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少年の幸福  作者: 結ヰ織
【第1章】 
3/31

第3話 過去の記憶

 高校一年の頃、俺は毎日喧嘩するような問題児だった。毎日のように職員室に呼ばれ教師陣から怒られて同年代、先輩関係なくほとんどの生徒から恐れられていた。だが少し生徒からは支持を受けている。同学校の生徒が他校の奴に絡まれてるのを見た時は必ず助けるようにしている。しかし喧嘩は喧嘩今日もいつもの如く放課後に校内放送で呼び出される。


 『一年二組桐島真人(きりしままこと)旗本連(はたもとれん)高津健八(たかつけんや)、至急職員室まで来なさい。繰り返す……』


 いつものヤンチャな友人二人と共に放送で呼ばれる。この放送にはもう馴れた。この呼び出しを一度もバックレたことはない。バックレたら次の日その分含め怒られるのが面倒臭いからだ。俺と巨体な身体の茶髪で短髪な高津健八と、クールイケメンで背中半分目位に伸びた長い黒髪をポニーテール風にしている旗本連は廊下を横三人で並び職員室に向かう。


 俺が真ん中位置で歩いているが一番地味でこの中で一番低身長だ。喧嘩も正直二人に敵わないがこの二人はとあることがきっかけに俺を中心について来てくれる。


 「失礼しまーす」

 「遅いぞお前ら!」


 いきなりに俺等を怒鳴りつけるのがこの学校の生徒指導をしている熟年教師の榊谷(さかきや)だ。榊谷は俺等に対して理解はある。俺等が絡まれてる同学校の連中を助けているのを知っているからだ


 「まったくお前らは喧嘩ばっかりしやがって。お前ら三人成績優秀者じゃなかったら今頃退学になってるぞ」

 「まぁ俺達勉強できますから」


 俺と健八、連の三人はこの学校でも成績上位者の中に入っている。中には俺達が不正をしてるんじゃないかという噂もあるがもちろんそんなことはしていない。連に至っては学年一位だ。不正をしていないことを榊谷だけは信じてくれた。


 「調子に乗るんじゃない桐島。このままそんな生き方してると必ず後悔するぞ」

 「後悔なんてしないですよ。それに今が楽しければこの先の後悔なんて微々たるもの」

 

 榊谷は最後に決まってこの話をするその生き方だとこの先後悔すると。俺は後悔なんてするもんかと高を括っていた。


 長い説教も終わり俺達三人は職員室を後にする。俺等が職員室ドアを出た瞬間を見計らって他の教師陣が俺達三人を誹謗する。陰で誹謗する連中に比べたら榊谷は良い教師だと思う。俺達はその誹謗してるヘタレな教師陣に向けて警告の意で職員室の壁を外から殴る。俺と連は少しの衝撃音だが、巨体な健八が壁を殴ると壁に穴が開きそうな音がする。手加減をしているらしいが本気でやったら穴が開くんじゃないかと思う。榊谷が出てくる前に急ぎ職員室から離れる。


 「榊谷出て来たかなぁ?真人」

 「さぁ知らないよ。それより二人とも今日も行くだろゲーセン」

 「もちろんだ」

 「あぁ」


 健八はよく喋るのだが連は基本『あぁ』か『そうだな』みたいに一言しか話さない。クールなのはいいがもう少し話して欲しいんだけどな。

 俺達はよく隣町の少し大きめなゲーセンにゲーセン本来の目的以外で行く。そこのゲーセンは俺の高校含めいくつもの高校生が行くには丁度良い距離に在り他校のヤンチャ野郎が集まる。


