第16話 まともな人発見?!
「おい、ついたぞ」
教会だ、キリ〇ト教でいうカトリックの建物みたいだ。カトリックってのは見た目が派手な方で、プロテスタントは質素な方だな。教典とかが違うんだろうけどあんまり知らないんだけど、きっと海より深い経緯があったんだろうと思う、まあ今はそんなことはいいか
何が言いたいか
「すげー豪華」
「当たり前だ、教会はこの国を象徴する建物だからな」
そんな言葉聞くと一気になえるな、要するに大金巻き上げてそれで作ったってことだろ?
でも、背景を抜きに建物だけ見るといいものだってのは素人の俺でも分かる、それほどに圧倒的な存在感だ
「いつまでもそこに突っ立ってないで行くぞ」
「賢聖さん行きましょう、無実を証明できればいつでも見れますから」
教会には思っていた以上に人がいた、というか体中怪我した人、具合が明らかに悪そうな人が多くいる
たぶんあれが【ヒール】を待っている人たちなんだろうな想像以上に多くの人がいるし列もいくつかあるから【ヒール】が使える人もそれなりにいるんだろうな
俺たちを連れてきた教会の人が案内してくれた場所で少し待たせられた
「もし仮にダメだったらセリアだけでも」
逃げて、といおうと思ったがやめた。きっとそれはセリアが望んでいる言葉じゃない
セリアが望んでいる言葉は
「だめだったら一緒にここから何とかして逃げよう、手伝ってくれるか?」
「はい!その言葉を待ってましたよ、正直ここで私だけ逃げてとか言ってたら思いっきり殴ってました」
すげー笑顔で言ってる、なにそれ超怖い、やっぱり一番怖いのは怒気が完全にない感情を殺した笑顔だな
「ははは、当たり前ですよ。そんなこというわけないじゃないですか―」
声が震える、もしかしてここが一番の難所何ですか?ゲームだと完全にセーブポイント間違えた的な状態?
「さて、お待たせしました。あなたたちが【鑑定】を受けるのですか?」
声をかけてきたのは50代ぐらいの男性だった、物腰柔らかで人のよさそうな顔をしている
が、しかし、この教会にいるんだからどっかゆがんでる可能性の方が高いと疑いの目をもってかかわるのがいいだろうな
「はい、そこの教会の人に連れてこられました。」
「なるほど、では寄付金をお願いします」
「その前に、いくつか確認したいことがありますがいいですか?」
「ええ、構いませんよ」
「【鑑定】のスキルは紙に結果が出るんですよね、それを改ざんできるんですか?表示されるのは名前だけですか?」
「ふむ、あなたはどうもこの教会に不信感があるようですね。心配いりません、【鑑定】で表示さてたものはいじれません、なにせ紙に浮き出てくるものですからペンで書いたりすると違いははっきり分かります。あと表示されるものですが名前だけですよ、当然守秘義務というものがありますので【ヒール】、【鑑定】、あとは教会に関連するもの以外であれば公開されません。残念ながら教会に関連するスキルであれば公開されますが」
「例えば今まで例にないものであったらどうですか」
「その場合は問題なく帰ってもらえますよ、悪さをすれば衛兵につかまりますし手に負えなければ軍や冒険者が対処するでしょうしね。」
この人、割とまともな人なのかもしれない。今まであった人は口は悪いし人の話は聞かないしとおよそまともな人間とは思えないものだったがこの人は普通に会話が成り立つし教会の中でもまともな人もいるのかもしれないな
よく考えればセリアのおばあちゃんのセファさんも教会の人だったからあながちまともな人もいるのかもしれないな
「これで不明な点はなくなりましたかな?」
「最後に一つ」
「まだ何か?」
「あなたのお名前は?」
なんかこのやり取り刑事ドラマっぽい!ちょっと調子に乗ってます、はい、落ち着きますのでどうか許して、ジト目で見ないでセリアさん!
「失礼しました、私はテスラといいます。どうぞお見知りおきを」
「テスラさん、【鑑定】をお願いします。」
そういって、大金貨5枚をテスラさんの前に出す。
「この金貨はどうしたんですか?」
「さっき連れてきた人が大金貨5枚だといわれたんですが」
「そう、でしたか。少しお待ちください」
と、連れてきた男の方に向かい
「おい、ゴラァ、バニア!!てめぇまた阿漕なことやってんじゃねーだろーな!」
ぶち切れてた。それはもう烈火のごとく、地球でいうパワハラなんて生易しいぐらいに。
お、バニアと呼ばれた男が言い訳しようとしてまた怒られてる、ざまーみろ
なんだかよくわからんが教会の中でもいろいろあるんだな、この人はまだましな人なんだろうかといって完全には信じないがでも、ぼったくる気はないみたいだ
「け、賢聖さん、あれ止めなくていいんですか」
手は出していないもののおそらく二十前後の男が半泣きまでなってる姿を見るのは流石に忍びないな
でも、自業自得ともいえる
これ、もしかして【鑑定】受けなくてもいいんじゃないか?!
「テスラさん、もうその辺で」
「フゥフゥ―—―これは大変お見苦しいところを」
「その方も反省しているようですしその辺で」
「そう、ですか。あなたがそういわれるのであれば、ほれ、バニア!謝罪しなさい!」
バニアと呼ばれた人は完全に燃え尽きていた、返事がないとテスラさんが大きく息を吸ってまた怒涛の罵詈雑言を繰り出そうとして
「ハッ!すみませんでした!!!」
なんとか間一髪を経たという感じか、なんで俺が相手の気持ちに共感しているんだろうか
そういえば怒っている人を見るだけでその周囲の人の生産性が落ちるとかって論文で読んだ気がするけど、確かに怒っている人がいると俺もそうだが周囲の人間はこれじゃベストパフォーマンス出せんわな
「どうか、これで許してやってくれませんか」
「え、ええ、構いませんよ」
テスラさん超怖い、この人も片足突っ込んでるよ。
「では、【鑑定】しましょうか」
「それなんですがね、そちらにおられるバニアさん?に無理に連れてこられただけで本来は乗り気ではないんですよ、今回はなかったことにさせてもらっても」
「何をおっしゃいますか、金貨のことが気になるのなら謝罪料として今回はいただきませんからご安心してください」
「い、いえ金貨が問題ではなく」
「それとも何か【鑑定】されるとまずいことでも?」
テスラさんがにっこりこっちを笑ってみている。人は怒気をはらまない笑顔が状況次第で凶器になるな、セリア然りだけど
多分、テスラさんはバニアさんからここに連れてきた経緯とか聞いてるんだろうな、だから離さないんだろう、ここで【鑑定】受けないことをごり押し手も余計疑われるだけか
はぁ、ここまで連れてこられたこと自体が詰み直前といったことろか
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