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第61話 突撃!商業ギルド

昨日は方針が決まっただけなのになんだか気持ちが軽くなってたくさんお酒を飲んでしまった。どうなったかというと、当然


「賢聖さん・・・【リハビリ】でどうにかしてくれ」


そう、二日酔いだ。俺は順番に【リハビリ】をお小言と一緒に使ってやる


「自分のキャパシティーぐらい把握して飲めよな」

「君はどうして元気なんだい、昨日もそれなりに飲んでいただろうに」


簡単さ、お酒飲みすぎたなと思えばその分水を飲めばいい、体液の中でアルコールの濃度が高くなると酔うんだから水飲んで薄めてあげればいい、もちろんその中で水だけ取ると脱水になるから適度に塩も舐めておけば万事解決だ


もしかして俺がこんなことしてるからみんな二日酔いになっても大丈夫だと飲みすぎるのか?


「俺は二日酔いの薬じゃねえ!」


思いついたときには口にしていた!


「あら、今頃気づきましたの?ちなみに主犯はアマルフィですのよ」


あいつ!!


「アマルフィは!?」

「さっきエレンさんと一緒に出てきましたよ」

「ぐぬぬ」


からかわれていたのか!全くあいつにはいいように扱われるな


「それはさておき、私たちもそろそろ行きますか」

「そうですわね、アポイントメントは取っていますの?」


アポイントメント・・・そうだよな社会人たるもの必要だよな。でもな、病院勤務ってのは普通の社会人じゃないんだよ、なんというか一般常識よりもその病院のローカルルールが重視される変わったところなんだよ。

つまり


「とってないよ、まあ、行ってみれば案外何とかなるかもよ」

「それもそうですわね」


俺の返事に期待していなかったのかアリスはすんなり同意した。


商業ギルドの建物は目立つ、とにかく大きいのだ。規模でいえば冒険者ギルドの倍はあるだろう。どうしてそんなに大きさが必要なのか分からないぐらいとにかく大きい。


「これはまた壮観ですね」

「驚いてばかりいられないしさっさと入ろうか、じゃないとアリスにまたお小言言われそうだ」

「私を非難するのはお門違いですのよ」


逃げるように早歩きで扉の中に入る。


「ようこそいらっしゃいました、お客様ご用件を伺います」


ビックリしたー!入っていきなり声かけられるとは思ってなかったから完全に不意打ちだ。


「え、ええーと、商売を新たにしたいのですが許可を・・」

「認定ですね、かしこまりました。ではお待ちの間にこれに記載してください。」


貰った紙には名前、何の仕事をするのか、どこでしたいのかなど記載する項目がある。

名前は加賀賢聖、何の仕事か・・・


「仕事の内容ってどう書けばいいんだ?」

「素直に書いておきますか」


となれば治療って書いておくか、ここで躓いたらもう打つてないもんな

聞いた限りだと問題ないのかもしれないけど誰も法律の専門家とかじゃないしルールが分からないから困ったもんだ。

記載が終わったので受付嬢に渡してしばらく待っていた、ただ待っているのも暇なので周りを観察ていると多くの人がいた、お金を納に来ている人、困り果てて俯きながら中に入る人、歓喜の声をあげながら喜んでいる人もいれば地団太を踏んでいる人まで多種多様な人がいる。

こんな大きな建物が教会と冒険者ギルドしかないから分からないけど、ここが一番いろんな人の顔が見える場所だ。


「すごいですね」


同じ感想を抱いたであろうセリアがポツリと吐き出す


「なんというか人のすべてが詰まっている場所だな」

「そうじゃよここは、そんな場所なんじゃ。商売してたら良いことも悪いことも起こる、昨日まではうまくいっておったのに今日突然地の底まで落ちることもある。さて、お客人たちが新しく商売の認可を取りに来た人で間違いないかの」


そこにはやたらひげが長いご老人がいた。


「おお、自己紹介が遅れたの。ワシはセス、この商業ギルドの創設者にしてギルドマスターじゃよ、それで代表者の加賀賢聖というのは君かの」

「え、ええそうです。」

「ふむ、それじゃ少し奥で話そうかの、ここじゃと人目もあれば人の耳もあるからの。前途ある若者のアイデアが盗まれとあっては目も当てれないことになる」


そう言って奥の部屋まで案内された。


「人が良さそうな方だな」

「賢聖さん、すぐに人を信じるのは美徳ですがこの場面では悪手ですよ、もっと人を疑う目をですね」


セリアから心配の小言をもらおうとして


「ホッホッホ、そのお嬢さんが言う通りじゃ、いいか、商売をしようと思うなら簡単に人を信じるな、まずは疑うんじゃ、疑って疑ってそうして初めて信じれるようになるんじゃよ」


信頼とはそうやって気づくものじゃ、セスさんの言葉にはどこか説得力がある。


「まあ、掛けろよ。それで、新しく認可の話だったんじゃが、仕事内容がよくわからんのんじゃがこりゃなんじゃ?」

「セスさん、この国では【ヒール】もしくわ回復スキルがないと聞いたのですが間違ってないですか?」

「ん?ああ、無いというのは少し語弊があるの、スキルとは文化の象徴なんじゃよ。まあ詳しい話は省くがこの国には【ヒール】を使える文化がないということじゃ」


スキルが文化?


「【ヒール】は信仰心がもとになって、つまり宗教系のスキルなんじゃよ。ルクゼンベじゃ宗教がないからの【ヒール】が使えるものがおらんのんじゃよ」


無宗教なルクゼンベに新しく宗教を作ろうとする動きもあったそうだが国民の反発やそもそも興味を示さなかったことからとん挫したらしい。


「となれば、この国で別に回復系のスキル使ってもいいんですか?」

「構わんが、君は【ヒール】が使えるのかね?口先だけのペテン師には許可はできんぞ?」


構わないと許可もらえたことだしあとは納得してもらうだけ、久しぶりにパフォーマンスするか

なんか安全な場所で【リハビリ】するの久しぶりだな。

お読み頂きありがとうございます!
















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