第117話
二週間! 二週間です!! 悩みに悩んだ必勝方法。
ノアは、火蜥蜴のエドゥアール、風妖精のクローイ、白姫狐のカルメンシータ、灰刃狼のアウギュスタ、白浮霊のフェールケティルと手を繋ぎ【隠密】スキルを発動させて、夢蝶々の真後ろにいた。
卑怯と言われようとも。能力全開で戦うのです!!
火炎が!! 竜巻が!! 凍結が!! 斬撃が!! 憑依が!! 夢蝶々を直撃する。元々、体力の少ない夢蝶々は、初撃で断末魔をあげ地面に落ちた。
夢蝶々が倒されると、雑魚な400匹も消滅した。
はぁっ、はぁっ、はぁっ…。き、緊張したぁ!! ドカッと床に座り込むノア。
いくら【隠密】スキルでも、何かを察知されて範囲攻撃された場合、ノアの体力では、夢蝶々と同じように、一撃で死んでしまうのだから。
それに【隠密】スキルから【結界】スキルを発動する一瞬の隙に、攻撃される可能性もある。それは、灰刃狼のアウギュスタ以上の高レベルな剣士ならありえる話なのだ。
「これは…強いけど、あまり使わないほうがいいね」
実戦経験を積めば積むほど、戦いの奥深さに気付く。
「ノアには…向いてないな…」
でも、頑張らないと!! 抗う力を手に入れないと!!
ヒガシヤマさんからのアドバイスなのだから…。
ノアは立ち上がると、第70階層への階段を下り始めた。
ボス以外で苦労したことはないんだよね〜。また、サクサクっとボスまで行って………!?
あれ? あれれ?
下りても、下りても、次の階にたどり着かない。
そして、次の階層に到着。あれれ? 第78階層? 入り口にドアに張り付くプレートで、現在の階層を確認した。
ドアを恐る恐る開くと…。
見事な、太陽の光に照らされた青々とした大草原が広がっていた。そして、天井もなく、青空と白い雲。
「ここは? 一体!?」
ダンジョンの中に、地上があったのだ。
「キェェェェェェッッッ!!!」
上空から急降下してくる隕石鷹に、ノアの反応が追いつかない!




