第38話 ついに冒険者だぜ!異世界着た感じするな!
この街には教会がない、理由は簡単だ他国からの移民や交流が多く教会があってはうまくいかないことが多かったからだ、宗教国家だが例外的に認めていたという流れだ。教会がないだけで敬虔な信徒はいるから下手に教会批判なんてしようものならボコボコにされるから気を付けたほうがいいらしい
「ギルドはこっから近いのか?」
「少し歩くけどすぐ着くぜ!」
待ち遠しいのかエレンがソワソワしている。アマルフィのいいところはこういう人が喜んでいるときには腰を折るようなことはしないところだ
「エレンさんは本当に嬉しそうすね」
「ああ、そりゃ冒険者って言ったらパーティーだからな!信頼できる仲間と組めるのはなかなかないもんなんだぜ。それにパーティー組めたらなんか、みんなとつながりができるだろ、俺そういうのがほしんだよ」
エレンは本当に素直だ、こういうところ見るとなんだか親心くすぐられるよな
「ついたようだね、ここがギルドだね。早速入るとしようかね」
グラムが居た街のシンテルクとは雰囲気の違う、商業施設のような建物だった。
「ようこそいらっしゃいました、ご依頼ですか?」
俺とセリアが武器も持ってなくいかにも素人って感じだからかな、依頼者と間違われた
「いや、冒険者になりに来たんだけどどうしたらなれるんですか」
「希望者ですか、そうですか、失礼ですが戦闘経験などありますか?冒険者は命がけの仕事になります、確かに他より給料という面ではいいかもしれませんがお金で命は買えません、お仕事がなく困っているようでしたらよろしければ斡旋いたします」
怒涛の勢いでやめるように勧められたんだけど、武器もなくて鍛えてもない、連れの女の子も戦えそうにない、かと言ってお金も持っていそうにないとなるとそう思われても仕方ないか
それにしても仕事まで斡旋するとかすげー親切だな
「いや、この二人は大丈夫だよ、なにせ私とあのおバカと組むからね」
「あ?おバカって俺のことじゃねーだろうな!そこのあほ女の言うとおりだぜ、二人は俺らと役割が違うからな、問題ねえよ」
二人が援護してくれた。
「あなたは、もしやエレン様ですか?あのドラゴンスレイヤーの!」
「お、おう」
受付嬢から両手を握られてドキドキしている、エレンって有名人なんだな、ドラゴンを倒すってそれほどの偉業なんだな、これは仲間として鼻が高いな、俺何もしてないけど
「でしたら何も問題ありません、冒険者からの推薦という形でギルドカードを作りますね」
「よろしくお願いします。」
石の板みたいなのに手をかざすとカードに記載されていった。内容は名前とモンスターの討伐欄、依頼の成功率なんかも記載する欄がある
「あれ、でも、エレン様は『黄金の獅子』というパーティーを組まれていたのでは?ご存知と思いますがパーティーの重複は認められませんよ」
「ああ、問題ねえよ、もうそっちは抜けてるからな」
「かしこまりました。それと代金の方ですが・・・」
「それは俺が払っておくから」
そう言ってエレンが中金貨をだす。
「エレンお金ぐらい払えるよ」
「いや、これは俺のわがままに付き合ってもらったんだ、このぐらいはさせてくれ」
そう言われると素直に受け取っておくのが粋ってもんだよな、ここでいやいやとかいうのはスマートじゃないしな、このお礼は別でこっそりしようかな
冒険者になってパーティーを組むメリットとしてパーティーじゃないと受けれない依頼があるからそれを受けれるというのがある、魔物を間引くだけなら単純にリスクが軽減するぐらいだ、ただパーティーを組むとギルドカードに魔物を倒した場合パーティーでの討伐になり報酬は分割される
要するに仕事上に劇的なメリットがあるわけでもないらしいが、評判はパーティーの方が広がりやすいらしい、メンバーの名前は知らなくてもパーティーの名前は知ってるみたいなのはよくあることとは教えてくれた。
野球なんかのチーム名は知ってるけど詳しくないとメンバーの名前まで知らないみたいなものなんかな、当然ファンはメンバーの名前まで知ってるだろうけど興味ない人はチーム名だけしか知らないもんな
「では、皆さんでパーティーを登録しますか?」
「はい、よろしくお願いします」
パーティーの申請をするまでは問題がなかったんだ、みんな仲良かった、だがどうしてこうなったんだ!?
