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SF世界最強巨大ロボ・アークVSファンタジー世界最強ドラゴン・バハムート

「一階はボクが相手だよ、竜輝とか言ったよね、ボクと決着つけようよ!」


 左サイドテールの茶髪に茶色の目と皮製の鎧、四天王の双子姉妹の姉で巨乳のボクっ娘、スケルレーネの誘いに竜輝も乗る事にする。


「凛一、エリス、お前達は上を目指せ」

「頼んだ」

「絶対勝ちなさいよ」


 二人が階段を上って行くのを確認して竜輝は構え、名乗り上げる。


「大和国最強の武術家神谷喜助の弟子が一人! 神谷竜輝、参る!」

「魔王軍四天王にして魔族最強の戦士、土のスケルレーネ、行っくよー!」


 次の瞬間、レーネの白い肌に茶色の文様が浮かび上がり、薄かった筋肉の筋が深くなって全身から圧倒的な威圧感を放つ。


「これがボクの第二形態、こうなったらもう手加減できないからね!!」


 部屋中の床から剣や槍が生え、部屋が刃の草原と化すとレーネはその中を走りながら途中で二本の剣を抜いて竜輝に襲い掛かり、そして二本とも一撃でへし折られる。


「まだまだぁ!」


 また新たな武器を引き抜き竜輝に振るう。

 ルビの言った通り、地面と一体化したように重く、力強い一撃であり、とてもではないが子女の一撃とは思えなかった。


 体の細い女は速力と技力に頼った戦法が多いがレーネは真っ直ぐに直線的で強力な一撃を放ってくる。


 だがレーネの刃はただの一つも通る事は無く、手に取った武器の全てが竜輝の素手で砕かれていく。


「だったら!」


 床から生えた武器が半分近くになったところでレーネの右の拳が燃え上がり、左の拳に電光が走った。


 火炎と電撃の拳は当たれば炸裂して相手を焼き尽くすが、竜輝は必要最小限の動きでかわし逆にレーネの体に拳を叩きこんでいく。


「こんの!」


 レーネの回し蹴りから冷気が放たれ部屋の壁を凍てつかせる。


 だがのけぞってかわした竜輝にそのまま軸足を払われて仰向けに倒れてレーネの顔のすぐ横の床を竜輝の足が踏み抜いた。


「武器や妖術に頼る間は俺には勝てないとまだ分からないか?」


 竜輝に見降ろされたレーネの額に冷や汗が流れた。



   ◆



『なぁカイナちゃん、ちょっと聞いていいかい?』

「むっ? 一体なんですか?」

『カイナちゃんは自分じゃなくてモンスターが戦っている自分が情けなくなる事ってあるかい?』


 二つ名の通り湯水のように召喚されるモンスターを全て倒し、セイルがそんな質問をする。


「どういう事ですか?」


『いやほら、オレ様ってば組織のエースパイロットでさ、結構自分の力に自信あったんだぜ、だけど世界が融合してエリスや竜輝を見て思ったんだよ、オレはアークの力で戦っているんであって、オレが強いわけじゃないんじゃないかってよ、こんな事、前のオレなら絶対言わなかったんだけどなー』


 巨大ロボが最強であるSF世界において、セイルは兵器を使った戦いになんの疑問も持たなかった。


 SF世界において人は無力であり、兵には肉体的な力ではなく兵器を運用する力が求められた。


 だが巨大ロボ相手に生身で戦う竜輝や剣一本で戦うエリスを見て、そして何より凛一がシグナ相手に生身で立ち向かうのを見て、アークの操縦席で何度も思った。


 何故自分だけが安全な場所にいるのかと……


 セイルはアークが無いと戦えない、並んで歩く凛一を見下ろしながら一番弱いのは自分なのではないかと、そんな不安に何度も狩られたのだ。


 だがカイナは八分咲きの笑みで、


「わたしはそうは思いませんよ」

『でも、譲ちゃんはモンスターを召喚してるだけで実際に戦うのはモンスターだろ?』


「ええ、ですがその戦うモンスターを召喚するのはわたしですし、あなたもそのゴーレムが強いだけだったとしてもその強いゴーレムを操るのは紛れも無くあなた自身の力じゃないですか、だからあなたが自分を卑下する必要なんてないのですよ」


