第60話 いつまであると思うな他人の信頼とお金
ボノスについたときは何よりもホッとしていて安全が確保されたことに喜んだ、だからギルドから報酬がなくてもその時は気にしなかったし何なら問題ないと思ってた。
だからしばらく働くことなく5人で街での生活を謳歌していた、誰が何と言おうと俺たちにはそれが必要だったんだ、追われることなく堂々と街を歩いて買い物をして好きな時に好きなものを食べて飲む。苦難を乗り越えた仲間たちとの大切な時間だ
だからなのか、気がついたときには遅かった。
「いつまであると思うな、お金と信頼。耳が痛くなるほど聞いた言葉なはずだったんだけどな・・・」
もう気が付いたと思う。そう、ニートのくせして散財してしまったのだ、自分たちに言い訳をしてな
アスクレピオスの杖のメンバーは別にワーカーホリックってわけじゃない、もちろんアマルフィは戦闘狂ではあるしエレンはパーティーで活動するのが好きだ、だけどそれは平時の安らぎがあってこそなのだ。ここに来るまで全くと言っていいほど安らぎがなかった反動で仕事しないというのは仕方ないことだろ?
「セリア、そろそろ仕事した方がいいよな」
「そうですね、本来なら私が止めるべきでしたのに私も一緒になって楽しんでしまって。すみませんでした、今度からはちゃんとサポートします!」
「あー、いやそこまで反省しなくていいよ。なにせ、セリアより年上のメンバーが全員同じミスしてるんだからな、さて反省もそこそこに働くか!」
セリアが謝れば謝るほどほかもメンバーがうつむいて自分に話を振らないでくれと圧をかけてくる。分かってるよ!俺もいたたまれない気持ちになってんだから俺だけに責任を押し付けんなよ!
いつもはリーダーたるもとといって説教してくるアリスも今日だけは静かにしていた。
「ってことはクエスト受けるしかねえな!」
冒険者らしい打開策をあげるエレン。
「まあ、そうなるよな。手っ取り早いというか選択肢としては妥当だよな」
曖昧に答えると
「なんだい、煮え切らない反応じゃあないか。何か思うところがあるのかい?それともほかに選択肢があるのかい?」
アマルフィが俺の反応をみて不思議そうに聞いてくる。
「いやな、正直なところ旅をして思ったんだが俺は荒事には向いてないんだと思うんだよな、まず戦えないし戦闘となるとてんぱるし適切に動けないんだよな、それでみんなには迷惑かけてると思うんだよ。ああ、勘違いすんなよ、このパーティーが嫌とかそんなんじゃ無くてな、皆で旅をするのは好きだしこうやって一緒にいるのも楽しい、だけどお金を稼ぐ手段として冒険者は難しいかもしれないなってことを思ったんだよ。
それでどうなるか分からないんだけど、ここでも治療院というか困ってる人の体を治したいんだよ。もちろん前の国でこれで失敗してるのは分かってるんだけど」
これは俺の我がままなのは分かってる、だって冒険者として仕事をこなしていけばお金は手に入るしなんなら戦闘も参加していけばできるようになるかもしれない、でも根本的に傷つけるという行為に抵抗があるのも事実だ。
「私は賢聖さんと同じ気持ちです、正直皆さんと違ってもとはただの街の娘でしたので当然戦えませんし、スキルの応用で今までお手伝いできてきましたけどやはり本職の人に比べると劣りますしね。旅をっするならいざ知らずお仕事としては難しいかもしれません」
そう、旅ならいいんだその中で戦いになっても仕方ないと割り切れるし危険を回避するためなら率先してするかもしれない、でもそれを仕事としてやるのは抵抗感があるし役に立たないのは事実だ。
「ふむ、二人の言わんとすることは分かるけれども目下の問題としてお金のことはどうするのかね、賢聖のスキルがこの国ではどんな扱いを受けるのか分からない中でいきなりやるのはリスクが高すぎるだろうに」
それもそうだ、だからこのぷーたらしている中でも情報収集をしていたんだ。
この国では【ヒール】というスキルはないからそれに対する決まりごとはない、そもそもないものなのだから縛る必要もないからな。そして商売をしたいのなら商業ギルドに顔を出す必要がると、そこでどんなことをするのか説明して許可が下りれば問題ないようだ。
だから、商業ギルドに行きたいんだけど
「そこまで調べてたならなんで早くいってくれねえんだよ、そもそもこの国に来たのは賢聖さんが自由になるためだろ?商売のことはよくわかんねえが賢聖さんのやりたいことを俺は応援するぜ、だがそれにしても先立つもんは必要だろ?だから俺はそっちの手伝いもしてえが依頼こなして手っ取り早く金稼いでくるぜ」
「エレン!」
16歳の子供に生活費を稼いでもらう構図とはいかに・・・なんか夢を追う売れないミュージシャンの気持ちだよ。
「私もそこの馬鹿と協力して依頼をこなすとしよう、生きていくためには金が必要だからな。金の問題が解決したらそっちを手伝うとしようか」
「アマルフィ」
「礼には及ばないさ、私たちはしたくてしているんだ、それに賢聖が上手くいけば私たちも金を稼ぐためにクエストをうけなくて済むからね」
アマルフィはクエストをあまり受けるようなタイプではなく魔物を討伐してその報奨金で稼いでいた、当然報奨金の方がクエスト達成の報酬より低いので稼ぐならクエストなんだが依頼者と関わらないといけなく面倒も多々あるみたいで煩わしいと思ったアマルフィは魔物を討伐するスタイルになった。
ここでいう、金を稼ぐためにというのは金はいいが面倒なクエストより気ままに魔物を刈るほうが性に合ってるので俺が稼げるようになればクエストは受けないと言っているのだ。
「私は賢聖さんの手伝いをしますわ、まだ戦闘には参加できませんしそれに商業ギルドには義手の情報があるかもしれませんしね」
「そう、だな。」
アリスの義手については作れる技術者を探していたんだがなかなか見つからなかった、だが探している中でその手の情報は商業ギルドで扱っていると聞いた。
なかなか進展しない義手についてアリスは「今のところ賢聖さんが作ってくださいましたもので困ってませんし、そんなに急いでませんので構いませんわ」と言ってくれた。
こうして各自の行動が決まった。
俺とセリア、アリスが商業ギルドで認可を得ることと義手を作れる技術者の情報収集、アマルフィとエレンはクエストをこなすことで生活費の確保となった
「じゃ、明日からよろしくな!今日は・・・飲もう!」
明日から本気出す!そういって結局今日も飲んだくれた。
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