第一の街 フリーラン 後
「う〜ん!やっぱり新鮮なお肉は最高ですわ!はぁ幸せですわぁ」
「朝からすごい食欲ですね」
「貴方もしっかり食べないと今日も歩くのでしょう?まぁ疲れたら私の馬車に乗ってもらって構わないけど」
「いえ!あれも訓練なので甘えるわけにはいきません!」
「つれないわねぇ」
エリーゼ様は食べ進めながらも会話が途切れる事はありません。
「それにしても、レオン様と一緒に街に出たかったのだけれど、さすがにあの状態を見ると諦めるしかなかったわ」
「そうですね、街に出るどころかまともに体を動かせる場所もなくて…」
「ねぇレオン様?もう少し肩の力を抜いた方がいいと思いますわ?」
それは解ってはいるんですけどね………
「私は先に部屋へ戻ります。すぐに出発できるように貴方も荷物の整理しておきなさい」
「はい、では失礼します」
僕は頭の中がごちゃごちゃになりながら部屋に戻った。
「ん?どうしたレオン!考えごとか?」
「はい……エリーゼ様の事で」
「何かあったのか?」
「いえ、僕が意識してしまって……いや、意識というか警戒してしまってエリーゼ様との距離感がわからないんです」
ウォルフォードさんは納得したように頷く。
「それは単純に経験不足だな!あっちはあっちで手探り状態だとは思うけどな」
「あぁ訓練したい!体動かしたい!」
「若いっていいねぇ!悩め悩め!」
「あぁもう!ほら!出発の準備しますよ!」
「へいへい」
「あ!そういえば次の街はどんな街なんですか?」
「次か?次は確か……そうだ!陶芸の街 ボロスだ!」