第37話 次の目的地はシーイン!
アマルフィの人間ジェットコースターに乗って移動したとき本来行く予定だった船を調達する街ではなく別の場所に移動してきた。次の街では教会の追手が来る可能性があったから全然違う方向に進んで来た、軍事国家ルクゼンベへ移動するためには陸路だと山越え、水路だと海を進んでいかなきゃならない、今の場所からだとどちらかに絞らないといけない
「賢聖さん山と海どっちがいいですか?」
本来、可愛い女の子から言われるとテンション上がるセリフだろうが今は毛ほども楽しくならない
「俺は海だな、山はクソアマや俺は耐えれるだろうが賢聖さんやセリアには辛いと思うぜ」
「ハッ!私は海は反対だね、山は時間をかけて登っていけば問題ないよ、それに海は逃げ道がないからね。危険だよ」
「お前は嫌な奴だがさすがに今回の二択だとリスクが低いのは海だろ、山はとてもじゃねーがリスクが高すぎて選択しねーよ、移動時間も海の方が早いぜ、なのに山選ぶってお前、まさか泳げねーのか?」
「まさか、私が泳げない?そんなわけないさ、馬鹿だ馬鹿だと思っていたがこれはひどいもんだね」
ああ、アマルフィ泳げないんだ。でもそうかー、セリアはどっちもいいらしいけど時間のこと考えると船が一番早い感じするんだよな。自分の足で移動しなくていいし魔物に襲われる心配も少ない
ここはアマルフィに悪いけど海にしようかな
「アマルフィ、俺も海がいいかなって思うんだけどいいかな」
「賢聖、分かった、君の決定には従おう」
「そうと決まったらここらからだとシーインがいいな、あそこは港街でルクゼンベへの船も出てるはずだぜ」
「エレンさん行ったことあるんですか?」
「ああ、まあ冒険してたらいろんな街に行くぜ、あそこは当然海が近いから魚の飯がうまいんだぜひ賢聖さんにも食べてほしいぜ」
これから海のある街シーインへ目指して進むことになった、アマルフィに乗せてもらえばすぐ着くんだろうけど緊急時でも引っ張られたくないからな、徒歩で行くことにした。
そう言えばアマルフィはあまり街に行くことがなかったからエレンほど土地勘がないらしい、どこか風来坊気質のあるアマルフィらしい生き方だ
夕飯を一緒に取っているときにずっと気になっていたエレンの元パーティーについて聞いてみた。
「エレン、ずっと聞こうと思ってたんだけど前のパーティーってどんなのだったんだ?いい思い出じゃなかったら話さなくてもいいけど」
「あんまいいことばかりじゃなかったが」
そう言って話してくれた。
パーティー名は「黄金の獅子」という名前らしい、エレン以外に3人メンバーがいてみんな同じ年だった賢聖にあう直前はドラゴン対峙で仲間の一人を庇って怪我をしてパーティーを追放されたのは知っていたけど、その前は何とかやっていたらしい、冒険者として10歳のころから活動して徐々に成績も上がっていく評価されるようになったんだとか、ただ成長していくにつれてエレンは人助けをやりたくて他の三人は報酬目当ての依頼を受けたいと意見がよく割れていたらしい。
別に報酬目当てで仕事するのが悪いわけじゃない、むしろこんな世の中を生きていくには金は必要だ、エレンが崇高な志を持っているんだと、純粋でまっすぐな心を持っているそう俺は思った。
エレンが話をしているとき意外にもアマルフィは静かに聞いていた、時に相槌を打ったりして一番聞き入っていたのはアマルフィだったのかもしれない、きっと同じ冒険者として思うところがあったんだろう
話し終えた後エレンはもう吹っ切れているといったが俺から見たらまだ引きずっているようなそんな印象を受けた。
少し痛そうな笑顔をするエレンがそこにいた、きっと時間が立てば笑い話になる、なんていうのは大人の意見で子供の時は今の自分の環境がすべてなんだと感じてしまうからしょうがないんだろうけど、少しずつ傷がいえてほしいな
港街のシーインに到着した。街に入る前に身分を改めようとされたけど冒険者として活躍している二人、特にエレンは有名でその仲間として顔パスで入れた。やはり街にとって冒険者というのは歓迎される立ち位置らしいな
「冒険者ってのはやっぱりすげーんだな」
