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ファンタジー世界最強勇者天使VSアクション世界最強武術家&SF世界最強巨大ロボ

「ぐぅっ!!」


 部屋の壁に叩きつけられたエリスへ追い打ちをかけるようにガノンダルヴァがショルダータックルをしかけ、エリスの意識が一瞬飛んだ。


 勇者の才能と天使の力を持ち、天界の武具で武装したエリスだが、それぞれの世界を代表する強さを持つガノンダルヴァとシグナを同時に相手にするのは荷が重すぎた。


 戦いは一方的であり、ガノンダルヴァとシグナの二人はほとんど無傷である。


「興醒めだな、天の御遣いの血が入っているからと期待したが偉そうな事を言っておいてこの程度か、だが、我が偉大なるセイラン帝国人以外の雑魚ならそれも仕方あるまい、貴様もあの世でセイラン帝国の威光にひれ伏すがいい」


『天使と言っても所詮は我がゼノス神とは違う偽りの神に仕える邪悪な存在、正義を貫く私の前に敗れるのは当然の結果だな』


 二人の言葉に倒れ伏すエリスは再び闘争心を取り戻し立ち上がる。

「ふざけるんじゃないわよ、どの国の国民だとか……どの神に仕えているとか……そんな理由だけで雑魚だの邪悪だの決めてんじゃ……」



 なんだエリス、お前は個人を見ないで魔族か人間かだけで助けるかどうか決めるのか?



「(ああ、そうか……凛一は……)」


 自分で言って気付いた。


 彼は正しかったのだ。


 個人を見ず、国や種族、信じる神といった肩書で自分を判断されることはこれほどに悔しい事なのかと、だとするならば今まで自分がしてきた事は……


 エリスの中で何かが壊れて、そして記憶の中にある凛一の笑顔が新たに代わりを作る。


「上に行ったあの小僧もそろそろ死んだか頃か」


『異界のとはいえ仮にも天使を名乗る者が随分と残酷な事をしたものだな、色々と報告は聞いているが最弱の少年を魔王に次ぐ悪魔と戦わせるとは、偽りでも天使を語るならばあそこは無理にでも止めておくべきではなかったか?』


「はは、何言ってるのよ、あんたら、あいつの事なんにもわかってないわね」


 ガノンダルヴァとシグナの言葉にエリスは苦笑する。


「言っておくけどね、あいつは……桜崎凛一は……あたし達の切り札よ!!!」


 次の瞬間、エリスの翼が二倍にも広がり、彼女の頭上に光の輪が顕現した。


「本当は母さんの許可が無いとダメなんだけどね」


 溢れる魔力、否、天力は今までの比ではなく、全身から放つ金色の光にガノンダルヴァとシグナの目が釘付けになる。


 強く、美しく、そして慈愛に満ちた後光は人外の威光で二人を貫く。


 ガノンダルヴァはオルシンハ皇帝以上の、シグナはゼノス神の彫像以上の威光に心が惹かれ、被りを振ってすぐにその気持ちを否定した。


「天使形態……これがあたしの全力よ!」


「ほざけ! そのようなまやかしに騙されるとでも――」


 ガノンダルヴァの目でも捉えられない速度で懐に飛び込み、エリスの左拳が厚い胸板を穿った。


 ガノンダルヴァの巨体が飛び、天井に激突してから床に落下する。

胸から血を流し痙攣するガノンダルヴァにシグナが息を飲んだ。


「いいだろう、ならばこちらも全力を見せしよう」


 ビームサーベルを腰に収め、今まで使わずにいた背中のビーム砲を両手で構える。


 以前に使っていたモノよりも口径が大きく、デザインも異なるソレから二本のポールが斜めに伸びて床に突き刺さり、シグナの赤いアーク自身も両足で床を踏みしめてショックに備える。


『これぞ全ての悪を断罪する聖なる業火、異界の天使よ、我らがゼノス神に代わり貴様を断罪する!』


 赤いアークの鋼の翼が飛び立とうとする天使のように広がり、その姿は鋼の巨人というよりも鋼の天使を思わせる。


 銃口の奥が光りを徐々に強める間、エリスも熾天使の(セラフブレード)を頭上に掲げて力を溜める。


「ならあたしも見せてあげるわ、勇者だったお父さんは天使のお母さんの力を借りてこの技を放った。


 これからあんたに見せるのは魔王を倒した最強の一撃、これにその機械仕掛けの天使が耐えられるかしら?」


『思い知らせてやろう、これが神の力だ!!』


 アークの銃口の光が最大に達し、エリスが発する光は金色の剣に集約する。


『喰らうがいい、神話においてゼノス神が魔王を殺したとされる神火の名を冠するこの力を、ゼオノード・カタストロフ!!』


 放たれた光の波動の反動でアークが下がるがなんとか持ちこたえる。


 セイルがルビとの戦いで放った光線の数倍に値する魔王殺しの力に、だがエリスは臆せずセラフブレードを振り下ろしながらその名を叫ぶ。


「ヘブンス・カリバァーーッ!!!!」


 大気が狂うほどの力の塊は全てを浄化し消し飛ばす天の光。


 全身を包む後光が最強の天界兵器たるセラフブレードで増幅されてアークを飲み込む。


 SF世界最強のビーム砲などなんの抵抗もできずにかき消され、エリスの煌めきは視界に映る全てを巻き込み、それでも威力の衰えない力の奔流は階層の壁を突き破り外へと飛び出して地平線の彼方まで突き進み地球の丸みから離れて綺羅星の彼方へと消え去って行く。


 部屋の端にいたガノンダルヴァは直撃こそしなかったが衝撃で外へと放り出され落下し、シグナは光の奔流に流されて外まで飛ばされたがアークが消滅しきる前にオートパイロットで空へ逃げたが二人とも生死は不明、しかしエリスにはそんな事を確認しているヒマは無い。


 頭上の光の輪が消え、純白の翼も本来の大きさに戻ってエリスは大きく息を吐きだした。


 やはりまだこの形態はエリスには早かったようだ。


 今すぐにでも倒れ込んでしまいたいほどの脱力感に目眩がしたがすぐに気力を取り戻して最上階の凛一を追う事にする。


『すげー光だったな、やっぱりあれお前のか?』


「む、こちらも終わったようだな」


 壁の穴と階段からセイルと竜輝が姿を現し、その手と背中には戦った魔族四天王の存在があったが、今のエリスはそんな事に文句は言わない、むしろ当然といった顔で天井を見上げる。


「みんな行くわよ! 凛一の元に!」


『「ああ!!」』


 セイルと竜輝が力強く頷いて、四天王のカイナとマリも思わず頷いた。


 ファンタジー世界最強勇者天使VSアクション世界最強武術家&SF世界最強巨大ロボ


 勝者 ファンタジー世界最強勇者天使


 勝因 仲間を想う心

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