二ページ目
一番最初に外へ出たのは、クラスの中心的存在だった里口煌大君。
それに続いて、クラスメイト達は次々外へ出ていきました。
私も、舞ちゃんに手を引かれ、恐る恐る外へ出ました。
「…なあ、ここ何処なんだよ?」
一切喋らない魔術師達に向かって、煌大君が聞きました。
「…………貴方達は、何者なんですか?」
篠君も聞きますが、やっぱり誰も答えません。
今なら分かります。
彼らは答えなかったんじゃなく、答えられなかったんだ、って。
召喚魔法は尋常じゃないくらい魔力と体力を消費する。教室ごと三十九人を召喚するなんて、この世界の魔術師が千人集まって、やっと成功するレベルの難易度です。
私達のいた世界から来た召喚師なら、一人でも可能でしょうけれど。
四年前のあの人達は、それを三百人程度で成功させたのです。きっと、成功率は天文学的な数字だったでしょう。
そこは素直に尊敬します。絶対に許しませんが。
「おい!なんとか言えよ!!」
舞ちゃんが叫びました。
この時の発言について、私達が魔法を使う側になった時、舞ちゃんは私に、
「うさ。あたし、もしかしたらあん時、黒ローブ達にすっごく失礼なこと言っちゃったのかな。…なんか、今さらだけど、ちょっと良心が痛むわ」
と言ってきました。
舞ちゃんはとってもいい子です。いや、いい子『でした』。
…あ、『うさ』は私のニックネームです。
『あんど“う さ”や』、の『うさ』です。
「王の御前だぞ!静かにしろ!!」
その声に驚いて、声のした方を見ました。
そこにいたのは、当時の王様ディスモニア・レイダム王と、当時の姫で現王女リーモ・レイダム様、そして声を発した、ディスモニア王の側近バビラ・ギリフさん。
押し黙った私達を見、ギリフさんは腕組みしながらグチグチと不満を呟いていました。
「ったく…これだから異世界のサルどもは…、こいつらよりも奴隷どもの方が物わかりがいいんじゃないのか?」
「い…異世界…?」
佐藤先生がポツリと呟くように言いました。
と、ディスモニア王が口を開きました。
「いきなり呼び出してすまなかった。ワシはディスモニア・レイダム。このレイダム王国の十八代目の王である。詳しい話は広間で話そう。ついてきてくれ」
そういうと、王は赤いマントを翻し、来た道を引き返します。
リーモ様もそのあとについていきました。
私達が困っていると、またギリフさんが叫びました。
「何ボサッとしてんだ!ついてこい!」
その剣幕に押され、私達は彼らに着いていきました。
…そうだ、これを読んだ人に覚えていてもらえるように、あんまり上手じゃないけど、これからは絵を描いていきます。
まず練習代わりに、昔の私。
今とすっかり変わっちゃいました。