 カイナの言葉にセイルは思わず笑い声を漏らす。


『はは、貴重な意見をありがとな譲ちゃん、そうだよな、そうなんだよな、フッ切れたぜ、嬢ちゃんの言う通り、オレ様は傭兵集団ブレイブのエースパイロット!!

そうだ! オレ様が一番上手くアークを使えるんだ!!』


 元気を取り戻したセイルにはカイナも満開の笑みでさらに魔力を増大させて背後に今までで一番巨大な召喚陣を展開した。


「お役に立ててうれしいのですよ、ではわたしの第二形態、究極召喚をお見せするのですよ」


 カイナの体が青く光り、髪が揺らめく、その背後の召喚陣から青いドラゴンの頭が出て、次に腕が出る。


「わたしが持つ究極召喚は全部で三つ、海のリヴァイアサンに地のアレクサンダー、そしてこれが空の覇者にして最強のドラゴン」


 逞しい巨躯を現し、アークと同等のサイズを誇る青いドラゴンが雄大な翼を広げて咆哮する。


「バハムートなのですよ!!」


 カイナはバハムートの背中に飛び乗りアークを指差す。


「さあ行くのですよバハムート! あのゴーレムを倒すのですぅ!」

『そうは問屋がおろさねえんだよ!』


 アークのレールマシンガンが咆哮して無数の弾丸をバハムートに撃ち込むが最強の竜は気にせず直進してアークと組み合った。


 レールガンと言えどバハムートが持つオリハルコン並の強度を持つウロコは破れなかったらしい。


 だがパワー勝負は巨大ロボアークに軍配が上がりセイルはバハムートを上空へ投げ飛ばすとすかさずビームガンを撃つ。


「バハムートフレアです!」


 バハムートの口から放たれた火球がアークのビームを飲み込みアークに被弾、左腕で受け止めたが耐熱温度五千度を誇るアークの装甲が溶解して機械の内部が剥き出しになる。


 それでもアークは怯まず高周波ブレードを手に上空へ加速飛行をした。

 狙うはバハムートの首一つ、だがカイナはバハムートを操り急降下しながらその鋭い爪を振るわせた。


「バハムート相手に空中戦とは笑わせるのです!」


『それはどうかな!』


 ウロコ同様にオリハルコン並の強度を持つ鋭い爪とレベルスリーのアークリューム合金製の剣が激突し、アークとバハムートが交差するとバハムートの長い爪が宙を舞い、首の根元を深く切り裂かれたバハムートは存在が揺らいで虚空に消えて行く。


 最強の竜の爪と高周波ブレードはその強度も切れ味もまったくの互角だった。


 しかし、高周波による微細な振動で対象を分子レベルで分解する科学の力を備えた高周波ブレードは同じ強度の爪を分解し、首もろとも斬り裂いたのだ。


 鋼の巨人と最強の竜、その戦いの軍配は鋼の巨人が持つ科学の力で上げられた。


「まさか、バハムートが負けるなんて……」


 茫然(ぼうぜん)として落下するカイナをアークの手が優しく受け止める。


『嬢ちゃん、ケガないか?』


「……なんで助けたんですか?」


 アークの手の上でキョトンとするカイナにセイルはコックピットの中で頬をかきながら塔を登る一人の男の事を思い出していた。

『オレ様の仲間にゃ魔族や人間関係無く女の子が傷つくのを嫌う奴がいるんだよ』


 SF世界最強巨大ロボ・アークVSファンタジー世界最強ドラゴン・バハムート

 

勝者 SF最強巨大ロボ・アーク


 勝因 武器性能

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