「そうでもねーよ、多少ちやほやされるけどその代わりに命のリスクがあるんだ安全をとるか名声や金をとるかって話だと思うぜ。俺はそこのクソアマと違ってそこまでバトルジャンキーじゃねーからな、冒険者にはあいつみたいに常識の皮をかぶった獣みてえなやつがたくさんいるんだ」
確かに戦闘となるとエレンは実は常識的というか戦闘を避けようとする姿勢が多くある、その逆にアマルフィは戦うという選択肢がある以上必ず戦う方を選ぶ
言動とは真逆の慎重さがあってエレンの意見は重宝しているんだよな
「それより、賢聖さんやセリアは冒険者の登録しねーのか?」
「したところでメリットないだろ、魔物倒せないしなそれに俺は今教会からお尋ね者だからな、ギルドカードみたいな身分証自体が危ないだろ」
「そっか、そうだよな」
少しエレンが残念そうにしている。俺が不思議がっていると、アマルフィがこっそり教えてくれた。
「(多分、彼はパーティーを組みたいんだよ。彼にとってパーティーという枠組みはその名前以上のものを示すと思うよ)」
「(なるほど、というかアマルフィ、エレンのことクソガキとか何と言ってるのに他の人と話すときはエレンのこと彼っていうんだな、普段からそんな風に角が立たないように接すればいいのに)」
「(セリアにも言ったけどあいつをからかうのが楽しみなんだからしょうがない)」
なんとも迷惑な趣味を持ってるな、エレン、南無三!
にしてもパーティーか、エレンが気にしているなら作ってもいいのかもな、それがエレンにとって大切なことならぜひしたいけど
「賢聖さんどうしたんですか?何か考え事ですか」
「ん?ああ、俺とセリアって教会に顔も名前もバレてるじゃん、それで例えばギルドカードなんて作れるのかなって」
「私が冒険者にだけはなるのおすすめしませんって言ったの覚えてます?」
始めに冒険者について聞いたときにセリアが言ってたな、命の危険があるしそんないいものじゃないみたいな感じで
「あの時よりかはエレンさんやアマルフィさんを見ていると考えが変わりました、でも私たちに冒険者は無理ですよ、第一に戦えませんしね、簡単なそれこそ脅威の無い魔物なんかには倒せますけど二人が戦うようなものには到底太刀打ちできませんよ」
言われてみればその通りだ、なったところでって感じだよな
「別に冒険者になることで必須なのは戦闘スキルってわけではないんだよ、探索系のスキルの人は斥候やったり珍しいのは【調合】といって薬を作るスキルの人も冒険者だったりすものなんだ、そういう人は最低限自己防衛の戦闘技術を学んであとは後方支援という形をとっていたりするのさ」
「じゃあ、別に俺たちでも冒険者になれるのか」
「まあそういうことになるね、というか問題は身バレすることじゃなかったかな?まあ、それに関しても心配することないと思うけれど」
「みんな何の話してんだよ、俺も混ぜてくれよ」
エレンに冒険者になるためと冒険者になることで身バレするんじゃないのかと聞くと
「ああ、それならここだったら大丈夫だ、ここには教会がねえからなっていうか教会がねえからここに来たんじゃねーのか?」
「そうなんですか?私知りませんでした」
「私も初耳だよ」
「セリアが知らないのはしかたないとしてどうしてクソアマが知らねえんだよ!冒険者だろ!?」
「冒険者だからって何でも知ってると思ったら大間違いだよ」
どうやらエレンは勤勉な冒険者らしいな、街に行ったとしてもその街に何があるかなんて普通気にしないらしいがエレンは冒険者たるもの道と街の特徴は覚えていくものと思って覚えているらしい
どこの優等生だよ!
「ってことだからここならギルドカード作っても問題ねえよ、むしろ作るならここだぜ!ってことは賢聖さんパーティー組んでくれるのか?!」
キラキラした目でエレンが見てくる、そんな目で見られたら断れないな、子供のお願いを聞くのも大人の甲斐性かな
お読み頂きありがとうございます!
ここまで少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価を頂けますと、作者のモチベーションが爆上がりします!
お手数お掛けしますが、ご協力頂けると幸いです




