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普通の人間が異世界で、テイマーになるまでの話

「おーい宮崎、何してんの?先行っちゃうよ」

「今彼氏からL◯NE来てんの!待ってて今行く!」


宮崎は、スマホを見ながら足を前へ進めた。

「ねぇ、今信号赤だってば前見て、車きてる!」


宮崎がトラックに轢かれそうになっている時、1人の男が駆け出していた。

タタタタタタ

「危ない!」


「ドン」

助けに入った男が宮崎の背中を押し、なんとか宮崎はトラックに轢かれずに済んだ

「ドシャーーン」

そして轢かれた。

彼氏とL◯NEしていた宮崎が、ではなく助けに入った上条 光が

「きゃーーーーーーー」

「ど、どうしよう私のせいで」

「早く、救急車を!」

そんな声を聞きながら上条の意識は遠のく。

「あぁ、俺死ぬのかな…でも人を助けて死ねるんだ。きっといい来世が待ってるに違いない」


そんなことあるはずがない。

普通、人が轢かれそうになってるところを助けたとしても、小説や漫画のように前世の記憶を持っていたり、異世界に転生したりできるわけではない。

なのでいい来世が待っている。というのはただの現実逃避に過ぎない。


「大丈夫ですか?もうすぐ救急車が来ます。もう少し頑張ってください!」


救急車?そんなの無駄だ。自分のことだからわかる。これは間に合わないやつだ。

「聞こえるか?聞こえるか上条よ」

うるさい、どうせもう死ぬ運命なんだよ。俺が助かる未来なんてねぇんだよ。

「上条、お主は栄誉ある生涯を終えた。何か褒美を与えようではないか」

「うるさい、どうせ俺はもう死ぬんだ…って、え?生涯を終えた?つまり俺はもう死んでるのか?ていうことはここはどこだ?誰の声なんだよ、天国?いやいやそんな物存在するわけがないだろ。褒美?つまりあれか?漫画とかでよくある神様?」


「如何にも。わしは複数の世界の神、ソプデト-シリウスである。」

「嘘だ、神様なんているわけがない」

「ではなぜ宇宙はできたと思う?なぜ物理法則に例外がないと思う?

それは全てわしが調節しているからじゃ」


上条 光は次第に目の前の景色が見えるようになってきた。

真っ白い空間にポツンと佇む貫禄のあるおじ様

「そんな、この世界は小説かなんかかよ!?でも信じざるを得ない」

そう、こんな空間は現世では存在しないからだ。


「お主を今から剣と魔法の世界に転生させてやろう。

して、お主の望みは何じゃ?不老不死にでもなってみるか?」

「それはいい案だ。そうしよう。今度は人を助けても死なない体にしてくれ」

「いいじゃろう。おまけにもう一つ叶えてやるぞ」

「俺は生き物が好きだんだ。だから職業はテイマーとかがいいな」

テイマーとは、動物を飼い慣らす職業。という意味である。


「いいじゃろう。テイマーのレベルを99999にして、さらにテイマーの加護を付与してから転生させてやろう。

ついでに生き物が好きなら、回復魔法の加護とかもサービスしてやろうかの。

回復魔法の加護は、1億年前に神の御使として世界の調和を保つために派遣した、コペルエクスという天使が持っていた神話級のものじゃ。役立てると良いそれとプラスで色々サービスしておこうかの」

「えぇ!?そんなにいいんですか?なんかサービスしすぎじゃないですか?もしかして裏があるんじゃ…」

その言葉を聞いて神と思わしき人物の顔が引き攣った。


「じ、実はじゃの。この世界はラプラスの悪魔と言って全ての運命は決められているはずなんじゃ。じゃが、どういうわけか1人の人間がその運命に抗った。

それがお主、上条 光という人間じゃ。お主は本来死ぬ運命ではなかった。

じゃが、わしの量子の動きに乱れができてしまい、バタフライエフェクト効果でお主の運命を変えてしまったみたいなんじゃ。じゃからどうかその償いをさせて欲しい」


「そういうことだったのか、ま、俺が人を助けないで生きる運命だったのが、人を助けて死ぬ運命に変わったんなら文句ないけどな!」

「すまぬ、そう言ってくれるとありがたいわい」

「それで俺は何処に転生するんだ?貴族は嫌だ!色々な問題ごとを抱えないといけなくなるかもしれないからな」

「では長閑な村の村長の子供とかでどうじゃろう」

「おぉ!いいじゃん!ゆっくり動物と触れ合って、ゆくゆくは冒険者にでもなろうかな!」

「そうするといいじゃろう。では、またいつの日か」

そう言って神と思わしき人物の影が薄れていた。


   *   *


次に目が覚めるとそこは見知らぬ天井であった。

そしてゆっくりと揺れているように見える。

「いい子ですねールートくん抱っこ嬉しいですかー?」

どうやら天井が揺れているように見えたのは、抱っこされているからのようだ。

「うちのルートが目を開けたわ!ゲイル来て!」

どうやら俺の名前はルートというらしい。そして村長である父親がゲイル、かな?

