第74話 仕事終わりに
シェーレンとルクゼンベの国の違いというか治療を受けに来る人は全然違った。シェーレンはよくも悪くも【ヒール】があるから軽症の人や【ヒール】による後遺症がある人が多かったが、ルクゼンベの場合は重症二の人が多い、最初の少年の母親のように日常生活に影響があるレベルの症状が出てる人なんてザラだった。
流石に感染症の人はいなかったけど、この国の医療体制はどうなっているんだ!?
人はまばらだけど常に待ちがいるの状態でキリがなかったので本日は終了というプラカードをアリスに持ってもらって本日の診療は終わった。お金のやり取りやその他の雑務はすべてセリアがやってくれて俺は治療に専念できた、アリスはセリアの指示に従って動いて居たりしてた。正直二人がいないと俺は水も飲めない状況だったから本当に良かった。
それに、一番活躍したのはメンデルさんだった。
「メンデルさんありがとうございました。」
「いえ、セス様の指示ですので。では私はこれで」
彼女は列の整理と順番を抜かそうとする人の対応をしていた。荒事は得意なのか暴力に訴えようとする人を軽くいなして彼女が作った怪我で俺が治療するなんてことは無かった。
もしかしてこれがセスさんの秘書の実力なのか、なんて思う余裕もなく患者に向かっていた。
連続で患者を診ると頭は当然使うけどそれ以上にのどが痛くなるんだよな、しゃべりすぎというか、もちろん、基本は患者の話を聞くんだがそれでも聞く項目はこっちが言うわけだしな
「賢聖さんお疲れ様です、いつか以来の仕事でしたね。あの時より今日の方が大変でしたね」
「ほんとそうだよな、重症な人多いしそれにセリアも代金払ってもらうの苦労してただろ」
「そうですね、でも賢聖さんに比べたら。それにアリスはさんもいましたし」
「私はあまり何もできていないわ、ほとんどセリアの指示に従っていただけですもの。それにしても皆さん、こちらが指定した金額以上にお金を払おうとしますのを返すのは無理難題といってもいいぐらいですね」
そうなのだ、どうもここの人たちはこちらが中金貨一枚と言っているのにそれ以上を出してこちらが受け取らないといっても無理に机に置いたりしてくるのだ。もちろん、それ自体はありがたいことなのだがそんなに多く貰うと他の人も払わないとという圧力になるだろうから遠慮したかった。セリアは俺の意図は理解していたから押し問答を繰り返していたけどついには根負けして受け取っていた。
「それに関してはもう諦めようか、無理に返そうとして時間食うのももったいないし、最低中金貨一枚ってことにしようか」
「そう言ってもらえると嬉しいです、皆さん感謝の気持ちで渡してくださるのでそれを返すのは心苦しくて」
「中には虹金貨なんてものを渡してくる人がいましたものね、流石にあれは私も見たことなかったので驚きましたけれども。きっとどこかの貴族様だと思いますわ!」
「え?!虹金貨!?」
金貨は小金貨、中金貨、大金貨、虹金貨があり小金貨の十倍は中金貨、その十倍が大金貨となっている。日常的に見るのはせいぜい大金貨だがその十倍の価値が虹金貨だ、小金貨の1000倍の価値になる。
「まさか受け取ったのか!?」
「か、返しました!あんな大金さすがに貰えませんから、大金貨ですら設定の金額より多すぎるぐらいなのにそれより多いなんてとてももらえませんよ。」
そう、だよな。いくらなんでもそこまでの大金が渡されそうになると嬉しいとか言う前に恐ろしいレベルだよな。
日本でアタッシュケースいっぱいのお金渡すとか言われても恐ろしくて受取れないもんな
「そうですわね、仮に貴族だとすれば面倒に巻き込まれるのは必須ですのよ、関わらないほうがいいに決まってますわ」
「アリスは経験あるの?」
「ええ、エレンたちとパーティーを組んでいた時にひどい目にあいましたの。うまい話には裏があるということですのよ、用心してくださいまし。
と、そんなんことより今日は本当に素晴らしい手さばきでしたね。賢聖さんあんなに連続してスキル発動しても疲れ一つ見せないなんてどうなっていますの」
どうって言われてもな、それに疲れてないわけじゃないんだよな。もう頭の中パンクしそうだし何より珍しい疾患の人とか来たときは頭の中の教科書開いて検索するんだし限界に近かったけど、やり切れて本当に良かった。でも、この先自分の知らない病気が出てきたときにどう対処できるかその不安は心の奥底で渦巻いている。
「さあ、今日はもう帰ろうか。すごい臨時収入が入ったことだしいいもの食べような!」