 学校から二キロ位先に在り少し時間は掛かるが暇な学生には良い運動だ。そんなゲーセンに今日もやって来た。入り口に入った瞬間だった。五人の不良が待ち構えていた。


 「待ってたぜ真人」

 「はぁ、今来たばかりだってのに」

 「うるせぇ!一昨日やられた分しっかりと返してやる」


 この連中は一昨日もこの場所に来ていて何回か喧嘩したことがある。こいつらは俺達に勝ったことはない。だが何回も挑戦してくる。


 「一昨日って何回俺達に負けたと思てるんだよ。この中で一番弱い真人にも勝てないのに俺と連に勝てるわけないじゃんか。なぁ連」

 「あぁ」

 「健八、誰が一番弱いって!」


 俺がこの中で弱いのは事実でそれをよく健八と連はネタにする。この一連のネタが健八は好きらしくほぼ毎回やる。正直俺も連も他校の奴らも飽きただろう。


 「もうそのネタは飽きたわ!おら行くぞ」

 「ちょっと待てよ、ルールは守ろうぜ」

 「チッお前は律儀だよな真人さんよー」


 このゲーセンでの喧嘩にはルールがあり、店内では絶対に喧嘩しないことになっている。このゲーセンには俺達以外の子供だったり客がいる。迷惑を掛けたくはないし警察に通報はされたくない。後は武器禁止と負けた者は勝った者に千円を渡すルールになっている。場所はゲーセン横の空いた空間で行う。


 「ここなら良いんだろ。じゃあテメェ等やるぞ」

 「あ!兄ちゃん達居た!また俺のこと置いてって喧嘩してる」

 「なんだよ。陽太もう来たのかよ」


 俺と同じにぼさっと伸ばした黒髪の黒のパーカー着るランドセルを背負った男の子の陽太は現在小学五年の俺の弟だ。俺達に憧れているらしく、いつも喧嘩を見に来る。危ないから来るなと言っているのだが毎回来る。俺はたった一人の弟が結構好きで巻き込みたくないという気持ちで来るなと言っていたのだが陽太の根気に負け、来ることを許した。


 「危ないから下がってろよ」

 「うん」

 「待たせたな。じゃあ開戦と行きますか」


 開戦と言ったが決着はすぐについた。そもそも喧嘩にもならない。相手が五人来ようと十人来ようと関係なく一瞬で終わる。俺以外の健八と連が本当に只々強い。俺が動く隙もの無く二人が特攻して終わりになる。中学ではお互い別の学校で番を張っていたらしい。


 「別に俺達は千円貰えるから良いけど、俺達に絡むのもう止めれば?金がもったいないぞ。健八と連は強いし、もちろん俺も。……まぁ聞こえてないか」


 俺と健八と連はそれぞれ倒れている五人の不良の財布から千円ずつ抜取り一人五千円も手に入れた。このゲーセンで未だ無敗の俺達にとっては只々良い商売だった。多い日には一万から二万を稼げる。今日もこの後に別グループの三人を負かし合計八千円を稼いだ。


 俺達が負かした奴等がどこで金を手に入れたのか知らないが、どうせカツアゲでもした金なんだろう。まぁどんな金であれルールの範囲内で行っていること。誰にも文句は言われない。


 「今日はこんなもんで良いだろう。俺と陽太はもう帰るけど二人はどうする?」

 「そうだな俺達も帰るか、連」

 「あぁ」


 健八と連とは家が逆方向でゲーセンでいつも現地解散する。俺と陽太の家は高校に一回戻りさらに進んで行き田舎側に入って行く。健八と連は逆にゲーセンまで来た道をさらに進んで行きの少し都会風の所に住んでいる。


 「兄ちゃん、今日もあんまり活躍しなかったね。一応リーダーなのに」

 「うっせ、健八と連が強すぎるんだよー」

 「兄ちゃんももっと強くならなくちゃね」

 「俺は生活費が稼げればそれでいいんだよ」


 俺は別に喧嘩を好きでやってるわけじゃない。実家が貧乏でお小遣いが貰えない分、自分で稼がなければならない。もちろん稼いだ分は同じくお小遣いが貰えてない弟にもしっかり分けている。月に少しだけだけど。


 この家までの長い距離を陽太と話ながら帰るのは一番好きな時間だ。健八と連と帰るのも好きだが、陽太と帰る方がよくわからないが好きだ。何とかなくだがこの時間を大切にしていきたいと思う。時間があっという間に経ち家に着いた。玄関の引き戸をスライドさせると珍しく今日は鍵が開いていた。


