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第29話 反抗期の中学生程厄介なものはない

「あー、そろそろいいかな?新婚ほやほやのような甘い雰囲気をここで出されても困るんだがな」

『誰が新婚か!』


グラムはいきなり何言ってるんだ!


「おい!わざわざ呼びつけるから何かと思ってきたがこんなもの見せられるのが今回呼んだ理由なら俺は変えるぜ!」

「っと、そんなにイライラするなって。賢聖紹介するよ、こいつは『黄金の獅子』のパーティーリーダーをやってるエレンだ。」


この人が昨日言っていた後遺症のある人か。ローブ来てるから正直よくわからんな


「おい、俺は値踏みされるような視線が嫌いなんだ、今すぐやめろ。お前、素人だなどうしてこんな素人が俺に会いに来てんだ、ああ。そうかいら俺に依頼したいんだろ、だが悪いなお前ごときが払える金で俺は動かねーよ!例えグラムのおっさんが頼んでも断るぜ」


おっと、なんとも強烈な人というか子供だなー、身長は低めだし年齢も15.6ぐらいに見えるなセリアと同年代かもな

ただ、ファーストインプレッションが悪いのは困るな、さて何とか信頼を勝ち取るのが先だな


「すまない、そんなつもりじゃなかったんだ。自己紹介をするよ私は加賀賢聖、グラムさんから聞いてるかもしれないが君が今困っていることを助けるために今日来たんだ」

「はぁ?何言ってんだよ、あんたに何ができんだよ、てめぇみてーな雑魚に俺をどうにかできるとかありえないし、ましては助けるだぁ?ありえねえ」


ありゃ、こういうタイプの人か。さて完全に言葉が届いてない状況だなー、強引に進めるのは得策じゃないしな

でもここでやるべきことはセリアのために仲間を増やすことだ、何とか説得させて話を聞いてもらえるようにしないとな


「おい、ガキ。黙って聞いて居ればペラペラと偉そうなこと言っているね、それ以上私の相棒を侮辱してみろ、二度と歩けないようにしてやるぞ」


鳥肌が立った、これが殺気というやつなんだろうか。平和な国で生きてきたからわからないけれど怒気を含んだアマルフィの声が静かに部屋に響いた


「あ?あんたは何なんだよ、ああ分かったぜ、彼氏がボコボコに言われて怒ったんだな?そこのポンコツもポンコツだがあんたも雑魚だろ、口出すなよ」

「誰がポンコツだって?」

「そこのひょろいやつだよッ!」


―――キィン


エレンとアマルフィの槍がぶつかった。

アマルフィはスキルを使ってなくても俺から見たら十分人間離れした身体能力だと思う、力もあるしな、だけどそのアマルフィの攻撃をあのエレンって子はいなしている。


なんかどんどんヒートアップしているように見えるぞ!?


「アマルフィ!よせ!」「エレンやめろ」


必死な俺の声とは別にグラムは低い声で止めに入った。


「賢聖、いいのかあそこまで馬鹿にされてたんだぞ?悔しくないのか」

「別に俺はあんまりそうは思わないしそれにアマルフィが怒ってくれたからな、それで十分だ」

「ハッ、軟弱なこって。貧弱なうえにやり返す気概もないと来たか」

「エレン、それ以上俺の恩人を馬鹿にすると真っ先に俺がお前を下すぞ?」


グラムも仲裁に入ってくれている。

なんというかエレンって日本でいう中学生みたいだな、跳ねっ返えりでとにかくなんにでも反発している反抗期だ


グラムが止めようとしてもそれでもエレンは吠える


「グラムのおっさんが俺を下すだ?ケガでスキルが使えないあんたが?無理だろ」

「はぁ、見せるつもりはなかったがこのままじゃらちが明かないか。【剛力】————フン!」


グラムはそういって腕を振り下ろして机を粉砕した。

俺はこの化け物集団の中から生きて部屋を出られるのだろうか


騒ぐエレン、エレンの言いぐさが気に食わずにキレるアマルフィ、そんな二人をいさめようとして机をぶっ壊したグラム、そして怯えを通り越して悟りの境地まで来た私こと加賀賢聖。

