第54話 食糧難
「このままではまずいです」
神妙な顔好きでセリアが言う。
端的に言えば食料がピンチなんだという、前の街で準備した食料はなくなり今は食べれる魔物や木の実、山草なんかを食べて上をしのいでいたのだがついに今朝で保存していたものが尽きたらしい
前々から食料の問題があったのだが魔物もタイミングよく狩れたりして崖っぷちな中でもやってこれたのだがそんなに都合よく物事はいかずに限界が来たらしい
「ついに・・・ついに来たか、ちなみにこういう時は冒険者ならどうするんだ?」
アマルフィはスキルで何とかすると、エレンとアリスはそもそもこんなことにならないように事前にしっかりとした準備をすると、初めて行くところはなるべく地元の人を雇ったりしているんだと
つまり危機的状況を打破するための手段はないとのことだ
「残された手段は進むしかなさそうだな、幸いにも山も結構下ってきているからな」
だからどうだということはないのだが、とにかく足を止めるのは死を意味することだけは分かっている、こんな山奥に居ても当然助けは来ないし進むほか道はない
「あとどのくらい距離があるんだろうな、それが分かるだけでもだいぶ希望が出てくるんだがな。セリアわかったりするか?」
「・・・・」
おかしいセリアに返事がない、いつもはすぐに返事してくれるのに
「セリア?」
「へ?何ですか」
なんとも気の抜けた声が返ってきた、おそらく食事で炭水化物が取れないから糖が足りないんだな。
人間はエネルギー源としてブドウ糖をはじめとする糖分を糧にするのだが炭水化物がその最たるエネルギー源だ、だが今は食事でそれが接種できない、しかし、エネルギーになるのは炭水化物だけではなくタンパク質や脂質で代用することができる
まあ、どのみち食事でエネルギー確保しているんだからその食事がとれないって単純にエネルギー足りてなくて注意散漫になったりするんだよな
セリアだけでなくほかのみんなもそうだ、明らかに注意は散漫な状況だ
「あと、どのくらいあるんだ?」
「それは、わかりません。すみません」
「あ、いや、いいんだ、ありがとう」
しょんぼりと落ち込むセリア、こうなんでもないことでも雰囲気が重いとネガティブなニュースになり余計、空気が重くなってくるな、エレンとアリスも心なしか不安な表情しているしな、二人はどっちかっていうときっちり準備するタイプでこんなイレギュラーが起きないように今までしてきたんだよな、そりゃこんな状況になると堪えるか
飄々としているのはアマルフィぐらい、てかなんでそんなにアマルフィは平然としているんだよ
「アマルフィ、余裕があるな、なんか秘策でもあるのか」
「いいや?そんなものはないさ、だけど私たちがアタフタしてもしょうがないだろ、君も存外落ち着いているじゃないか。年少組をこれ以上不安にさせてはいけないよ
かと言って私たちの姿を見せるだけだと何も解決には動かないからね、そろそろ行動を起こさないといけないね」
そうはいってもどうするんだ?と思っていたら強硬手段の中で最もやりたくない選択しが用意されていた
「私のスキルで解決するしかないだろう、あのスキルはこんな時のためにあるんだからね
ああ、それと私一人だと片道切符になりかねないから君も尽きてきてもらうからね」
アマルフィのスキル【天衣無縫】は自身の身体能力を著しく向上するスキルだ、ただしその劇的な効果の反面デメリットがあり、効果がキレれば使用から再使用までに向上した身体能力に伴ってスキルが発動できなくなるらしい
要するに身体能力を2倍にしたら20分スキルが発動できなくなるみたいなそんな感じだ、そこで俺のスキルがあれば話が変わってくる。俺のスキル【リハビリ】は元ある状況に戻すことができる、それをアマルフィに使えばスキル使用による再使用までの時間をなかったことにできるんだ
つまり、デメリットなしで人外な動きができるってことだな、だがそれには一つ問題があって、俺のスキルは直線触れていないとだめだから必然的にアマルフィと同じ行動になる、結果どうなるかというと俺は安全バーなしの人間ジェットコースターに乗せられるってわけだ
「この際、背に腹は代えられないからいいけどさ、それでどうするんだ?魔物でも探すのか?流石にやみくもに探してよしんば見つかったとしてそいつが食べれるかどうかわからないぞ?」
「私の勘だともうルクゼンベには入っているはずだ、山を越えているからね、だから近くの村で食料を分けてもらうのが最適だろ、だからその村を探すために使うんだよ。当然だが、その差がしてる時に魔物がいればそれを食料にするさ」
ちなみに全員をアマルフィのスキルで運ぶのは現実的ではないとのことだ、以前エレン、セリア、俺がアマルフィに担がれた状態でぶっ飛ばしてきたが今度はそれにアリスをのっけて荷物もとなると難しいらしい
「わかった、それで行こう。三人には俺が説明するからアマルフィはどの方向に進むのか考えておいてくれ」
三人に説明して、俺たちは行動する子にした、手元には水はあるため何も動かずじっとしているのであれば数日は最大で持つはずだ
一日でも早く戻るのが最適だがどうなるか・・・いかんな、始まる前からこんな調子じゃ
「賢聖さん、頼む!」
「ああ、エレン二人のこと頼んだぞ。お前が守ってやれよ」
まだ体力はある、行動開始だ!
スキルを使って木の上まで飛び上がっていたアマルフィがいい情報を教えてくれた、このまままっすぐ進んだ先に人工物らしきものがあるとそれを目指して俺たちは旅立った。
「アマルフィできるだけ急いでくれよ!」
「当たり前だとも、全力をだすさ。今回ばかりは君にも構ってられないからね振り落とされないようにしたまえよ」
ちょ、そこは面倒見てくれてもいいんじゃないですか?!振り落とされたらさすがに命が危ないっすよ
そんな俺のことを横目にアマルフィは全力疾走で進んでいく、帰れなくならないように途中途中に目印になるように木をなぎ倒しながら進んでいく、木に目印をつけるのではなく進んでいる勢いでそのまま木を切るのだ
もう化け物ここに来たれりという感じだな
「君、今失礼なことを思っただろ?いいかい、一応これでも私は花も恥じらう乙女ということを忘れていないだろうな」
花も恥じらう・・・確かに外面的にはその言葉には噓偽りがないぐらい奇麗だが、性格はとんでもないと思うが・・・俺は紳士だここは、さらりとスルーだ!
何か言いたまえとかアマルフィが訴えているが、そんなことより待ってろよみんな!すぐに食べ物持ってくるからな!
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