悪夢
いつからだろう?
感情が薄れてしまったと感じ始めたのは
ずっと怒りと悲しみを感じていたのに
いつのまにかそれも感じなくなってしまった
—ただただ無の感情で人間を—
あれ?
どうして私は人間を殺しているの?
まあいいか
でも何か大切な理由があった気がする
でも忘れてしまうくらいなんだ
きっと小さな理由だったのだろう
— 多分 —
死体だけが残った地で
白のワンピースを血で染め上げた金髪の長い髪の少女はまた次の目的地へと向かっていった。
悪い夢を見た
自分に似た少女が近くにいる虫をつぶしていくように
近くにいる人間を皆殺しにしていく
そんな夢
「どうしたの?顔色悪いぞ?また"予知夢"でもしたのか?」
そう語りかけてきたのは
13、14歳くらいで金髪のさわやかな見た目をした少年だった。
「う~ん まあそんな感じなのかな?でも"予知夢”を使うより"未来視"を使った方が早いから使ってないよ。 それに今見た夢は絶対に未来で起こらないね!」
少年いや、— 王 —の質問に私は自信満々に答えた。
するとライトがまた質問してきた。
「どんな夢見たの?教えてよ!僕たちはあまり寝ないから夢を見るなんてめずらしいからさ!」
勢いよくきいてくるライトにつられて思わず
「人間を殺しちゃう夢をみちゃったの!」
と言ってしまった。
そして頭の中をフル回転させすぐに言い訳を考える。
「いや!もしかしたら私に似た人かもしれないし、それに私たちを生み出してくれた"創造神様"からもどの種族も大切にっていわれてるから絶対にない!!」
そのあとライトから冷やかされることとなる。
ライトはニヤッと微笑んでいった。
「ふーん そうかそんな夢を見たのか~”夢”ならいいけど・・・無意識に君の"時"のスキルが発動していて、未来を見ていたとしたら?」
「ッッッッ!?」
思わず反応してしまう私。
ライトがクスっと笑っている
うぅ~~しまった~きっとライトはこれが見たかったのか~
と、悔しくなってももう遅い
なのでこちらも嫌がらせをしてやろう
ー必殺ー 噓泣き!!
フッフッフ
水操作ができる私は涙なんていくらでも出せるのだ!
すると
「あぁ~もうわかったわかった!ごめんって!」
ライトの声は聞こえた
はっきりと
でもそれをスルーしてまた泣く私
あぁ!!
なんて楽しいんだろう!
でも少し申し訳なくなってきた
でもいいか
「うるさいわね!二人とも何してるのよっ!ここは一応創造神様が見てらっしゃる場所なのよ!もう!」
と、大声でそういったのはまぶしいくらいの金色の髪に対し黒一色のワンピースを着た女性
— デューカ —だ。
「なにって ただの遊びだよ~」
「そうそう!」
こういうときだけライトと気が合うんだよな~
するとデューカに続き
— マキス — と — アール ー
も集まった。
マキスは銀髪で背が低く、かわいい少女という感じで
アールは茶色っぽい銅みたいな髪色でライトと似ている。
皆がいると嬉しい。
そう思っているとデューカが
「ライトったらあなた魔人の"王"なんだからもっとしっかりしなさいっ!」
といった
面白くてクスっと笑ってしまった
本当に楽しい
こんな時間が永遠に続くのだ
そう
ずっと続いていくものだと思っていた
思っていたのだ。
終わるなんて
思っていなかった
「あなたも魔人の女王なんだからしっかりしないと!ね?」
「— 女王 — 」
その問いかけに私は
「うん!」
と答えたのだった。