母が、ルートが目を開けたと言うとお父さんと思わしき人が急いでこの部屋に入ってくる


ドタドタドタドタ  ガチャっ


「ルートが目を開けたっていうのは本当か!」

目を開けたぐらいで大袈裟である。きっと今回の両親は親バカなのであろう。

「ルーナ!やったな!もうすぐ目が見えるようになるんじゃないか?目が見えるようになったらいろんなものを見せてやろうな!」

ルーナ?それは母の名前だろうか。

それにしてもにぎやかな家庭に生まれたものだ。って、え?

何で言葉がわかるんだ?


عند حصول نتيجة طيبة والشعور بالارتياح بعد الترقُّب أو القلق أو الانتظار) حمداً لله، الحمد لله، هذا من حسن حظنا


これがこの世界の言葉である。

なのに何故か言葉を理解することができる。もしかしてこれも神様のサービスなのか?

そんなことを考えていると、父親にキスされそうになっていた。

全力で拒否させてもらう。


そんなこんなで俺は1歳になった。

そこそこ成長したおかげで俺は歩いたり喋ったりできるようになっていた。

「お母さん、お外行っていい?」

「一緒にいきましょうか!」


外に出てみると、そこには異世界の景色が広がっていた。

正面を見れば頭が2つあるニワトリ。

横を見れば吸い込まれそうなほどに大きな森。

上を見れば尻尾を回転させて飛んでいる鳥。

前世でいうところのゲームの世界みたいであった。


「お母さん、僕森に行きたい!」

「ダメよ、まだ1歳じゃない、危ないから庭から出たらダメよ」

そう言われ、口を尖らせるルート。

流暢に言葉を喋っても怪しまれないのは両親が親バカだからであろう。


仕方がないので今度、1人でこっそり森へ入ることにした。

両親は仕事に行っている。今は家に1人だ。親バカの割には、赤子を家に1人にさせておくとは、意外なこともあるものだ。

仕事に行った両親はしばらくは帰ってこないので、今のうちに森に行ってすぐに帰ってきたら、森に行ったことはバレないだろう。


「ガチャ」


箱でドアノブまで階段を作り、小さな体で家のドアを開けた。

帰りはそこらへんの村人にでも開けてもらおう。

早速東の森に足を運ぶことにした。

すると、庭で作業している農民に見つかってしまった。

「よう、坊や、1人でお出かけかい?大丈夫か?」

「ママとパパには秘密にちといてね!」

「わかった、そうしよう。赤ん坊の頃は好奇心が抑えられないもんな」

物分かりのいい村人で助かった。

流石に村人相手に流暢に喋ると怪しまれるので、少し赤ちゃんっぽく喋ることにした。


短い足でようやく東の森の入り口までやってくると、そこには水色の、プニプニとした液体のような生物が蠢いていた。

「スライムだ!」

そう、この世界のスライムである。

「神様の言うところ俺はテイマーのレベルをカンストさせてくれたらしい俺のレベルならスライムぐらい簡単にテイムできるだろう。

「スライムをテイム!」

全身から手にエネルギーが流れるのを感じながら光る手に集中した。


すると何処からともなく謎の声が聞こえてきた。

「告。スライムをテイムすることに成功しました。

レベル効果でテイムモンスターのステータスを➕10000にします。

さらにテイマーの加護1万で、ステータスを✖️10000にします」

「なになに?なんかすごいこと聞こえたぞ?

➕1万!?

1万倍!?

何だそれはただのチートじゃないか。

バケモノスライムできちゃったよ。これ世界滅ぼせちゃうんじゃ…

いやいや、自分の仲間になったんだから仲良くしないと!


名前は何にしようかな、プルプルしてるから、『プルン』とかどうだ?」

「了。種族名『スライム』は、個体名『プルン』に変更されました。

テイムしたモンスターはステータスを鑑定することができます。

ステータスの鑑定を推奨します」

「鑑定!」

「最大HP=1億10万     最大MP=1億10万

 攻撃力=1億10万      防御力=1億10万

 知識=1億1万       精神力=1億10万

 俊敏=1億10万       運=1億10万

 命中率=1億10万      回避率1億10万

スキル 全能

特殊スキル ソプデト-シリウスの加護」

「なんじゃこりゃーー!?こんなのゲームでも見たことないぞ!

元々は知識は1、他の能力は10だったってことか!」

前世では優等生。これくらいの逆算はお手のものだ。

「早速何かやってみるか!プルン、ウォーターボール!」

かなり手加減されて放たれたそれは、大木をバタバタと薙ぎ倒していった。


どごぉおおおおおおん

バキバキバキバキ ドシャーン


「ぎゃーーーーーー」

あまりの威力に絶叫してしまったルート。

あまりの威力に混乱しているプルン。


果たしてこれから上手くやっていくことが出来るのだろうか。

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