救世を呼ぶ君達へ
世界には救世主、英語で言うと、Messiahなる者がいる。
そして彼らの中には、救世の為、野望の為なら人心を利用することに何の躊躇も持たない残虐な人間がいた。
その姿はまさに悪魔と言っていいだろう。
かの偉大な革命家、ナポレオンはこんな言葉を残している「兵士は色のついたリボンのために喜んで死ぬ。」と。
この言葉に込められた意味は、人は名誉や象徴的な報酬のために、命を賭けるほど強く動機づけられると言う意味だ。
ナポレオンは勲章制度を巧みに利用し、兵士の忠誠心を操作していた。
そのおかげでナポレオンは兵士を操り人形にして、約300万人の犠牲を出しながらも戦争に勝利した。
実際そんな成果が出ているこの手法は現在でも多く使われている。
何のためにそんな非道なことをする?と聞けば、ナポレオンの口から迷いのない澄んだ声でこう返ってくるだろう「無秩序で混沌と化した世を革新し救う為」と。
その姿、所業そのものは悪魔そのものだったかもしれないが、しかし野心と成果だけを見ればナポレオン、救世主と呼ぶにふさわしい男であっただろう。
俗に言う終わり良ければ総て良しというやつだ。
要するに私が言いたいのは、悪魔でもDevilでも救世主になれるという事だ。
人は結果だけを見がちだから、経過さえバレなければ、結果さえよければ、何でもありだ。
――
俺はそこまで読んでから深く息を吐いて、本を閉じた。
今俺乗っているバスの車窓にもたれれば雲一つない晴天が桜に彩られる景色を見れる季節。
人々が生暖かい空気に感謝する季節、春といえばそんなところだろうか?
まぁ要するに入学シーズン。
俺はボロボロの校舎から抜け出し、国営のピッカピカな超エリート校、黎殿学園に入学する。
どれくらい超エリートなのかと言えば、家の総資産が億越えは最低ライン、学生の頭の良さはこの高校が世界で一番と断言できるくらい良くて、偏差値は驚異の百越え。
「学園の敷地内にはもう一つの国が広がっている」と言われるほどの広い敷地。
校門のデカさは東京ドームで例えるのが手っ取り早いと思ってしまうくらいにはデカい、この門を一度くぐるだけで人生の成功は決まると言われている。
おまけに学園内で流通する、実力の指標であり単位の役割も果たしている得点システム「学点」、それをカンストで保有している9人の学生、通称「特薦」の生徒が学園を支配している。
なので学校の敷地内では外とは別の法が存在していて、学園というよりも「特薦」が支配する独立国家と言った方が的を射ている。
とにかくこの学園を学園と呼んで良いのかを悩むくらい凄い学園なのだ。
……この高校の凄さを話しているだけで俺は天寿を全うしてしまいそうなのでここらへんでやめておこう。
まぁとにかく俺はこの春からこの学園に入学する。
俺の肩の上にとても小さく愛らしい頭を任せてすやすや寝ている幼馴染、朝露 命日と共に。
読んでくれてありがとうございます




