マッチ売りの少女と世界一熱苦しい男
照英が好きです。
「マッチ……マッチ要りませんか?」
雪がしんしんと降り積もる夜、一人の少女は薄着でマッチを売り歩いていた。
「マッチを……御願いします、マッチを買って下さい……」
少女はマッチを売るまでは帰ることを禁止されており、真面な食事すら摂らせては貰えない。手は悴み震えが止まらず、足は既に感覚が失われつつあった。
「……もう……ダメ…………」
少女は壁にもたれ掛かり、小さな窓から中を覗くと家族が暖かい食卓を囲んで楽しく食事を摂っていた。
「…………うぅ……」
少女は寒さを紛らわす為にマッチをこすり、火を付けた。
──シュッ
「諦めんなよ!!!!」
小さなマッチの火から熱苦しい男の声が聞こえた。
「…………何、今の?」
──シュッ
「どうしてそこで諦めるんだそこでぇ!!!!」
火を付ける度に熱苦しい男の声が聞こえる。
──シュッ
「頑張れ頑張れ!!!!」
──シュッ
「出来る出来る!!!!」
──シュッ
「やれば出来る!!!!」
少女は熱苦しい男の励ましを受け、最後の力を振り絞った!
「マッチを…………買ってーーーー!!!!」
「いや、ライターあるから大丈夫です」
少女は文明の利器に負けた。
読んで頂きましてありがとうございました!!
(*´д`*)