表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/77

第48話 海は大荒れってまじ?

クエスト達成をした後はどの冒険者も祝勝会をするらしいが個人的には人が死んだ後で祝う気にはなれなかった、そんなところを


「いいかい、冒険者にとってクエスト後の集まりはクエストに対してもそうだけれどそれ以上に、携わった人に感謝と弔いも込めてやるものなんだよ。私自身あまり経験がないけれど習わしは知っているしやるべきだと思うよ」


生に執着の無いと豪語するアマルフィがそこまで言うならと、みんなで集まってお酒やおいしいご飯を食べた。

どうやらこれが冒険者流の個人を偲ぶやり方らしい。葬式後の食事みたいなものか、ここではシュミットとリットとの思い出やエレンとの関わりなんかを聞いたり、アリスには俺たちの経緯なんかを話した。教会と問題があったと言った時は驚いたみたいだけどそのあとは妙に納得した感じの反応だった。


「それでアリスは今後はどうする予定なんだ?」


お酒も回ってつい言葉にしてしまった。


「そうですわね、賢聖さん、私が困ってると助けてくれるんですよね?」

「うん?」


あれ、妙に語弊があるというか。そうはいっていないような・・・確か、何でも言ってくれとは言ったけど


「私、行くところがなくて困っているの。利き腕の右腕がなくなってスキルも使えないのよね」


チラッ、みたいな効果音が付きそうなぐらいチラチラこっちを見てくる。


「ああ、どうか頼れる優しい人が私を助けれくれないのでしょうか!ああ、神よ・・・」


天を仰いでそのセリフを言うのならまだしも俺をガン見でいうのはやめてくれませんか!?


「賢聖さん、俺からもお願いします!」


エレンはテーブルに頭つけるぐらい深くお辞儀してるし・・・セリアは賢聖さんに任せますってスタイルは変わらないし、アマルフィに至っては君が安易な言葉で慰めようとするからだ、とさ

君たち俺に責任という形で追い詰めないでくれます?


「もちろん、足手まといになるのは承知しています、なので荷物持ちでも何でもします!」

「はぁ。別にこのまま放っておくつもりはなかったしね、それに怪我人に荷物持ちをさせるのは俺の両親が痛むし気にしなくていいよ。

俺の故郷に旅は道連れ世は情けって言葉があるんだ、これも何かの縁だな、一緒に旅をしてくれアリス」

「ありがとうございます!」

「言っただろ!賢聖さんは優しいし人ができてんだ!ぜってえ断らねえんだよ!」


何だろう、エレンからの期待が重い。思いが重いとでも言っていこうか!セリアから白い目で見られたのでなんだか涙が出てきそうです。


さて、大きな寄り道をして思わぬ仲間が増えたけどこれでやっと軍事国家ルクゼンベに向けて移動ができる!

明日には船の手配をしてさっさと行くぜ!




「なんて甘いこと思ってた時期が俺にもありましたよ・・・」

「賢聖さん、まだそんなこと言っているんですか?早めに切り替えたほうが気持ちが楽ですよ?」

「私は船に乗らない選択は非常に喜ばしいね!なんともすがすがしい気分だよ、海があれるなんて最高だ、ハッハッハ」


一人上機嫌な奴を除き、仕方ないとあきらめたのが二人、そして絶望的なほど落ち込んでいるのが


「ルクゼンベまで徒歩だなんて・・・私たどり着ける自信ありませんわ」

「安心しろ俺もだよ」


諦めたのはセリアとエレン、落ちたのは俺とアリスだ。

なんでこんなことになっているかというと海は大荒れでいつ収まるか分からないとのことだ、長い時は一月以上荒れていると、そんなに待ってられないということで陸路で行くことになったんだが、まだ歩くのに慣れていないアリスとその介助をする俺が海で楽できると思っていた分反動がでかい。

普通の平坦の道ならリハビリ込みで歩けないことはないと思うが、山越えしないといけないとなると話が変わってくる。


「アリス、焦らなくていいからまずは重心の位置を学習していこうな」

「ええ、ありがとうございますわ。」


陽気に笑うアマルフィに殺意を覚えながら二人はリハビリをしながら山越えをという暴挙に出ることになった。もちろん、エレンやセリアが協力してくれるから負担は少ないんだが、アリスには今後生活に支障がないぐらい、だけでなく走るぐらいにはできるようになってほしいのできっちりリハビリをする必要がある。これぞリハビリだ