「いや、理由は明白か・・・」
ことの発端は、パーティーを登録したときに決める名前だ、まず、エレンが『深淵を進むもの』、アマルフィは『教会への反逆者』、セリアに至っては『アンチ・宗教国家』、ほかにも『聖人殺し』、などなど、教会への恨み満載の名前か厨二チックな名前か・・・エレンは前のパーティー『黄金の獅子』とかだったんだろ!?もっといいのないのかよ
「なんだい、その痛い名前は、そんな名前だと笑われてしまうじゃないか」
とエレンを非難するアマルフィ。
「いや、おめーらの名前の方が問題だろ!」
エレンはセリアとアマルフィに言い返す。エレン、俺もそう思う、いやエレンの名前がいいわけじゃないけどな
「いいえ、私たちのリーダーは賢聖さんなんですよ?それならこの名前でも問題ないです!」
セリアはこういう時、ぶっ飛んだ発想してるよな、常識人だと思ったのにな
「少なくても教会関係は全部だめだ、二人はもう少し穏便なのを意見してくれ」
「あのー決まってからもう一度伺いますね」
受付嬢からはそういわれ逃げるように去っていった。そりゃそうだわな、俺もここから逃げたいもん、敬虔な信徒がいるんだろ?この街、だったら変な問題になりそうなここから立ち去るのは賢明だ
その間も三人の意見は白熱している、エレンは厨二路線だし、セリアは俺を前面に出す名前にしてる、アマルフィはなんというか風刺がきいた名前ばかりだから口を開くたびにドキドキする、ほんとに心臓に悪い
「賢聖、君はさっきから文句ばかり言っているが何か意見はないのかい?」
「・・・・アスクレピオスの杖ってのはどうだ?」
「なんだいそれは」
「医療、ここでいう回復スキルを使う象徴みたいなもんだ」
「そんな話聞いたことありませんけど、賢聖さんはどこでそんなこを知ったんですか?確か以前の記憶がないとかはじめは言っていましたけど」
もう、いっそここで全部話すか
「実はな」
そこで前世での仕事、知識、経験なんかをかいつまんで話した。反応はそれぞれだった。
セリアは
「30歳だったんですか・・・私と14歳も違う・・・でも今の体は20歳ぐらいだし、20歳でいいんだよね、うん、そうだ、20歳だから年も離れてない、でもこれで賢聖さんが私を子供扱いする理由が分かった気がする」
後半は小さな声で言ってたけど、子供扱いするの気にしてたのかなー
「そうか、だから私たちが知らないことを知っているんだね、知識が異常にある理由が分かったよ。それに戦いなれてないというか危機感が低いのも理解できたね」
アマルフィはしっかりと受け止めて取り乱していなかった、最後のエレンはというと
「すげーすげーと思ってたけど賢聖さんぶっちぎってすげーぜ!やっぱついてきて正解だったぜ!」
興奮しっぱなしだった。
「で、話は戻すけどアスクレピオスの杖っていうのは医療の象徴なんだよ、俺は医療人だし教会と対立してる今でも助けれるなら人を助けたいんだよな。でもまあ、あくまで俺個人的な話になるから没にしとこうか」
「賢聖さん、良いと思うぜ!俺は気に入ったよ!」
「面と向かって教会批判するより意味が分かる人が見たらわかるって方がいいね、賢聖もパンチのきいた名前を言えるじゃないか」
二人には好評だ、アマルフィみたいな意図は全然ないんだけど、まあいいや
「セリアどうかな」
「名前はいいと思います、でも」
「でも?」
「賢聖さんが秘密をずっと黙っていたことにショックでした」
(´Д⊂グスンみたいな、感じでちらちらこっちを見てくる、どうやらからかっているようだな
まあ、最初から言っても信じてもらえなかっただろうしそれに最初迷い人とかいってセリアにからかわれた気がするんだけど、追求しないでおこうか。黙っていたのは事実だしな
ということでパーティー名は医神のアスクレピオスになぞらえて「アスクレピオスの杖」に決めた
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