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記憶と祠

使用ページ2枚目

あの摩訶不思議な部屋を抜け外へ出る

そこはヒノキの清々しい匂いと先の見えない森であった


私は苦しくなるまで息を深くを吸い込み、肺の全てを吹ききる


なんとも爽快な風と木の隙間から射す神々しい明るさ、森の歓迎を受けているようだった、がそれに合わせてツンと来る野生の血生臭さに現実へと引き戻される


そういや此処は何も知らない場所だったと少し萎えながらも、やはり未知の開拓とは探索からだろう

これからに始まる事に期待を胸に込める


ここまでの出来事…この余白には十分だろう

手帳を取り出しペラペラめくる


最後のページが真っ白に戻っていた


何故かと一枚戻る、すると自分の字がそこにあった

戻っていたんじゃない、ページが追加されていた


状況を理解すると逃げるように手を離す

体温は平常なはずなのに汗が首筋を辿る


このまま捨ててしまおうかと、ふと脳内をよぎる

だが捨てるという選択も取るに取れなく


気づけば近づいていた


恐る恐る拾い上げ再度最後のページを見る、やはり空白であり、拭いきれない奇妙さと共に、いやこの奇妙さがペンを滑らせる


これから何が起こるのだろうと背筋がゾワゾワする手前の高揚感を纏っているとその期待に応えるかのように後ろで物音がする


予想外であった故、驚きつつもその方向へと視線を向かわせる


祠か?


それは横に倒れくたばっていた

その祠に近寄り何を思ったか無作法にも扉を開ける

すると中には手袋のみがポツリ


なんでこんな森に祠が?しかもなぜ手袋が?


いくらでも出てくる不思議を振り払い祠に手を突っ込むと閃くような、昔聴いてた曲をたまたま再生したような、そんな感情が自分を満たす


思い出したぞ

私は、今は、丁度


100回目だ


道中を思い出すため急いで手帳を表紙から1ページめくり、あの続きを読む


(一つ前のページを見るにこの予想は当たっているようだ、現にこの様に書き込めているのが何よりの証明になるであろう

さて私が経験した事をもとに記そう、結論から言うと懐かしい手袋のみでそろそろ飢餓状態になり、眠るだろう次は先に水を探せ現在2回目)


…まずいな非常に不味い

水がなければこいつと同じになるしかない

そうだ!次だ、次のページに行け…ば……


なんだこれは、…

字が蠢いてるのか?


縦横無尽に駆け巡る明らかな動揺。


その出来事でさえも思い出してしまった

気持ち悪い何だか自分が…自分が自分じゃないようだ


この感覚この視界この背筋も他人事の様に思える

恐怖とそれの慣れが相反し涙までもを出す


ただ、冷静になるのも時間の問題で、最終的な結論は読む事より水と食料の優先だった

使用ページ2枚目終了

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