謎解き
「悪いが全員来てくれないか?」
全てのモンスターを退治し終わった竜輝の呼びかけに集まるとそれは次のダンジョンへ行く為の扉だが、扉にはパズルのようなものが取り付けられている。
「これは天使の試練ね」
パズルを見た途端、エリスの顔色が変わる。
「これは天使達が何かを封印する時に用いる方法で神殿や遺跡に広い意味でのパズル、謎解きを残してそれらをクリアしないと封印を解く事ができないようにしているの」
カチャカチャカチャ
「だけどその謎はあまりにも難易度が高過ぎて解ける人はほとんどいないそうよ」
カチャカチャカチャ
「あたしのお父さんも魔王討伐の冒険中にこういう謎解きにチャレンジしたけど天使であるお母さんの力を借りてなんとか解いたらしいわ」
カチャカチャカシャコン
「これはかなりの長丁場になりそうだけど大丈夫よ、なんてったってあたしは勇者で天使なんだから!」
「何やってんだエリス早く行くぞ」
一人ぶつぶつと喋っていたエリスが扉に向き直ると開いたドアをくぐる凛一と竜輝、そして四つん這いになって通るアークがいた。
「凛一、お前なんであんなに早く解けたんだ?」
「あの程度ファンタジーRPGゲームを年間一〇本はクリアするオレには楽勝だって」
『さっすがリーダー、じゃあこの先の謎解きも全部頼んだぜ』
ポツンと取り残されたエリスは三秒後に我に帰ってから凛一達の後を追った。
「ちょ、これ本当にすっごい難易度なんだからね! それにリーダーはあたしなのぉ!」
ドアがやや低いだけでダンジョンそのものの天井は一〇メートル強あるのでアークが進むのには問題が無く、だがそれは同時に巨大モンスターや空を飛ぶモンスターなども現れる事を意味していてエリス達はその全ての相手をし、その間に凛一がパズルを解いた。
パズルは全て種類が違っていて、色の違う玉を全て正しい穴にはめ込むモノ、簡単に滑らせて動かせる台座を正しい位置に動かすモノ、押すと壁に表示されている数字の配列が変わる複数のスイッチを操り、一から九まで順番に表示させるモノなどがあったが、どれも凛一の手を煩わせるようなモノではなく、凛一の背後でモンスター達が駆逐されるよりも凛一がパズルを解くほうが早かった。
カシャカシャカシャン
六つ目の扉をくぐり終えて扉を閉めた後の音に竜輝がやや考える。




