第57話 到達した地で
あれから何とか持ち直して全員全開の状態になった。今までも食料に気を付けていたつもりだけど、より気を付けるようになった。特に俺は日本だとご飯に困るというのが感覚的に分からずに理解はしていてもどこか他人事のように思っていたから意識を改めることになった
無事に山を下りて食料を分けてもらった村にお礼を言いに行ったときに宿と食事を無償で提供してもらったのは今でも感謝している。村の人たちは貰いすぎた代金のお返しだといって正直至れり尽くせりの状況に困惑もしたけど、ずっと山で過ごしてきて安全な場所で休めるとわかると遠慮はしなかった。
「村長さん、ちなみにここはルクゼンベでいいんですか?」
この村の村長に現在地を聞いた。そしたら、ここはルクゼンベの国の中ではあるが外れの場所とのことだ。
「ついに来ましたね」
「ああ、長かったな。今でもよくここまでこれたと思うよ」
セリアと俺は感慨深い気持ちになっていた。教会に追われてからここに来ることが決まって随分と回り道をした気がする。
が、本当の目的はこの国に入ることではなくてここで生活していくことだ。さしあたっては同じ轍を踏まないように確認することがある
「村長さん、この国では【ヒール】なんかのスキルってどこで受けれるんですか」
「【ヒール】ですかな?すみませんな、私にはあまり聞き覚えがないもので・・・確か隣の国のシェーレンではそんなスキルがあると聞きましたが・・・はて、その【ヒール】がどうしたんですか」
その言葉を聞いて俺たちは顔を見合わせる。どういうことだ?田舎にはそいう言う情報は回ってこないだけなのか?だがシェーレンではセリアの街でも【ヒール】は認知されてたしな
グルグルと頭が回っているときに村長が教えてくれた、もしかしたらこの近くにボノスという街がありそこでならなにかわかるかもしれないと
「もしかしたらこの国はシェーレンとは勝手が違うのかもしれないね、同じ轍を踏みたくなければ各自不用意な行動は控えたほうが良さそうだ、単独行動は控えたまえよ?」
「おい!どうして俺の方見ていうんだよクソアマ」
「何を言っているんだい、この中で単独行動する可能性があるのは君と賢聖だけだろ?それに君の方は実績があるじゃないか」
どうして俺の方までとばっちりが来てるんだ!?
「あら、エレンあなたこのパーティーでも単独行動することがあるんですのね、少しは大人になったと思いましたのに」
アリスがエレンにちょっかいを掛けるがそれは下策である、なぜなら
「何を言っているんだい、そこの馬鹿が単独行動したのはアリス、君を助けるためだぞ?馬鹿は君のことが大切で大切でしょうがないみたいだ」
アマルフィはここぞとばかりにいじり倒す、エレンとアリスを二人まとめてな。事実を聞いてアリスは
「そ、そうですの///」
と顔を赤らめるし、エレンは「そ、そんなことねえし」とかってそっぽ向いてしまう
「あらやだ、セリアさん見ましたか?あの二人初々しいですこと!お互い早く気が付けばいいと思いませんの」
「賢聖さん、気持ち悪いですし似合ってませんよ?それと言葉おかしいです」
ちょっとからかうのに混ざりたかっただけじゃない・・で・・すか・・
え、すごいセリアさん笑顔なんですけど!え、なんで!?そんな気持ち悪かった!?
分かった、もう調子乗って変な言葉使わないから!あ、ヤバいかつてないほど心拍数がおかしなことになってる!
「セリア、賢聖から少し離れたらどうだい?賢聖が困っているじゃないか」
「アマルフィさんこそ、最近距離が近すぎませんか。それに比べると私なんて可愛いものですよ」
なぜだかわからないが、最近二人の雰囲気がピリついてるですけど、さながら虎と竜が対峙して頂上決戦するようなイメージだ
俺はそっとその場を離れて旅の準備をせっせと始めた。村長には地図はないと言われたので口頭で伝えらえた情報をもとに移動しないといけないから食料は先が見えるまでは節約する必要があるな
今度の旅は誰かに追われたりしないからその分は気が楽だな、最近はセリアとアマルフィは置いておいてパーティー内の雰囲気も改善してきた、危機に直面して乗り越えると絆が強くなる、古典的だけど有効なものだと再認識したな
「さあ、じゃれてないでそろそろ出発しようか」
次はボノスに向けて移動開始だ!
お読み頂きありがとうございます!
ここまで少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価を頂けますと、作者のモチベーションが爆上がりします!
お手数お掛けしますが、ご協力頂けると幸いです




