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ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第三部 異世界から来た転生者
125/243

第125話

「ど、どーゆーことですかっ!!」


 村長に詰め寄るノア。自分の失態でもあるし、失態の理由が理由だけに…それを知られていて恥ずかしいし、怒るに怒れないノアだった。


「い、いや…人間様が来た時は、昔からの習わしで…わ、儂も…数百年前の文献を読み解き、人間様に失礼のないように…努力したんじゃ。決して!! 悪気があったわけじゃないのじゃ!!」


 確かに【特定】スキルでは、村人全員が善人そのものだ。


「そ、それでは…人間様ってのは、猫亜人を作った賢者様なのですね。そして、女性で…時たまぶらりと遊びに来ては…昨日のようなことを?」

「は、はい…。賢者様だから…歓迎するのか、人間様なら誰でも歓迎するのか、正直…村でも混乱しました。しかし…仲間を死の淵から救ってくれたのは…賢者様と同じではと…」

「ノアだって、喜んでたでしょ?」


 ノアの精霊義手(エレメンタルアーム)パンチが、アネッテの腹にクリティカルヒットした。


「ノア…!?」

「わ、わかりました。ノアにも…いろいろ反省点はあります。でも…いえ、あのような豪華な宴をノアのために開いて頂き…本当にありがとうございました」


 ペコリとノアは頭を下げた。はぁ…恥ずかしくて、この村にいられないじゃない!


「でも。ノアとの子って、人間なのかな? 精霊なのかな? 猫亜人なのかな? 楽しみぃ〜」


 アネッテがとんでもないことを言い出した。


「はっ? ひ、避妊してないの!?」

「ひにん? それ…何? ひにんって、どんな人種なんだ?」


 ヒ、ヒガシヤマさん…。ごめんさない…。そして、助けて…。


 ノアは静かに座り直し…村長とアネッテに涙混じりで怒涛の説教を再開した。


「そうですか…。人間の文化は賢者様から伺っていた…残された文献のみでして…。それに…もし、身籠っているならば…この村で産んで頂けないじゃろか? 実は…」


 オルミ村とアネッテの置かれている状況が説明された。


 一年に一度、生贄を神に捧げる。今年の生贄がアネッテなのだ。

 オルミ村と同じ猫亜人の村がもう一つあり、そことの代表者同士が戦い、負けた方が生贄を差し出す掟となっていた。

 つまり大怪我をしたアネッテの兄が代表者だった?


「だから…ノアに出逢った時、殺されたくなかったんだ。童貞のまま…生贄にならなくてよかった。もしかしたら…子も残せるかも…ノアには悪かったが、もう思い残すこともない…」

「な、何ですか!! 生贄って!! 絶対に許さない!! それに…人間様って、猫亜人にとって神様と同じなんでしょ? 何故、アネッテは…最初にノアを見て、怖がったの!?」


  アネッテの代わりに村長が答える。


「生贄の神も…人間なんじゃよ…」


 恐らく、その神とやらは、階層のボスだとノアは確信する。


「なら、ノアは…その神を倒さなければなりません!!」


 この何とも言えないイライラを…ボスにぶち込んでやります!!


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