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ごあいさつ
拝啓、これを読んでくれているあなたへ。
私の名前は安藤沙耶です。元々は、地球で暮らしていた、ただの女の子です。
四年前、まだ十五歳の高校一年生だった私は、突然この世界に呼ばれました。
私と、クラスメイト三十六人と、担任の先生と、副担任の先生、あわせて三十九人。
最初は、三十九人もいたんです。
これを読んでくれているあなたへ。
どうか覚えていてください。
ここに私達がいたことを。
たくさん怒って、泣いて、叫んで、苦しんで、苦しんで、苦しんで、苦しんで、苦しんで、苦しんで…。
それでも三十九人が生きていたこと。
これは私の追憶記であり、遺書です。
四年も前のことだから、記憶違いや、忘れていることがいっぱいあるかもしれないけど、それでも、誰かに知っていて欲しいから、綴ります。
もう二度と、私達みたいに、苦しむ人が出ないように、祈りを込めて。