表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の追憶記  作者: 安藤沙耶
一年目
3/8

二ページ目

一番最初に外へ出たのは、クラスの中心的存在だった里口煌大さとぐちこうだい君。

それに続いて、クラスメイト達は次々外へ出ていきました。


私も、舞ちゃんに手を引かれ、恐る恐る外へ出ました。



「…なあ、ここ何処なんだよ?」

一切喋らない魔術師達に向かって、煌大君が聞きました。

「…………貴方達は、何者なんですか?」

篠君も聞きますが、やっぱり誰も答えません。



今なら分かります。

彼らは答えなかったんじゃなく、答えられなかったんだ、って。

召喚魔法は尋常じゃないくらい魔力と体力を消費する。教室ごと三十九人を召喚するなんて、この世界の魔術師が千人集まって、やっと成功するレベルの難易度です。


私達のいた世界から来た召喚師なら、一人でも可能でしょうけれど。


四年前のあの人達は、それを三百人程度で成功させたのです。きっと、成功率は天文学的な数字だったでしょう。

そこは素直に尊敬します。絶対に許しませんが。



「おい!なんとか言えよ!!」

舞ちゃんが叫びました。


この時の発言について、私達が魔法を使う側になった時、舞ちゃんは私に、

「うさ。あたし、もしかしたらあん時、黒ローブ達にすっごく失礼なこと言っちゃったのかな。…なんか、今さらだけど、ちょっと良心が痛むわ」

と言ってきました。

舞ちゃんはとってもいい子です。いや、いい子『でした』。


…あ、『うさ』は私のニックネームです。

『あんど“う さ”や』、の『うさ』です。




「王の御前だぞ!静かにしろ!!」

その声に驚いて、声のした方を見ました。


そこにいたのは、当時の王様ディスモニア・レイダム王と、当時の姫で現王女リーモ・レイダム様、そして声を発した、ディスモニア王の側近バビラ・ギリフさん。


押し黙った私達を見、ギリフさんは腕組みしながらグチグチと不満を呟いていました。

「ったく…これだから異世界のサルどもは…、こいつらよりも奴隷どもの方が物わかりがいいんじゃないのか?」

「い…異世界…?」

佐藤先生がポツリと呟くように言いました。


と、ディスモニア王が口を開きました。

「いきなり呼び出してすまなかった。ワシはディスモニア・レイダム。このレイダム王国の十八代目の王である。詳しい話は広間で話そう。ついてきてくれ」

そういうと、王は赤いマントを翻し、来た道を引き返します。

リーモ様もそのあとについていきました。


私達が困っていると、またギリフさんが叫びました。

「何ボサッとしてんだ!ついてこい!」

その剣幕に押され、私達は彼らに着いていきました。






…そうだ、これを読んだ人に覚えていてもらえるように、あんまり上手じゃないけど、これからは絵を描いていきます。

まず練習代わりに、昔の私。

今とすっかり変わっちゃいました。

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