表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノア・デモニウム・プリンセプス  作者: きっと小春
第二部 世界から消えた勇者
100/243

第100話

 船内は研究者や警備兵などでごった返していた。白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティルが適切な経路を、灰刃狼(ブレイドウルフ)のアウギュスタに伝え、甲板まで到達した。


 しかし、甲板で待ち構えていたのは、ヴァルプルギスの夜会、メンディサバル帝国、異端審問官、古代教会、そして、アンブロス王国と、各組織の重要な者たちであった。


 各組織は、互いに牽制し合いながらも、ノア確保に向けて行動を起こす。


「聖女サトゥルニナ・レーヴェンヒェルム!! 貴様っ!? ヴァルプルギスの夜会を裏切るのか!?」


「裏切る? いいえ。最後にはノアを提供します。貴方方が欲しいのは勇者スキル。しかし、その奪い方一つで、ノアの命は消え去ります。そうでしょう? ヨハネス・ケルヒェンシュタイナー?」


「その娘の命など、どうでも良い。重要なのは勇者スキル!! 我らアンブロス王国が! そして我が王が!! 世界を手にするために必用なのだ!! 12年前の失態をここで取り返す!!」


「貴様らアンブロス王国が世界を? 笑わせるな!! メンディサバル帝国こそ世界の覇者に相応しい!!」


「ゴミどもが…。兵力のない戦いこの場で、ヴァルプルギスの夜会に勝てると思っているのか!?」


  魔法都市ヴェラゼンに聳える十一塔の呪術塔の主アーク・ノルドクヴィストが、呪詛の光線(カースドレイ)を放つ。


 甲板で大爆発が発生し、その衝撃で空飛ぶ船は傾く。


「流石に容赦ないわね」聖女サトゥルニナ・レーヴェンヒェルムでも結界越しにダメージを受けてしまった。


 その隙にノアに近づく、メンディサバル帝国の騎士団と、ヨハネス・ケルヒェンシュタイナー率いるアンブロス王国の騎士団。


 火蜥蜴サラマンダーのテッレルヴォと、月妖精(ムーンチャイルド)のドーグラスが、それぞれの騎士団を相手する。その隙を狙って、さらにヴァルプルギスの夜会のメンバーであるセレスティーヌ・ヴェラーにより、白姫狐(クィーンフォックス)のカルメンシータと灰刃狼(ブレイドウルフ)のアウギュスタが無効化されてしまう。


 銀溶液(シルバースライム)のペルペトゥアは、ノアと灰刃狼(ブレイドウルフ)のアウギュスタを固定しているため参戦できず、最後は白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティルのみとなる。


 しかし、聖女サトゥルニナ・レーヴェンヒェルムの前では、白浮霊(ホワイトレイス)のフェールケティルは、相性が悪すぎた。


 もう誰がノアを捕まえても不思議ではない状況に、異端審問官のリオニーが立ち塞がる。


「ノアは…渡さない!!」

「異端審問官のガキが!!」


 魔法都市ヴェラゼンに聳える十一塔の呪術塔の主アーク・ノルドクヴィストの髑髏の杖と、タムリン譲りの死を連想させる巨大な死神の鎌が、ぶつかり合う。


「はっ! 貰ったぜ!! |スキル強制強奪《リリーススティール!!》!!!!」


 集団を抜け出したヨハネス・ケルヒェンシュタイナーが、ノアの右手を掴み、魔道具に封印された最上位スキルを発動させた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