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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第三部 異世界から来た転生者
127/243

第127話

 翌朝、絵本を見て愕然とした。これは…ヒガシヤマさん?


 広場に石碑もあると言うので、ノアは調査することにした。


「猫耳は日本人の夢 ヒガシヤマ か…」


 【看破】スキルを使って、刻まれた日本語を解析する。馬鹿なセリフを石碑に刻んだもんだ…。


 ダンジョンに入ったこと無いって言ってたのに…。賢者と面識が無いような口調だったのに…。ボッチだと言っていたのに…。でも、賢者様って女性なんだよね? ヒガシヤマさん…惚れなかったのかな? ノアの知らないヒガシヤマさん…。うっ? これって…嫉妬!?


 絵本では…精霊王の力で、進化させていた。


 猫から猫亜人…。なら、ノアの使い魔達は? 


 左手を見つめ、目線を使い魔に向けると、白姫狐(クィーンフォックス)のカルメンシータが、一歩前に出た。


「進化…したいの?」


 カルメンシータは、コクリと頷いた。


 左腕の七色に輝く精霊義手(エレメンタルアーム)には、固有スキル【進化】が付与されている。カルメンシータに触れ、【進化】スキルを発動させる。


 眩い白い光に包まれ進化が始まる。

 

 姫に相応しい美しい顔立ちの少女に生まれ変わる。真っ白な髪、真っ白な肌、青い瞳、真っ赤な唇。ノアよりも少し低い程度の身長だ。


「改めて、ご挨…」


 しかし、当たり前だけど、裸じゃないか!! ノアは優雅にお辞儀をするカルメンシータに【巣魔】スキルを発動して、強制的に封印した。


 全く、女の子が裸で何をしているのか…。


「部屋に戻ってからだけど、他に進化したい子はいる?」


 灰刃狼(ブレイドウルフ)のアウギュスタと黒岩鰐(ストーンアリゲーター)のラヴレーンチェフだけでだ。


 確かに、隕石鷹(メテオホーク)のエドヴァルド、銀溶液(シルバースライム)のペルペトゥア、

白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティルって、進化するとどうなるかわからないもんね。


 ノアは自室に戻ると、灰刃狼(ブレイドウルフ)のアウギュスタを進化させて。やっぱりアウギュスタは筋肉ムッキムキの男の子だった。勿論、黒岩鰐(ストーンアリゲーター)のラヴレーンチェフも…ただ筋肉と言うよりは、全身鱗で覆われていた。


 ノアは、アネッテを呼び出すと、三人の服を調達できないか相談する。しかし、アネッテは美しいカルメンシータに釘付けになる。


 ノアは…カルメンシータになら…仕方ないかと…パンチを見送り、注意するだけに留まった。


 「浮気禁止」


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