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第69話 知識という武器

初めて、初めて自分の力で病気を治して命を救えた。リハビリは患者の人生を変えることはできても生死には関係しないことが大半だ、別にそれ自体に思うところはない、むしろ人生に関われるなんて誇らしいぐらいだしその反面に責任も感じる。大変やりがいがある仕事だと思う、でも憧れはあった。医者が患者の命を救うその姿に。

俺には直接命を救うことはできなかった、だが異世界で、自分のスキルというアシストはあったにしても自分の知識で救えた!

勉強してきて本当に良かった、同僚や仲間からは「そんなに勉強してどうするんだ」とか「加賀さんって意識高い系ですよね」なんて言われて嫌煙されていたけどそれでもきっと今までの努力はこの瞬間のためにあったんだろ、運命なんて非科学的なことは普段なら絶対に思わないけどこの瞬間ばかりは無条件に喜べた。


「賢聖さん、やりましたね!」


ああ、俺はやっと命を救えたんだな


「ありがとう!ありがとう!」


泣きじゃくったヴァランさんのお礼を聞いて今日のところは出直すことにした。

今日ぐらいは自分の能力に酔ってもいいよな、慢心することなく常に努力し続けることに生きがいを感じていた俺だけどその努力が報われる瞬間ってのは何物にも代えがたい達成感がある。


「へぇ、中ではそんなことになっていたのかい。賢聖の勇士を見れなくて残念だな」

「勇士なんてそんな大げさだよ」


へへへ、照れるじゃねえか!


「いいえ、素晴らしいですわ!あの手際の良さ、迷いなんて一切なかったですもの、スキル発動するまでの洗練された動きはもはや芸術の域でしたわ」


アリスがものすごく褒めてくれる。きっと普段頼りない姿を見せている分、見たことない俺の姿のギャップがいい方向に作用したんだな

アリスの話を一生懸命エレンは聞き入ってるし、目を輝かせてながら俺の方を見るのはやめなさい、恥ずかしいだろ!


「でも、本当に素晴らしかったです。あの明らかに危機的な状況からよく持ち直せましたね。これも前の知識ですか?」

「ん?まあ、そうだな。でも正直可能性はあまり高くなかったんだ、今回はたまたまうまくいって本当に良かったよ。次に同じ症状の人みてもうまくできる自信はないな」


セリアが?という表情をする。それもそうだよな、同じ症状ならどうして治せないのかって思うよな。医療人なら皆わかるとは思うけど似たような症状が出ても全く同じ人っていないんだよな、だから疾患の鑑別に時間がかかったり間違った診断をすることもあるんだよ。もちろん、誤診ってのはないに越したことはないんだが事実、誤診はあるし前世に至っては医者の付けた診断が見当違いってことも少ないない話だ。

だからこそ圧倒的に使える知識が必要になる


「謙遜はよしたまえよ、事実そうだとしても今日この時ぐらいは手放しに喜びたまえ、なにせ今日の目標は完全にクリアできたうえにヴァランに恩も売れた。出来栄えとしては上々すぎるぐらいだろうに」

「そうだぜ!やっぱ賢聖さんはすげーぜ!俺も外で黙って待ってねえで中に入ってみたかったぜ」


確かにアマルフィの言うとおり、アリスの義手についてもうまくいったしおよそ想像できる最高の状況になったのは間違いないな!


「そう、だな!よし今日は飲むぞ!」

「加賀様、私はここで失礼します。(すべてセス様の狙い通りになりましたね)」


ボソッとメンデルさんが呟く。


「え?セスさんの?」

「いいえ何でもありません。では私はこれで」

「・・・」


確かに都合が良すぎるということろはあった。たまたま義手を作りに行ったことろでたまたま娘が体調を崩していて、たまたま俺のスキルがその病気を治せたなんて。事情を知っている人が仕組んだって方がまだしっくりくるな

だけどそれがセスさんなら納得だ、何が狙いか分からないけどこの状況になったのはラッキーなことこの上ない、今はただ感謝しておこうかな。


今日は気分よくお酒を昼間っからだけど飲んだ、とんだ飲んだくれだと思うけどちょっと仕事して達成感を感じて仲間にも賞賛されその気持ちいいままお酒を仲間と飲む。なんて前世じゃありえないけど最高の生き方だよな

もう、一番充実してる!でもそのあとセリアに言われた一言で現実に戻る


「お金、もう限界ですけど大丈夫ですか?」

お読み頂きありがとうございます!
















ここまで少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価を頂けますと、作者のモチベーションが爆上がりします!
















お手数お掛けしますが、ご協力頂けると幸いです

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