのに…。でも、賢者様って女性なんだよね? ヒガシヤマさん…惚れなかったのかな? ノアの知らないヒガシヤマさん…。うっ? これって…嫉妬!?
絵本では…精霊王の力で、進化させていた。
猫から猫亜人…。なら、ノアの使い魔達は?
左手を見つめ、目線を使い魔に向けると、白姫狐のカルメンシータが、一歩前に出た。
「進化…したいの?」
カルメンシータは、コクリと頷いた。
左腕の七色に輝く精霊義手には、固有スキル【進化】が付与されている。カルメンシータに触れ、【進化】スキルを発動させる。
眩い白い光に包まれ進化が始まる。
姫に相応しい美しい顔立ちの少女に生まれ変わる。真っ白な髪、真っ白な肌、青い瞳、真っ赤な唇。ノアよりも少し低い程度の身長だ。
「改めて、ご挨…」
しかし、当たり前だけど、裸じゃないか!! ノアは優雅にお辞儀をするカルメンシータに【巣魔】スキルを発動して、強制的に封印した。
全く、女の子が裸で何をしているのか…。
「部屋に戻ってからだけど、他に進化したい子はいる?」
灰刃狼のアウギュスタと黒岩鰐のラヴレーンチェフだけでだ。
確かに、隕石鷹のエドヴァルド、銀溶液のペルペトゥア、
白浮霊のフェールケティルって、進化するとどうなるかわからないもんね。
ノアは自室に戻ると、灰刃狼のアウギュスタを進化させて。やっぱりアウギュスタは筋肉ムッキムキの男の子だった。勿論、黒岩鰐のラヴレーンチェフも…ただ筋肉と言うよりは、全身鱗で覆われていた。
ノアは、アネッテを呼び出すと、三人の服を調達できないか相談する。しかし、アネッテは美しいカルメンシータに釘付けになる。
ノアは…カルメンシータになら…仕方ないかと…パンチを見送り、注意するだけに留まった。
「浮気禁止」