 「ただいまー」

 「あら早かったのね、真人、陽太」

 「今日お母さん仕事早く終わったの?」


 今日は珍しく母親が帰っていた。今帰ってきたばかりなのかスーツをまだ着ていた。母親がいることに陽太は凄く嬉しがっている。親は共働きで母親はこの時間に帰ってくることは滅多になく、大体早くても二人とも帰ってくるのは九時を過ぎる。だから夕飯はいつも俺が作っていた。仕事で仕方ないのはわかるが、たまには早く帰ってきて飯を作ってくれ。


 「ごめんね、忘れ物を取りに来ただけでまた会社に戻るようなの」

 「そうなんだ……。お仕事頑張ってね」

 「ありがとね、じゃあ真人、夕飯またお願いね。それじゃあ行ってきます」


 母親がまた仕事に向かって行くのを陽太は寂しそうな顔で見送っていた。昔から両親は仕事ばかりであまり陽太と話す時間がなかった。土日は家にいるがその時以外はほとんど会うことは少なかった。陽太が起きる時間と寝る時間には居ないことが多い。


 「陽太、晩飯までゲームでもするか。昨日の続きしようぜ」

 「うん……。やる」

 「じゃあ、兄ちゃん着替えてくるから先に準備しといてくれ」

 「早くしてね、兄ちゃん」


 陽太が少し元気になってくれて良かった。陽太が寂しくならないように家では基本一緒にいるし、陽太の要望は何でも叶えるようにしている。


 「よし待たせたな陽太、今日こそあれを狩りに行くぞ。一落ちでもしたらお仕置きだからなぁ」

 「兄ちゃんこそ昨日みたいに連続三落ちとかしないでね」

 「あれは、お前の攻撃が当たって怯んだんだよー」


 陽太が完全に元気になってくれて良かった。それから二時間続けて一緒にゲームをする。喜んだり、残念がったり、責任の擦り付け合いしたり、お仕置きしたりととても盛り上がった。毎日のように陽太とゲームをしているが何時間とやっても飽きない。


 時刻が八時を過ぎた頃俺と陽太は未だにゲームに熱中していた。とっくに八時を過ぎていることに俺も陽太も気が付いていなかった。だがお互いのお腹が空腹に鳴ったことで時刻が八時を過ぎていたことに気づいた。


 「悪い陽太、今すぐ夕飯作るから待ってて」

 「うん、兄ちゃん今日は親子丼が良いな」

 「親子丼な任せとけ」


 親子丼は陽太が一番好きな料理だ。週に二回は親子丼を作ることになる。それによって親子丼が俺の中で最も得意な料理になった。ご飯を早炊きで炊き、炊ける三十分で具を作る。得意な料理だけあって余裕で作くれる。


 「よし完成だ」

 「うわー、流石兄ちゃん。今日も美味しそう、いただきます」

 

 陽太は親子丼をその小さい口に出来るだけ頬張る。美味しそうに食べる陽太を見てつい笑顔がこぼれる。


 「美味いか陽太?」

 「うん、すっごく美味しいよ兄ちゃん」 

 「そうか良かった」

 

 陽太が頬張って食べて膨らんだ口を別に意味なく指で突っつく。ちょっかいを掛けると食べるのに集中したいのか少し不機嫌に俺の方を見る。俺が軽く謝罪の感じに微笑むと再びに親子丼を頬張る。頬張って食べる膨れる柔らかな頬見ると触りたくなる。再びに突っつこうとしたところ、玄関の引き戸がスライドする音がした。


 「ただいまー、良い匂いがするなぁ」

 「お父さんお帰りなさい。今日早いね。兄ちゃんが親子丼作ってくれたんだ。とっても美味しいんだよ」

 「そうか、じゃあ俺にも作ってくれよ」


 くたびれたスーツ姿の父親が帰ってきて陽太凄く嬉しそうにする。父親は最速の九時に珍しく帰ってきた。陽太は何日かぶりに父親と話をする。最近は帰るのが十一時を超えることが多くその時間に陽太は寝てしまっている。


