完成に向けて
今まで読書はしてきたものの、ストーリーを楽しむだけの読み方でした。
風景や人物の描写を自分でやったことは一度もないし、そういう観点で本を読んだこともない。
正直、不安しかなかった。
……でも、やってみたい気持ちが消えない。
だから──まずは挑戦してみることにしました。
台詞以外の部分って「地の文」って言うんだ!?
一人称を変えると、読者の視点まで変わるんだ!?
被せセリフって、どうやって書けば分かりやすいのかな……?
あれ、セリフのカギ括弧の最後って句点を付けるんだっけ?
分からないことだらけ。
でも、それが楽しかった。
ChatGPTに書き方の基礎を教えてもらいながら、過去に書いた場面を少しずつ修正していく。
作家さんは言葉の言い回しが巧みだと思っていたけれど、それだけじゃない。
表現方法、技術的な手法……そういったものを駆使して、作品は生まれている。
今まで「何となく」で読んでいた物語が、実は作者により緻密に“コントロール”されていたことに気付いて驚いた。
やってみるととても難しい。
でも──
すごく楽しい!
仕事と家事以外の時間はすべて物語作りに変わり、毎日見ていた動画もマンガも、不思議と手が伸びなくなった。
楽しい気持ちのまま書き続け、スマホのメモやGoogleドキュメントはどんどん増えていく。
それと同時に、新しいエピソードも次々と浮かぶ。
このままでは完成が間に合わない。
そこで、まずは必要最低限の形にまとめ、必須じゃないものはあとで追加することにした。
ずっと「小説家になろう」で作品を読んできた私は、他の投稿サイトの存在を知らなかった。
だから投稿も、ここにしようと決めていた。
──あ、アカウントが必要なのか。
よし、作ろう!
……ペンネーム!?
ネーミングセンス皆無の私にはハードルが高い。
物語の“小桃”は天から降ってきたけれど、自分の名前はどれだけ時間をかけても浮かびそうにない。
結局、ChatGPTに相談することに。
物語の大まかな全体像を読んでもらってから聞いてみた。
「この物語を作った“私”に合うペンネームを考えてください」
出てきた候補の中からひとつを選び、ひとまず準備完了。
投稿の仕方はあとで調べるとして──今は、作品作りに専念しよう。
2025年07月19日。
自分が思う“完全な形”にはなっていないけれど、取りあえず完成。
読まない時間も“間”として機能するよう投稿スケジュールを考えてから、ゆっくりと眠りにつく。
……緊張して全然寝つけなかった。