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三題噺もどき5

雨、登校

作者: 狐彪
掲載日:2026/04/17

三題噺もどき―はっぴゃくごじゅうきゅう。

 



 しとしとと、雨が降っている。

 さして激しくもなく、かといって大人しいわけでもない。

 雨は嫌いではないが、濡れるのは鬱陶しいし、頭が痛くなるのも面倒だ。

「……」

 今日は比較的マシな方かな。

 自転車を漕ぎながら、軽めの頭痛に耐えている。

 そう頻繁に薬も飲めないから、吐き気を催す程度まで行かない限り頭痛は耐えている。

「……」

 最近、頭痛薬を飲むと唇が腫れるようになった。前はそんなことなかったのに。

 その上のその腫れも何日か続いた後に、乾燥したような感じになるから。

 何ともまぁ、面倒なのだ。あとたまに動悸のようなモノもする。気のせいだと思うけど。

「……」

 ペダルを踏みこむ度に、合羽が捲れてスカートが濡れる。

 酷くないからいいモノの、行く前から濡れていれば意味もない。

 下校中なら、この程度の雨は合羽なんて着なくてもよかったんだけど……生憎登校のタイミングで、今から学校に行くと言う時間なので。

「……」

 暑くて蒸れるし、濡れて意味もないし。

 合羽を着るくらいなら、ジャージで登校したいくらいだ。

 学校の決まりで、登下校にジャージを着るのは許されていない。

 それができるのは体育祭の日くらいか……クラスマッチの日もわざわざ教室で着替えないといけない。めんどくさいルールだ。

「……、」

 頭が濡れないように被っていた合羽のフードが風で外れた。

 前髪が暴れて、視界が悪くなる。ただでさえ雨のせいで悪いのに。

 妹曰く私の自転車の運転は荒いそうなので、視界と道の悪い雨の日は気をつけている。

 そうでなくても、色々と交通ルールというモノが変わっているからな。

「……」

 緩くブレーキをつかみつつ。

 視界の先の信号が赤に変わる。

 フードはもうかぶり直しても意味がないのでそのままだ。

 多少濡れはするが、タオルはあるからいいだろう。激しくもないし何も問題はない。

 ……雨の日はそれだけで荷物が少し多くなるから嫌だ。

「……」

 タオルはいつも持っているけれど。

 万が一を備えて、靴下の替えと、鞄を入れるための袋。

 合羽も畳めばかさばって邪魔になるし、かと言って傘をさすわけにもいかない。

「……」

 道路を挟んだ反対側の道に、制服を着た集団が歩く。

 エナメルバックを抱えているのは運動部だろう。大きなリュックを背負っているのも運動部。フェルトのお守りがたくさんついている。楽器の袋みたいなものを持っているのは吹部だろうか。楽器って持ち帰るのかな。

「……」

 何とはなしに、いつもの癖のように。

 あの子を探してみる。

 今日はでも、雨だからどうだろう。

「……」

 あの子は雨の日は送ってもらうこともあるから。

 今日くらいの雨ならどうなのだろう……。

 でも今日は見つかりそうにないな。

「……」

 自転車通学は、大抵みんな合羽を着ているし。

 鞄も袋に包まれて何もよく見えない。

 私自身の視界もたいしてよくないし。

 これじゃ、見つかるものも見つからない。

「……」

 まぁ、送ってもらっていたとしても。そうじゃなかったとしても。

 学校に着けば会えるし、いつものように昼休みに会って話す事は出来る。

 ……信号も青に変わったし、さっさと行くとしよう。

「……」

 明日からまた、2日間休みかぁ。

 別にいいんだけど、やることがないのもなぁ。

 いや、学生の本分は勉強だから、それをしたらいいんだけど。

 そんな気分にもなれないだろうし……面倒な面倒な休日だ。

 あの子にも会えないし。

「……」

 まぁ、まぁ。

 いいや。明日の事を考えるのはやめておこう。そういうのは嫌いだから。











 お題:雨・学校・エナメルバック

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