 「嫌だよー、面倒くさい」 

 「兄ちゃん作ってあげなよー」

 「作ってくれよー、真人ー」


 陽太に頼まれると断りきれない。仕方なく父親の分の親子丼を作る。その途中に母親も帰ってきた。結局俺は家族全員分の親子丼を作る破目になった。陽太に作るのは別に良いが親二人に作るのは面倒だ。陽太に頼まれなかったら、買い置きしておるカップラーメンにお湯でも入れて渡すんだがな。


 「ね、兄ちゃんの親子丼美味しいでしょ」


 親は美味いと言ってくれた。まぁ悪い気分ではない。今日みたいに家族全員が揃って食卓に並ぶのは久しぶりだ。親のどちらかが遅かったり、どちらも遅かったりが多く俺の隣に陽太が座り、前に親が座る。こんな情景は久々だ。


 今日は陽太と一緒に風呂に入り最近流行っている歌を歌いながらバスタブに一緒に浸かる。親が帰ってきて陽太のテンションが高い。最低十五分を浸かるのが家のルールで陽太はいつの五分で出てしまうが今日が十五分丸々入っていた。


 もう時刻は十一時を過ぎていて、陽太は眠そうに着替える。髪を乾かしてやり陽太の部屋まで連れて行き陽太は布団に入る。


 「兄ちゃんおやすみ」

 「おやすみ陽太」


 音を立てないように静かに引き戸のドアを閉める。俺も隣の自室に入り、ベットに横になる。明日までの宿題的なのがあったような気がするがいつの間にか眠ってしまった。七時に起きた時にはもう親は出掛けていた。俺は陽太を起こし、買い置きしてある菓子パンを与え俺は制服、陽太はパーカーに着替え学校へ送った。


 「じゃあまた放課後な」

 「うん、兄ちゃん」


 陽太と小学校の校門で前で別れ五百メートル近くある高校までダラダラと歩いて行く。俺と健八と連の三人は遅刻も早退も授業をサボったりもしない。至って普通に授業を受ける。六時間という苦痛の時間を乗り越え、ようやっと放課後になった頃。


 『一年二組、桐島真人、高津健八、旗本連、至急職員室まで来なさい』

 「はぁ、またかよ、榊谷の奴今日も呼び出しやがって」


 昨日に続き今日も職員室まで呼び出される。サボるわけにも行かず仕方なく行く。結局今日も同じ、榊谷に説教され決まって、このままでは後悔するぞと言われる。


 いつも、後悔云々の話を聞き流していたがしっかりと聞いていればよかった今後身に染みる出来事で思い知らされる。


 今日も説教が終わった後いつものゲーセンに行ったが珍しく喧嘩を売ってくるような輩はいなかった。たまにこういう日がある。今日はその日だったんだ。


 「なんだ、今日は誰も居ないのか。どうする真人」

 「じゃ今日は解散で良いんじゃない」

 「そうだな。……そういえば今日陽太の奴来ないな。いつもなら来てる時間だろ?」

 「そういえばそうだな」


 いつもならこの時間には陽太が来ているはずだ。だが今日はまだ来ていなかった。来れない日は大体学校に行く前には教えてくれる。学校で居残りさせられているという可能性もあるが何か嫌な予感を察知した。


 「悪い、俺陽太探してくるわ。また明日」

 

 俺は急ぎ小学校近くに行き陽太を探す。空き地や公園など陽太が行きそうな場所をしらみつぶしに探した。結局見つかったのは陽太が何かあるといつも行く河川敷だった。見ると陽太より一回り大きい近所の中学生の集団が陽太に絡んでいた。


 俺は急ぎ陽太の方に駆けるが、集団の一人が陽太の頬殴るのを止められなかった。陽太はその場に倒れ怯えていた。


 「なんだよ、こいつ震えてるじゃん。所詮ガキはガキだな意気がりやがって」

 「なぁおい、俺の弟に何してんだ?」

 「は?え……」

 「俺の弟に手出して只で済むと思うなよ」


 俺は陽太を囲んだ中学生集団のまず殴った奴に目を付け一発殴る。即隣その隣と次々に中学生の顔を地に付かせる。一人残らず地に付かせ、陽太を殴った奴の元に戻る。馬乗りになって二、三発さらに殴って降りる。