アリスの歩行はなかなかうまくいかない、そりゃそうだ、今まであったのがなくなるというのは全部変わるからな。それに問題はそれだけじゃない

アリスの顔色が悪い


「アリスどうしたんだ!?どっかいてえのか?」

「ええ、エレン心配いりませんわ、少し腕が痛むだけですの」

「ちょっとって感じではないだろ?賢聖のスキルで完全に傷は塞いだはずではなかったのかい?」


アリスはないはずの右腕が痛むと、まさか・・・


「幻肢痛かもしれないな」

「賢聖さん、それはどういうものなんですか?賢聖さんの力でよくなるんですか」


セリアが聞いてくる。

幻肢痛、それは失った体の場所がまだあるように感じるそんな症状だ。要するに脳が腕がなくなったことを処理できてなくてまだついているように感じるもので多くは時間が解決してくれるはずだ

幻肢痛の感じ方は様々で刃物で裂かれるような、電気が走る、痺れたみたいな痛みを訴えることやない腕が動いているような風に感じることがあるともいわれる。

治療としてリハビリでは自分の腕が動いていないこと、ないことを認識する必要があるから鏡を使いながら治療するんだがそんな便利な鏡なんてここにはない

だが、スキルがある。完治までできるか分からないが痛みは和らげるかもしれない


「アリス、右腕出して」


そっと手を触れてスキルを発動する。

苦悶の表情だったアリスが表情が和らぐ


「賢聖さん治ったんだよな?」

「いいや、これは分からんな、完治まで行けばいいけどな」

「歩きにくいし、腕がずっと痛いなんて。アリス・・・ごめんな」


エレンはまた責任を感じてかしきりにアリスに謝る。

そんなエレンの姿を見て、アリスは気にしなくていいと時期によくなるならそれまで我慢するからと


「痛みに関しては正直本人の感じ方次第だけど、歩くのは手がないわけじゃないんだが」

「賢聖さんそんなもんがあんなら早くいってくれよ!で、どんなんがあるんだ?俺にどうにかできるものなのか」

「義手を作ってみるか」

『義手?』


みんなが声をそろえて聞く。

義手は現代の日本であればプラスチックや樹脂、シリコンなんかの軽くて丈夫な素材を使っているがそんなものはここにはないし俺にそんなもの作る技術は当然ない、義肢を作るのは義肢装具士と呼ばれる資格を持っている人が作ってそれをうまく使えるように指導するのが俺の仕事だったからだ


「義手は腕の代わりになるものだけど、今できるのは腕と同じ重さのものを作って右側につけるんだ。そうすれば腕の代わりにはならなくても重心は取りやすくなる」

「なるほど、そうすればコケなくて済むわけということかい、賢聖のやりたいことは分かったけど何で作るんだい?まさか今から街に戻るなんて言ってくれるなよ?」

「そんなこと言わないよ、そこらへんに生えている木でいいんじゃンええかな」


そう言い終わる前にエレンが木を切り落としていた。相変わらずいい切れ味というか、見事としか言えない槍捌きだ


そこから大きさwをざっくり合わせて重さを腕と大体一緒なものを右腕につるしてバランスを取ってみた。

何もないよりかはもちろん、ましになったけどふらつかないかといわれればやはりふらつく、もっとちゃんとしたものを連れてばいろいろと変わるんだろうけど今は仕方ない


「随分と楽になりましたわ、皆さんありがとうございますわ」

「アリスさんよかったですね」

「セリアさん、ご心配をおかけしましたわ。もう大丈夫ですのでこれからどんどん歩いていけます」


まだアリスはパーティーに馴染んでいない、それもそうだな少し前に険悪な関係だったからな。俺はアリスには患者に接するような対応になってしまってるし、アマルフィに至っては直接話しているところを見たことがない

だけどパーティー随一のコミュニケーション能力の持ち主は違った、自然に話を始めて相手の望んでいる言葉をかけてあげる。これがナンパ目的ならおそらく話術だけでも成功率は非常に高いだろうな

ほら、もうアリスと打ち解けてるわ・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