第118話
突然の強襲!! しかも頭上からの攻撃!? 何もかも後手に回るノア。
【回避】スキルで真横にステップしながら、【結界】スキルを発動させるが、矢のように鋭い隕石鷹の速度から逃げられない!!!
だが、灰壁馬の毛皮製の外套から、銀溶液のペルペトゥアが、縄状態で飛び出し、隕石鷹を縛り上げながら、ノアを触手で弾く。
ノアが油断してても、ペルペトゥアが警戒しててくれたのか。またノアは、【特定】スキルを有効に使えなかった…。大反省ですね…。
ペルペトゥアは、隕石鷹をモグモグと食べ始めた。
空からの攻撃か…。今の使い魔達で対応できるかな? ノアは警戒しながらも、いつもの布陣を展開する。しかし、これって…狭いダンジョンの通路用なんだよね。こんな広い場所で、この布陣って…いろいろと対応できなさそうだけど…。
なので、左前方を灰刃狼のアウギュスタ、正面を黒岩鰐のラヴレーンチェフ、右前方を白姫狐のカルメンシータにして、ラヴレーンチェフとノアの距離を縮めた。
白浮霊のフェールケティルは頭上を飛んでもらい上空からの敵を任せる。
隕石鷹を食べ終えた、ペルペトゥアは満足そうに外套の中に戻る。
そうだね。今度、隕石鷹が襲ってきたら従属しよう。飛行系の魔物も重要だよね。
すると、今度は、前方に集団の魔物の反応が!!
青子鬼、赤巨鬼、緑豚兵の混合パーティ!? しかも、こちらを認識するや否や、矢とか魔法とかを放ってきた!?
予想外の事態に司令塔のノアが、しっかりと指示を出せずに混乱する使い魔達。
「あわわわっ!? えっと、アウギュスタ! と、特攻!?」
特攻するアウギュスタに、敵パーティーは集中砲火を浴びせる。
「だ、駄目!! 月弓」
数十本の魔法の矢が、雨あられと敵パーティーに降り注ぐ。赤巨鬼を残し、他は倒せてみたいだ。
「カルメンシータ! 赤巨鬼を凍結させて! 近づきすぎないようにね」
赤巨鬼をカルメンシータに任せて、ノアはラヴレーンチェフに守れれながら、アウギュスタの救出に向かう。
「ごめんね。アウギュスタ。ノアが馬鹿ばかりに…こんな怪我を…」
ノアは【回魔】スキルで、アウギュスタの治療を行う。
まったく、格下の魔物に何をやってるんだ…。悔しくて、ノアの瞳からは大粒の涙が溢れだした。
外套から触手を伸ばし、ペルペトゥアは涙を吸収する。
そして、ペチペチとまだ戦いは終わっていないと、知らせてくれた。
敵側の混合パーティーに増援が来たのだ。