表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

倉庫1

七草粥警察

作者: 転々丸

七草粥警察 第一条 代用は不可

七草粥警察が現れるのは、

一月七日の朝だけだ。


チャイムも鳴らさず、

物音も立てず、

気づけば台所に立っている。


白い手袋。

無表情。

胸元の名札。


――**七草粥警察**


彼らは、いきなり取り締まらない。


まず、問いかけてくる。


「では、問題です」


穏やかな声だった。


「こちらは、何草でしょう?」


差し出されたのは、

小さな葉の束。


……正直、分からない。


「えっと……セリ?」


「不正解です」


即答だった。


「これは、ナズナです」


そう言って、

彼は次の草を出してくる。


「では、これは?」


刻まれている。

もう原形がない。


「……ゴギョウ?」


「惜しいですが、違います」


声はどこまでも丁寧だ。


「正解は、ハコベラです」


私は汗をかき始めていた。


「ほうれん草じゃ、だめですか?」


思わず聞くと、

七草粥警察は首を横に振った。


「代用野菜は認められていません」


「大根の葉も?」


「認められていません」


「スーパーに売ってなくて……」


「理由は関係ありません」


次々と草が出される。


乾燥状態。

刻まれた後。

すでに粥に入った状態。


難易度が、

明らかに上がっていた。


「……もう、いいです」


私がそう言うと、

七草粥警察は、静かに頷いた。


「敗北を確認しました」


「では、本年の七草粥は

 **未達成**と記録します」


彼らはそれ以上、何も言わない。


ただ、

帳面に何かを書き込んで、

去っていった。


翌年の一月七日。


私は七草を完璧に覚えていた。


……だから、

彼らは、また来た。


「復習です」


そう言って。



ご覧いただきありがとうございますm(_ _)m

また次のお話しでお会いしましょう♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