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can I kiss you?

作者: muimui

「ん・・・」


うわ・・・なにこれ。

なんていうか、なんていうか、なんと生々しい感触。

THE 生ってかんじだよ。

生 といえば、最近はやりの 生スイーツ・・・



じゃなくて!!

はさまれて、ねっとり入ってきたよこれ、舌?


はい。齢21にして、完全に耳年増になっていた私、今、キスをしている。

キスは初めてなのだ。


こんなにキスが、キス以上のこれからを連想させるものだとは、思ってなかった。

唇って粘膜だったんだ・・・

柔らかくて、濡れてて、あったかくて・・・



キスは初めて。    ・・・だから、キスは初めてなんだってば!!!



そんなことはつゆ知らず、付き合い始めて一週間のゼミの先輩広郷氏は

私が固まっていることにも、さっき歯がぶつかったことにも気付かず(?)舌でやわらかく私の下唇をなぞっている。

なんて、冷静に実況中継している私ですが、実はほぼパニックです。


さっきから、甘い雰囲気だったけど、後ろからやさしく抱きしめてくれてたけど、

な・・・なんでいきなりディープキス???

これ、ディープキスよね?深いよね?

ちょいっ吸わないでっ やんっなんでそんなとこ舐めるのーん??



「・・・っはぁ」


ようやく息をつくことができた。

目が合う。

なんで、そんなに見てるの、え、なんかおかしい??



「ね、もしかして、南実・・・これ、はじめて?」



いまさら気付いたんかい!

前から言ってるでしょ!今までまともに付き合ったことないって。

どこからどうみても、乙女な反応だったでしょ。しおらしくうつむいてたやん!

(しまった!お国の言葉が)



「え、うん。だからいってるでしょ、まともにつきあったことないって」

げ、可愛くない回答。


そして、広郷氏

「そうは聞いてたけど・・・てっきり。いや、迷ったけど、南実大人っぽいし・・」



そういう問題じゃにゃい!じゃない!(心の中で噛んだ)

みんな、そう言うのだ。


南実、大人っぽいよねー  ←ずっと言われてきた

南実、美人よねー    ←うれしい。もっとほめて!

南実、彼氏いそうよねー ←みんながカレできるようになってからずっと言われてきた

南実、なんで彼氏できないんだろうね ←こっちが聞きたいよ

南実、色っぽいよね ← ほめことば?

南実、えろい ←おい!


私はそんな外見なようです。

でもそんな私、鼻息荒くキャンパスライフに突入したのに、大学2年までさっぱり彼氏もできず、でもこんな外見のため、えろいだの、年上の彼氏と長いだの色々噂され

(誰だよそんな噂流したの、あたしじゃないよ)

今に至るわけであります。



そんなことをぐるぐる考えている私に、広郷氏、一言。

「でも、気持ちいいからもう一回」にやり


うわ・・・うわわわわわ


すいません。とってもキスに興味ありました、それ以上にも興味しんしんです。

今もです。

なんだけども、ちょっと心の準備が・・・


彼が角度を変える。

あたしは舌どうしたらいいの?しまっとく?


生温かい舌が上唇の内側をなぞる。そのまま口角舐めて、あ、ちろちろしないで。

くすぐったいのに・・



「・・ぁ・・ん」


なんや今の声ーーーあたし?いや知らんで!

ひょえーーーーーー広郷くん、にやにやしないでぇぇぇ。





_________


大学の三回も後半に入り、

まぁそろそろ就活はじめようか、なんて考えていた最近、なんだか変な彼女ができた。

彼女に会ったきっかけはゼミの調査で一個下の入りたてのゼミ生にアンケートをお願いしたことだった。


書いてもらったものを、俺が記入漏れチェックしていたら・・


氏名 ; 大橋 南実 

年齢 ; 満 2 歳


え(笑)

ありがちな?ミスだが、きつい目のクールそうな女子が2歳て・・と笑いのドツボにはまってしまい、それに気付いた彼女も大爆笑となって。

そう、なんともありきたりだが、その爆笑の豪快さにすっかり惚れてしまったのだ。


彼女は、すごい美人。特にあのつり目がいい。あと、くちびるも。

下唇がちょっと厚くって、吸いつきたくなる。(俺へんたいじゃないよ)

あ、学年は一つ下。でも彼女は浪人したから年齢は同じ。

スタイルがものすごくいいわけではないけど、背が高くて、出るとこでてるってかんじで俺好み。


で、何が変って、なんか・・・挙動不審なのだ。


今日初めて部屋に連れてきた。寒いから鍋でもしようぜといったらがっつり食いついてきて。

大学生の一人暮らし、自由の象徴。

青春の象徴。

男の(彼氏の)一人暮らしの部屋にきて、何するかなんて決まってる。

彼女もそんなことは分かっているだろうに、

部屋に着いてから、どこが、と的確には表現できないが、固いのだ。


・・・ま、いっか。

一週間ですぐにえっちしちゃうのは、なんかいやなの。。みたいなかんじかな。

そう簡単には落ちないぜ 的な?

