第51話 俺は戦力にならん!
そこからは早かった、まずアリスが敵の弓を使って来た場所に打ち返した。正直そんなんで当たるの?と思っていたが命中した、後で理由を聞くとこんなことは日常茶飯事で体の一部でも見れればあとは推測で放つんだとさ、いつもならたくさん打てるから何気なく放つこともあるらしいけど
「一度しか弓が使えない状況ではさすがに緊張しましたわね」
もう、仕事はおえたといわんばかりの表情である。ちなみに一般人の俺とセリアはびくびくしながら見守っていた。いや、セリアは肝が据わってるからあんまり動じていないようにも見えたけど
何なら励ましてくれてる。
大丈夫です、安心してください、責任はあなただけではないです、繰り返し俺に言い聞かせてくれる。全く情けない話だが文化というか生活がここまで違うと精神状態が不安手になるけどそれを支えてくれているのは間違いなくセリアだ、本当はおばあちゃんをなくして教会にも捕まってひどい目にあっているセリアを支えるはずなのにな
あんまり情けない姿を見せ続けるわけには行かない!
「セリア、本当にありがと、でももう大丈夫」
呼吸が荒くなっているのが分かる、人の死に立ち会うこと自体は病院に勤務していればある、昨日まで元気に話していたのに状態が変化してなんてこともざらだ。だから死体を見ても普通の人に比べて動じない自信はあった
だがそれは病気で命を失った人であって自分の指示で命を奪ったわけではない、この差はあまりにも大きく違ってくる
そんなことを考えているうちにもエレンとアマルフィは戦ってくれている。
エレンは特に攻撃をいなすのが上手い、受け流し態勢を有利にさせて隙を突き攻撃するから見ていて安心感はある、もちろん相手次第ではリスク込みでガンガン責めることもある、どちらかというと魔物相手にはそれが多い気がするけど
そう思っているとアリスが説明してくれた
「エレンのあの戦い方は対人のものですわ、対人であれば賊のような姑息で卑怯者の連中では武器に毒を仕込むこともありますの、なのでできるだけ攻撃を受けないように立ち回っているのですわ。」
これは経験によるものだということだ、昔それこそ武器に毒を塗られて致死毒ではなかったものの反省して学んだんだとさ
はたから見ていると大人が子供をいなしているように見えるがあれはそういう意図があったんだな
打って変わってアマルフィは超高速で動いて攻撃している、彼女は武器はこのんで槍を使うが槍じゃなくてもスキルは発動する、だから状況によって武器を変えるのだけどここでは障害物が多いため短剣をメインウエポンにしている。
もう、これも圧巻な手さばきだと言えるだろう
賊の一人が俺たちが戦えないであろうことに目をつけて向かってくる
「お二人は戦えますの?」
「いや、ド素人だってのは知ってるだろ!」
焦る俺。セリアは武器を構える。
「では、賢聖さん、弓をもってくださいまし。そう、そのまま固定して・・・【弓術】は使えませんが・・・十分ですね」
言われるがまま弓をもって固定した。アリスがやろうとしていることが分かったからだ、要するに俺を義手替わりにして矢を放とうとしているわけだ。
この状況だとスキルが発動しないが、本当に当たるのか?
「行きますわ、―――私の矢は必中にして必殺の矢」
なんか、アリスが小声で言ってた気がするが俺にとってはそんなこと考える余裕はなかった
相手すげえ怒鳴りながら向かってくるから恐怖でいっぱいだし手に持ってる武器も怖かった
「安心してくださいな――――――ほら、もう大丈夫ですよ」
相手ののど元に弓が刺さっていた。
その瞬間恐怖からの解放と自分の手で人を殺めたことへの不快感が襲い、戦闘中だというのに意識を手放した。
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