表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明かりが灯る  作者: Spark
18/18

第十八話 エピローグ

 警察が到着したのはそれから15分ほど経ってからのことだった。驚いたのは、さっきまで苦しそうにしていたウィルがそこにいたことだ。

「ウィル?あなた、怪我は?」

私とレベッカが彼に駆け寄り声をかけた。が、彼の答えは意外とあっさりしたものだった。

「かすり傷です」

「か、かすり傷って・・・背中を撃たれたんでしょう?」

私がそう言うが、彼の無表情は相変わらずだった。

「ですからかすり傷です」

背中を撃たれたのにもかかわらずかすり傷だなんて何を根拠にそう言えるのだろうか。

「ケビン・ブラウンをたった今緊急逮捕しました!」

一人の警官がウィルに敬礼を見せるとそう報告した。残念ながら、ランディはもう亡くなっていた。

 私が事件について一通り説明を終えると、ウィルは小さく礼をしてその場から離れようとした。

「待って」

レベッカがそうウィルに告げる。私とウィルが同時に彼女に視線を向けた。何か、考え込んでいる様子のレベッカは、大きく深呼吸を見せると話を切り出す。

「お父さんに、会わせてくれない?」

「・・・わかりました」

彼女のこれからの行動はすぐに推測できる。しかし、本当にそれでいいのかと、アイコンタクトを送ると、レベッカは僅かに微笑んだ。




「お父さん」

私達は今警察署へ来ている。釈放されたエディを迎えに来た。エディはレベッカを力強く抱き締めると、私も同じように抱き締められた。

「ありがとう・・・」

体を離した私は、レベッカの方を向く。彼女は笑顔を繕うこともなく、ただエディをジッと見つめていた。それに気がついたエディがレベッカと向き合った。

「全て、知ったのか」

「・・・ええ」

「そうか」

それから長い沈黙が訪れる。私は耐えられなくなりそうになったが、ここを離れるわけにもいかずただじっと黙っていた。

「レベッカ・・・」

エディが口を開く。それは、とても穏やかな声だ。

「店はお前に任せるよ」

「・・・」

何も言わないレベッカを横目で見ていた私は、エディと目が合う。

「アスリーン、レベッカを支えてやってくれ」

「もちろんよ」

そう言ったエディは、後ろに立っていたウィルに深く頭を下げると近付いていった。

「刑事さん、5年前の事故について話があります」

「・・・わかりました。ではこちらへ」

ウィルは軽く私とレベッカに会釈をすると、エディを連れて警察署へと戻って行った。と、ウィルが立ち止まり、こちらへ振り返る。

「もうすぐ娘さんが迎えに来るはずです」

「え?」

突然のことに言葉を失った私は辺りを見回した。遠くからブリジッドが歩いてやってくるのがわかった。

「親バカってよく言うけど、こういうのって子バカって言うのかしら?」

レベッカがそう小さく呟いた。私もレベッカの肩に手を乗せ微笑む。が、その微笑みはすぐに消え去ってしまった。ブリジッドの隣りにジーンズをずり落ちそうにさせながら歩いてくる青年の姿を見てしまったのだ。

「ジェフ!!」

私は一心不乱に走り出した。




最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。「深い闇に」を書いた後、時間が経っていたので少し読みづらい部分もあったかもわかりませんが、読んでいただいて本当にありがとうございます。厳しいご意見、ご感想をお待ちしております。本当にありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