ヒロイン 〈能力考査〉
昨日の一件...あれについてはもうどうしようもないことだった。わたしのせいじゃないもの。
「まあ、昨日のことは君のせいじゃないしね。とりあえず、定期考査の話は聞いている?」
「なんとなくですけど。。。」
「じゃあ、一回目だから詳しく説明するね。まず確認だけど君の能力は、「予言計算」で間違いないね?まあうそを言っても僕には通じないけど。」
「予言計算で合ってます。嘘が通じないというのは、空原さんが「発見」の能力持ちだからですか?」
「ああ。発見の能力だよ。よくわかったね。あと空原さんだと峻と混ざるから誠でいいよ。これから特殊能力持ち同士関わることも多いだろうし。」
ひょえー!!!このイケメンとこれから何回もかかわるのか...身が持たない...
「じゃあ、希ちゃん。最後に予言計算を使ったのはいつかな?」
「えーっと4年前の能力発見テストです。あの試験以来使っていません。」
「へえー。なかなかいないタイプなんだね希ちゃん。大体の能力持ちは自分の能力制限を守ったうえでかなり使用するけど。やっぱり、未来を見るのは怖い?」
「はい。私の能力はかなり自分の体力とか消費するので制限を守っても使えるのは2か月~3か月に一回で。何十年先の未来も予言することができるし、見ることもできるけど、その未来に胡坐をかきたくないし、絶望したくもないんです。だから、適正テストを受けたときが最後です。」
「二ヶ月~三か月に一度が制限って、かなり重めの能力だよね。僕なんかは一日に3回が限度くらいの軽めの能力なんだ。だからかもしれないけど、実はもう一つ能力を持っているんだ。」
「二個持ちですか!ほぼ聞きませんよね、その事例。」
「確かにそうだね。だからこそ、僕は空原の後継者に選ばれたんだ。実のところ、僕は分家の子なんだよ。世にも珍しい二個持ちだから。しかもその能力は「発見」と「計画」なんだよ。」
「計画、ですか。あまり聞いたことない能力ですね。」
「そうだろうね。計画はね、発見とリンクした能力なんだよ。まあ、希ちゃんの予言計算の下位互換かな。
何かを始めようと思ったとき、僕の脳内には完ぺきな計画が組み立てられる。どこで何をしたら一番いいのか、何をすべきで、何をしてはいけないのか。我ながら、すごく会社の経営とかに向いている能力なんだろうって思うよ。...って僕の話が続いちゃったね。あとは、ああこれだ。君の能力を高めるためにも、確かめるためにもこれからは君の能力制限ギリギリで、どこまで正確に計算できるかをテストすることになるんだけどいいかな?」
お読みいただきありがとうございました。