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序章/あるいは全ての終着点
静かに佇む、小さな祭壇。石造のそれには、白い魔方陣が描かれており、その中心には、七色の石が埋め込まれていた。
一つは、暗い海のような、深い藍色。
一つは、激しい雷撃のような、薄い黄色。
一つは、降りやむことのない吹雪ような、冷たい白色。
一つは、全てを燃え尽くさんばかりの、強い緋色。
一つは、全ての毒を集めきったような、濁りきった紫色。
一つは、歴史を葬り去らんばかりの、闇のような黒色。
一つは、『希望』『救い』を与えるような、淡い緑色。
少年はただ、その祭壇の前に跪き、祈るように呟いた。
「…………………………………」
何を呟いたのかさえ、誰にも分からない。
ただ、その瞬間。全てが白く、淡い光に包まれたのだった。