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王様に謁見

「おお、勇者エリスよ戻ったか」

「はい、勇者ロトギスと守護天使エリエルの子エリス、ただ今戻りました」

「うむ、魔術協会から異世界と融合したと聞いてから心配していたが、お主がいればこの国も安泰じゃ」


 あまりに想像通りの王様に凛一は酷く無感動だった。


 あまりにも普通過ぎて王様の容姿など説明する価値も無かった。


 ファンタジーを知らない人の為にあえて言うならばまあサンタクロースみたいな体型で白いヒゲで赤いマントと王冠の爺さんである。


 ゲームで見たような純中世ヨーロッパ成分一〇〇パーセントの謁見の間で白いヒゲジジイの王様は勇者の帰りに凄く普通の言葉で対応していて、その間凛一達は後ろで待つ。


「ところで城下街も随分騒がしかったようだがその者達、それにその奇妙なゴーレムは一体なんじゃ?」

「あ、この人達はその異世界の人達であの大きいのはゴーレムじゃなくてロボットっていう魔力を使わない自動人形(オートマータ)です」


 オートマータというのは錬金術師が作った人型人形で中には多くのカラクリ仕掛けが詰まっているが肝心な部分は魔術に頼っているのでロボットとは言い難い。


「ほお、異世界では魔力も無くあのように大きな人形が動くのか、報告の通りだな」

「報告?」


 首を傾げるエリスに王様は頷く。


「うむ、この数日の間に我々も調査してな、その結果どうやら四つの世界が融合してしまい、それぞれの世界に特徴があることが分かった。


 我々の世界は魔法が発達し、一つは科学が発達し、一つは格闘技術が発達し、そして一つは文化が発達したようじゃ、まだ名前は決まっていないがひとまずは――」


「王様、それならうちの凛一が付けた名前を使ってください」

「凛一?」

「あの男の子です。みんな、ついでだから自己紹介して」


 振り返ったエリスに言われてまずは凛一が進み出た。


「オレは桜崎(さくらざき)凛一(りんいち)って言います、日本ていう国の学生で出身は現実世界です」


「私の名は神谷(かみや)竜輝(りゅうき)、大和という国の武術家で生まれはアクション世界です」


『オレ様はセイル・ファンバー!』


 アークの胸部が開いて中から黒い操縦着を着たセイルが降り立ちヘルメットをはずす。


「傭兵集団ブレイブのエースパイロット、SF世界から来たぜ、覚えときな爺さん』

「ぬお! ゴーレムの中から人が出てきたぞ!?」

「王様、あれは巨大ロボットのアークって言って中に人が入って操れるそうですよ」

「そ、そうか、いやはや異世界には凄い物があるな」


 額に大量の汗をかきながら王様は胸を手で押さえて足を震わせる。

 いくらなんでも驚き過ぎだろうと凛一は呆れてしまった。


「それで王様、文化の発展した凛一の現実世界では全ての異世界が空想の物語として既に表現されて知られているらしくて、それぞれをジャンルって呼ばれるもので種類分けしているらしいんです」


「ジャンル?」


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