第76話 開店
アリスに組んだリハビリのメニューはおおよそ適切な負荷になっていると思う、現に順調に筋力が増えていき義手の扱いもうまくなっている。筋力増強、筋力トレーニングと聞いて「重いの持ってればいいんでしょ?」とか言うのは素人だ。よくジムとかでやたら重いものを持たされて継続なんてとてもできずに辞めるなんてことがあるが、そもそもきちんとしたエビデンスにのっとってやれば重すぎて継続できないなんてあり得ない。やる気があるかどうかは別の問題としてだが
っと、愚痴ってもしょうがないな、今はそんなジムなんてないんだしな
「腕が痛いくて上がりませんわ」
「我慢しろって、賢聖さんが言ってたろ?その筋肉痛が成長している証拠なんだって。それに一日おきにやってるから大丈夫だろ」
アリスに筋力トレーニングを行っているときにエレンも一緒にやると言い出して二人には錘のトレーニングを課している、一緒にやるっていうのはモチベーション上がるよな
ん?俺か?俺は指導する側だからな、やるわけがない!
エレンに誘われたけど適当にはぐらかしてパスしておいた、いつも思うんだが人に指導するけど同じように自分ができるかって言われたらできないんだよな、知識として知っていてもそれを使うかどうかはまた別問題ってやつだな
あれから数日が立ち店が開店する日になった。
「いよいよですね」
セリアが優しく微笑む。
「人来るかな、すごい不安だ」
セリアの柔らかな表情を見てもなお緊張する。
「路上であんなに人気だったんだから大丈夫に決まっているさ」と初めて広場で俺のパフォーマンスを見てからなぜか自信満々なアマルフィ、「問題ないぜ!冒険者の連中にも声かけておいたからな!」と頼んでもないのに宣伝までやってくれるエレン、「人の整理をどうするか今からでも準備しておいた方が良さそうですわね」ともう満員前提で準備しようとするアリス、「お兄ちゃん、誰も来なかったらカレンがお客さんになるね!」満面の笑みで俺を癒してくれるカレンちゃん。
今日は初日ということもあって全員参加で店の準備を手伝ってくれることになった。今日の状態次第では警備が必要かどうか考えるという話になった。
俺としてはそんなに心配しなくてもと思ったんだが他のメンバーは頑固として危険を訴えていたので渋々承諾した。
「ん?外がなんか騒がしくないか?」
店の窓から外をのぞくと・・・
「キャッ!」
セリアから可愛い声が聞こえたが、どうしたんだと聞いてみると
「ものすごい人が店の前に居ます・・・控えめに言って地獄絵図です」
そこまでかと思ったが、ここは異世界。日本であれば何も言わずとも秩序が保たれて規律よく列を作っているとことだが・・・
セリアの言うとおりそこには地獄絵図があった、いや、もう地獄なのだろう。暴動一歩手前のような、我先にと他者を押しのけてでも店の前に立とうとして本当に怪我人なのか、それともここで怪我人を作ろうとしているのか分からないぐらい人い景色であった。
「みんなの言うとおりだった・・・・お願いいたします。」
その言葉をスタートに、エレン、アマルフィが店の屋上から飛び降りて収集つけようと動き始めた。折を見てアリスが店を開き接客はカレンちゃんとセリアが担当してくれた。
接客と言っても仕事は簡単な問診をお願いしてる、紙に聞く項目をかいてそれを読み上げ相手の反応をそのまま紙に書き写す。
いわゆる問診票というやつだな、自分でやるとなるとこれがあるのとないのとではスピードが全然違う。
問診票を受け取り患者とコミュニケーションを取りながら評価を行い治療する。
そとの人を整理し終わったのかアマルフィは診察室のそばに位置取りをして見守っていた。
なんでそんなことろにいるのかなと思って聞いてみると
「誘拐されないように監視に決まっているだろう」
心配しすぎと思ったけど、それはあくまで日本での価値観だよな。今日だけの収支見ても爆発的に稼いでるはず・・・つまり金儲けだけ考えると俺は金なる木なわけだから可能性としてはなくわないか
そんな建前は置いておいて正直なところ嬉しかった、みんな俺を心配してくれるってのがなんとも仲間っていうか青春って感じでいいよな




