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活人拳VS殺人拳

「俺が相手だ!!」


 アークへ向かって一歩踏み出すガノンダルヴァの足が竜輝の言葉で止まる。


「剣やカラクリ人形に頼る軟弱な戦士を相手にして何が楽しい、ガノンダルヴァよ、貴様も武術家ならば剣や人形では無く、俺の拳と勝負をしろ!」


 これほどの力を見せつけられても竜輝の戦意が折れる事は無く、むしろのその目は今までに無い強烈な闘士を燃やして凛然と対峙している。


 その態度にガノンダルヴァも思わず口元が歪む


「いいぞ神谷竜輝、東方を守るラハールから報告を受けてから一度試合いたいと思っていた。その脆弱な体格に似合わぬ力を」


 踏みしめた一歩で地面が陥没した。


「我に示せッッ!!」


 声だけで大気が震える。

 離れたところに立つ凛一の心臓が震え、ガノンダルヴァの熱量が伝わってきた。


 ただ体が大きいだけの人間、大きさなら象のほうが上だが、ただ大きいな人間がいるだけのはずの空間にいながらガノンダルヴァの体内に収められたような気さえした。


「セイラン帝国北方将軍ガノンダルヴァ!! 参る!!!」

「大和国の戦士神谷喜助の弟子神谷竜輝!! 参る!!!」


 凛一の視線の先で空間が爆発した。


 竜輝とガノンダルヴァが衝突した衝撃波で二人を中心に爆風が巻き起こり、竜輝とエリスの激闘以上の余波だった。


 地面が抉れて周囲の家の壁にヒビが入る。


 物理法則を無視した超高速戦闘に世界が咆哮し、その場にいた全ての人間がその戦いに目を奪われた。


 同じアクション世界のセイラン帝国軍人ですら体の震えが止まらなかった。


 確かに体格では劣る竜輝だがそこは持ち前のスピードとテクニックでカバーする。


 だがセイラン帝国最強の一人であるガノンダルヴァも決してパワーだけに特化した戦士ではなく、その動きはパワーとスピードを兼ね備え、竜輝ですら全てを完全にかわしきることはできない。


 最小限の動きでマタドールさながらに必殺の剛腕を避け、かわしきれない攻撃は上手く受け流してカウンターの鋭い一撃をガノンダルヴァの胴体に叩きこむ。


 時には全身の筋肉と技と使い、小さな力を最大限に生かしてガノンダルヴァの拳や蹴りと真っ向から打ち合い相殺させる。


 だがそんな戦いでも周囲へ与える影響は甚大ものであった。


 多くの村人が避難済みで助かったと凛一は胸を撫で下ろす半面、何もできずにただ見ている事しかできない自分が腹立たしかった。


 それでも、直接的に戦い力に慣れない無力感を感じながらもガノンダルヴァに勝つ方法を必死に考える。


 オリハルコン並の肉体強度、巨大ロボット以上のパワー、それを打ち破るには……


「(考えろ! 何かあるはずだ!)」


 その時、竜輝がガノンダルヴァの拳に吹き飛ばされ、エリス以上の速度で民家の壁を貫き瓦礫に飲み込まれた。


『「「竜輝!」」』


 粉塵が静まるが、仲間達の声に瓦礫が反応する事は無い。


「ちょこまかと鬱陶しい、だがこれでもう奴は……いや」


 民家の瓦礫が持ちあがり、中から消耗した竜輝がゆっくりと、だが力強く立ちあがる。

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