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66/70

ラブコメ主人公の覚悟!

 胸に火球が直撃しても凛一の歩みは止まらない。

 最強の四天王と視線を交えて凛一は告げる。


「ルビさん、なんでオレが戦うのか聞きましたよね、そんなのノアが苦しんでいるからに決まっているでしょう!」

「!?」


「困っている人がいたら助けてあげたい! 泣いている人がいたら笑わせてあげたい! 苦しんでいる人がいたら救ってあげたい! それが小さな女の子ならなおさらです! それとも、ルビさんは小さな女の子が辛く苦しくて悲しくて泣いているのを同族や顔見知りかどうかを理由に見捨てられるんですか!?」


「見捨てられるわけないでしょう!! でも! でも!」


 ルビは顔を歪めて両手の間に膨大な魔力の熱を溜める。


「ヴォルケーノ――」


 いつのまにか距離を詰めた凛一に両手を握られ、成長しかけていた火球は雲散霧消する。


「本当にあの子が好きなら! 本当にあの子を愛してあの子の幸せを望むなら! 魔族じゃなくてあの子自身を見てあげろよ!!!」


 ルビの目から涙が溢れて、そしてすぐに歯を食いしばる。


「黙りなさい!!」


 論理など無かった。


 ただノアの為にと頑張ってきた事を否定されて、たった二度の邂逅で自分達以上にノアの事を想っている凛一が憎くて、ルビは何も考えず衝動的に飛び下がり魔力を爆発させる。


「ゴッドバァード・フェエエニィイイックス!!!!」


 ルビの体がアークすら飲み込んでしまいそうなほど巨大な炎の鳥を(まと)い、高速で凛一に迫りかかった。


 根性理論でどうこうなるようなモノではない、ひとたび触れればその瞬間に骨も残らず消し飛ぶルビの究極奥義、だが凛一は退かず、諦めず、突き進み両手を広げて血を吐きださんばかりに叫んだ。


「ルビナァーーード!!!」


 命を捨てた特攻ではなく、絶対的な存在を前にしてなお希望と勇気を胸に敢然と立ち向かう、そんな巨大ロボットよりも雄大で、武術家よりも勇ましく、そして勇者よりも気高い凛一の姿についにルビの心は壊れ、凛一に触れる寸前で炎の鳥は消え去った。


 炎が消えても勢いの止まらないルビの体は凛一が優しく抱き止める。


「え…………?」


 凛一はルビに拳を突き出したわけではない、最初からルビを受け止めるつもりだった。


 今までの攻撃呪文と同様に、ルビの感情が込められた全てを、


「なんで、優しくするのよ……」


 考えてみれば凛一はただの一度もルビと敵対していなかった。


 凛一に攻撃の意思は無く、ただ彼はルビに懇願をしていただけで、憎しみの言葉一つ言わなかった。


 数え切れないほどの人間を殺し、恐怖に陥れ、幼いノアを魔王に据えて人類と戦争をしてきたルビを、凛一は優しく、だが強く、愛しい人を抱くように腕に力を入れた。


「オレ、リンドバルムの王様からルビさんがしてきた事聞いたんですよ」


 ならば何故と心の中で叫ぶルビに凛一は優しく語りかける。


「ルビさん、本当は誰も殺したくないんですよね?」


 ルビの体が一瞬こわばる。


「な、何を言って――」

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