 「図に乗るなよガキが。また俺の弟に手出してみろ、次はねぇからな」


 中学生の集団は逃げて行った。陽太を傷つける奴は誰であろうと許さない。中学生だろうと関係ない。手加減せずに叩きのめす。尻もちをついた陽太を起こし上げる。


 「まったく、無茶しやがって」

 「兄ちゃん怖かった」


 陽太が落ちついてから訊いた話によるとゲーセンの方に住んでいる友達と途中まで行ったところその中学生の集団とぶつかって因縁付けられこの河川敷まで逃げてきたらしい。しかし、囲まれてしまい喧嘩しようと思ったが、臆病な陽太は動けなかったようだ。


 「度胸があるのは良い事だが、もうこんな事はするなよ。もし何かあったら俺を呼べ、どこに居ても助けてやる」

 「うんありがとう兄ちゃん」


 陽太と少し河川敷で話してから家に帰った。いつも通り家には誰も居ない。陽太とゲームをして夕飯食べて風呂に入って陽太は寝た。俺は今日のことを少し考えた。中学生を殴ったことによって明日榊谷に呼び出さえ怒られるのはもちろん、いつもみたいに同じ高校生ならまだしも中学生を殴って只で済むわけはない。もしかしたら停学を覚悟しなければならない。


 そして次の日、俺が職員室に呼ばれることはなかった。中学生を殴って学校に親から連絡が入らないわけがない。俺は不審に思い職員室を訪れた。


 「なんだ、真人今日は呼び出してないぞ」


 職員室にいる教師陣の顔を見てみるがいつも通りだった。俺が中学生を殴ったという情報はまだ来ていないようだった。少し何かの不安を感じしばらくは大人しくすることにした。健八と連にも相談したが、大人しくしてろと言われた。


 それから次の日、次々の日と大人しくした。そして四日目の日


 いつのもように陽太を小学校に送り校門前で別れた。何故かその時陽太の後ろ姿を見て変な感じがした。きっと気のせいだろうと気にせず高校へ向かった。大人しく授業を受け、放課後になり今日もゲーセンには行かず家にまっすぐ帰った。


 陽太はまだ帰ってきていなかった。俺が今日もゲーセンに行かないのは陽太も知っている。ゲーセンに行ったってことは無い。きっと居残りか友達と遊んでいるんだろうと思っていた。しかし、時間が段々と過ぎていきついに五時を過ぎた。

 

 いつもならこんなに遅くなることはない。俺は少し心配になり陽太とよく遊んでいる友達の家に電話をした。すると陽太とは四時半位に別れ家に帰ると言っていたらしい。俺は次に陽太に持たせている携帯に電話を掛けたが出ない。


 俺は心配になり家を飛び出した。まずいつもいる河川敷に向かったが陽太の姿はなかった。健八と連にも連絡をして探してもらった。しかしどこにも居ない。健八と連も見つからないという連絡が来た。二人には捜索範囲を広げてもらい、俺は家に帰っているのかもと家に電話を掛ける。しかし出ない。


 家に掛けた電話を切った時、俺の電話が鳴った。陽太の携帯からの着信だ。


 何か凄く嫌な予感がする。


 俺は恐る恐る手を震わせながら電話にでた。 


 

翔太との生活二日目


 まだ翔太の顔の痣が消えない。テレビでは翔太の名前がすっかり出ていた。顔はまだ出ていないので少し安心だ。翔太は少し不安がっていた。

 「今日はこれやろう」

 翔太は人生ゲームを持ってきた。これで今日一日持つのかと思ったが特殊ルールとして、ルーレットを回してピッタリゴールに着かないと上がれないルールにして無理矢理持たせた。夕飯は夏に鍋焼きうどん


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