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自己紹介

「じゃあ確認するぞ、ここはエリスの国の森の中でエリスの世界は亜人種いっぱいで魔族と人間が剣と魔法使って戦争してて勇者のエリスは魔王を討伐するための旅に出てる」


「その通りよ」


「セイルの世界は軍事国家ゼノス皇国が全世界に宣戦布告しててセイルは巨大ロボ傭兵集団ブレイブのエースパイロットとして皇国軍を倒すべく国家に雇われ戦っていると?」


「オッケーだぜ」


「っで、竜輝は大和って島国の武術家で大陸最強のセイラン帝国が武術の力で大陸を統一後に島国大和にまで侵略を開始、国の武術家達と強力して大陸の武術家達と戦っている」


「ああ、間違いない」


「なんでお前だけはずすかなぁ……」


 あからさまに落胆しその場にうずくまる凛一、理解できない反応に竜輝が小首を傾げる。


「はずす? 一体なんの話だ?」


「だってお前は世紀末を統べる兄を倒すためにモヒカン筋肉魔人達を『お前はもう死んでいる』でホアタタターのひでぶ伝説を築く救世主であるべきだろ?」


「兄弟子達も大和の国を守るために戦う立派な人物だぞ」


「はいはい、まあこれでみんなとみんなの世界の事は大体分かったから良しとしよう」


「勝手に自己完結するな、俺は一割も分かって無いぞ、喪否館(もひかん)とはなんだ?」


 エリスとセイルがおおまかな内容を理解した中でやはり竜輝だけが乗り遅れている。

 凛一は少し考えてからポンと手を叩いた。


「魔法ってのは妖術や呪術で魔族は地上に住む鬼、巨大ロボットっていうのは巨大からくり人形でモヒカンはオレの世界の悪党がする髪型だ」


「大体分かった、では天使や破亜腐炎死獲流(はあふえんじえる)とはなんだ?」


「天使は天女でハーフエンジェルってのは人間と天女の間に生まれた子でハーフは半分って意味、半分人間で半分天女だろ?」


「ほお、エリスの世界の天女は羽が生えているのだな、先程は物の怪などと言って悪かったな」


「まったく失礼しちゃうわね」


 頬を膨らませて機嫌を損ねるエリス、人外の美しさを持っているとは思ったがまさか本当に人外だったとはと凛一は驚くが神々しさが欠けているのはきっと彼女の言動のせいだろう。


「だが正直に言わせてもらえれば先程の羽は綺麗だったぞ、また見せてくれないか?」


「ま、まったくもうしょうがないわね」


 手の平を返したような注文にエリスはさも嬉しそうに頬を染めて再び純白の翼を顕現させる。

 ツンデレ、そんな言葉が凛一の頭によぎった。


「ていうかなんで凛一はオレ様達の言葉全部分かってるんだよ?」

「そういえば先程から俺達の説明に凛一だけは質問をしないしそれどころかエリスとセイルの世界の単語を俺の世界の言葉に翻訳しているな」

「それもそうね、あたしは逆に鬼とか物の怪とか天女って単語聞いたこと無いわ、何で知ってるのよ?」


 至極当たり前の質問である。


 ここにいる四人はいずれも歴史も文化も価値観も違う別の世界の集まりだ。


 それぞれの世界の専門用語を理解できず、最初に出会ったエリスと竜輝のように話が噛み合わなかったが会話の全てを凛一が通訳することで現状やお互いの事を最低限理解する事ができた。


「あー、それはみんなの世界と同じような世界を漫画やゲームで知っているからだよ」

「「「?」」」


「ようするに物語だな、小説とか絵本とか言い伝えとか読み物だよ、オレの世界には魔法も巨大ロボットも無いしいくら鍛えたって人が鉄より頑丈になるなんて事は無いけど全部作家が作り出した物語の中でみんなの世界と瓜二つな物語を読んでるし竜輝の世界なんてオレの国の二〇〇年前と似てるから大体の予想はつくし実際その通りだったぞ」


「自分の世界に無い事を物語に……随分想像力豊かな世界ねぇ」

「まあな、そうそう、それでその物語だとエリスの世界のジャンルはファンタジー、竜輝はアクションでセイルはSFだな」


「ジャンルって何よ」


「物語を内容で分類分けしたものだよ、そうだな、エリスの世界とか竜輝の世界って言いにくいし、これからはエリスの世界をファンタジー世界、竜輝の世界をアクション世界、セイルの世界をSF世界って呼ぶ事にするか?」


「それは構わんがお前の世界はどう呼べばいいんだ?」


 竜輝の問いに凛一は思案してから答える。


「そうだな、オレの世界は現実世界とでも言ってくれ」

「まるであたし達の世界が幻想みたいね」


「実際オレの世界じゃ全て幻想の作り話として扱われているからな、でもオレはそっちの方面に明るいからすぐ順応したけどオレと同じ世界でもこの状況にパニクっている奴いっぱいいると思うぞ」


「まさか異世界同士でくっついちゃうなんて誰も予想できないだろうしね」


 エリスの言葉に竜輝と凛一は思わず頷いた。


「それとこれからの事なんだけどさ、とりあえずオレら一緒にいたほうがいいんじゃないか?」

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