俺も別に、ちょっといちゃいちゃいちゃいちゃ・・・・・したいとは思ってるけど

無理やり襲おうなんておもっちゃいないし、お互い慣れてそうだからゆっくり楽しめばいいかなと。


しかし、鍋をつつきながら話していると、どうもまともに男とつきあったことがないんだとか。

そんなことをつくねを探して鍋を真剣に覗き込みながら、さらりと言う。

おい、食い気 (笑)

そういえば、今まで色々話はしてきたが、彼女の恋愛話は聞いたことがなかった。

知っているのは外見に似合わず、まぬけで、爆笑が豪快なこととか、

バッティングセンターとテトリス(地味だな)が好きなこととか。

ものすごくよく蚊にねらわれることとか。

小ネタ的なことばっかりだ。


ちょっときつそうだけど、人当たりもいいし、意外性いっぱいで面白いと思ってたけど

え、南実ちゃん、もしかしてスーパーわがままで長続きしないとか??

色気より食い気でふられちゃったとか?そりゃないか。


鍋をきれいに二人でさらって、しめにうどんもがっつり食べる。

なかなかいい食いっぷりだなー。


さて、食べ終わって、片づけて、おなかも満たされたことだしゆっくりしたい。

俺片づけがんばったし。ごほうびにv

南実もこころなしか、柔らかい雰囲気になっている。



うーん。雰囲気だけでなく・・・身体もやわらかそう。

Vネックのニットはそんなにぴったりしたものではないけど、グレーと色白の肌のコントラストがなんともいいかんじ。

ニットめくったら、おなかも白いかな。肩すれすれのボブヘアに隠れたうなじもみたい。


ということで、足の間に彼女を座らせ、後ろからやさしく抱きしめることにした。


あくまで、やさしく。

あわよくば、、、


うん。なぜ、そんなに身体固くしてるんだい?

南実・・そう、こういうところが挙動不審なのだ。。


あーでもやわらけぇ。

上からみるとなかなかいい光景。

南実が少し、うつむく。うなじ・・白い。噛みつきたい。

やばい。

キスしてほしいの?

はにかんでるふりしちゃってーかわいいな。

まともにつきあったことないって、やっぱり慣れてんじゃん。

うつむいたら、その素敵なうなじが見えるのわかってんだろ?


ちょっと身体に力は入ってるけど。

では、いただきまーす。


「ん・・・」

あごに手を添えて、ふりむかせ、軽く上をむかせる。

いきなり、深いキスをするつもりはなかったけど、

目に入った下唇にすっかり魅了されてしまってついつい、甘く、深く重ねてしまう。


可愛い。ん・・っていった!(にやり)


・・て。痛・・今歯あたった(笑)

俺としたことが。

まあいいや、続行―。てか止まらん。

ごめん南実、痛かった?でもとりあえず、なぞらせて。質感さわらせて、舌で。


いい。この感じ。

でも、なんかあんまり、反応してないけど、南実。

・・・・・・ちゅるっっ と下唇を吸う。

・・ぺろり   たまんねぇ。

・・・


南実がどんな顔しているのか、見たくなって、そっと唇を離す。


「・・・っはぁ」

南実が苦しそうに、息を吸う。

呼吸してた??

顔あかいけど、大丈夫?

えーっと・・


「な、もしかして、南実・・・これ、初めて?」


俺はさんざん堪能して、やっと気付いた疑念を口にした。


南実の赤い顔が、挑戦的な色をおびる。

で、

「え、うん。だからいってるでしょ、まともにつきあったことないって」


まじかよ!

だましかよ!

いやなんて素敵なだましなんだ!

っていや別に俺は 初めての男になりたい なんてそんな願望もっちゃいなかったよ

けど・・

この顔と、この身体。(正確にはまだ唇)

俺に最初にゆるしてくれたなんて。。(奇跡!)


なんか、南実は赤い顔して色々考えてるご様子。

俺は、まだちょっと開いてて、誘うように濡れたくちびるに吸いよせられる。


「でも、気持ちいいからもう一回」

あ、にやっとしてるよな?俺。

やばい、顔がにやける。


角度を変えて、再度吸いつく。

今度は上唇も堪能したい。やさしく、なぞって。

舌からめてほしいけど、まずはいっか。

あ、いまちょっと震えたな。

南実・・口角はどう??


「・・ぁ・・ん」


おっしゃーだいせいこーう。。


もっと、甘く、

もっと、俺の味覚えて。


can I kiss you more and more??


へっぽこ短編、読んでいただきありがとうございました。

書いたものを公開するのは初めてですが、もっとドキドキするようなもの書けるように精進したいと思っています。

よかったら、感想などいただけるとうれしいです。



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