修羅場というやつなのだろうか、話の中心にいるはずなのにどうも話が俺を置いて進んでいく


今はどうなってるかって?怒声とものが壊れる音、時折耳元を過ぎる空を切る音、この世の地獄がそこにあった。


「さて、出されたお茶でも飲むか」


ああ、やっぱり紅茶はおいしいな。

後ろで「ぶっ殺す」「やれるものならやってみろ」「二度と私にそんな口きけないようにしてやる」とか言いあってるけどどうも収まる気配がない。


瞬間、アマルフィが吹っ飛んできて俺の紅茶のティーカップを壊した。


「・・・」


ワナワナと震える。

何かが切れた音がした。

大きく息を吸い込み


「お前ら、いい加減にしろ!!!!」


まさか、俺からそんな大きなこれが出るとは思っていなかったのだろう、三人ともぎょっとした顔で俺を見た。


「よし、動きが止まったな!そのままでいろよ!」


まずエレンに近づいて


「あ、ああ?な、なにしようってんだよ!」


声を震わして俺に行ってきたが聞いてやらない


「黙ってろ!」

「ッ――――!!」

「ほら、右手出せ」


エレンは多分右手が悪い、アマルフィやグラムと喧嘩しているときに左手を軸に武器である槍を持っていた、最初は左利きなのかと思ったが右手を庇うしぐさや両手で槍を持った時に右手が踏ん張れていなかった。多分、力が入りずいた何かがあるんだろうな

しぐさを見る限り痛いタイプではないと考えてる、もし仮に痛いのであれば表情やからの反応でわかるからな


「いいか、これからいうことに素直に答えろ!」

「なんで俺がッ!」

「黙ってろ!俺が言うことだけ答えろ!」

「そんな、理不尽な・・・」


理不尽?馬鹿言うな、俺はまともに会話することなく勝手に周りが暴走して割りを食ったのは俺の方だ!多少の理不尽ぐらいあってもむしろおつりがくるレベルだ

それから、エレンに右手の状態について聞き出した。

結論からすると神経麻痺だった、神経麻痺と聞くと全く動かない印象があるがそうじゃないほうが多い、神経が完全に断裂してる場合は当然動かないが圧迫や一部の損傷だとしびれや動きにくさ、力の入りにくさなどがある、まさにその症状だ


どうも、スキルが発動しそうだ


「い、いったいそんなこと聞いてどうするんだよ!」

「—————これまで辛かっただろう、でも、もう大丈夫だ。これで元通りだ」

「はぁ!?何言って・・・う、腕が、治ってる!」


エレンは膝から崩れ落ちて涙を流していた。

背中をさすってやる、俺は別にエレンに対して腹は立たない、病気になった人っていうのは攻撃的になることもある、病気であることに不安や受け入れができていないからだ

今までできたことができなくなる、そのことを受け入れるにはエレンは若すぎた。いや、きっと誰も病気や怪我を受け入れるのに年齢は関係ないんだろう


「エレンもう大丈夫だ」

「ありがとう、俺、不安で!怪我してからこれからどうしようって、もうどうしていいか分からなく、前みたいにできなく、みんなにつらくあったって、でもみんな優しくて、お、おれっ!!」


エレンは泣いていた、半分も聞き取れない、でも俺はうん、うん、とうなずく。


「エレン、大丈夫、もう大丈夫だよ。これで元通りだ」


賢聖「どうしてそんなにイライラしてんだ?」

エレン「理由はない、むしゃくしゃしてやった。反省も後悔もしてないぜ」

賢聖「難しいお年頃なんだな」

アマルフィ「クソガキには世の中の厳しさをだな」


セリア「あのー私いつになったら出れるんですか?」

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