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彼女こそヒロインです!!  作者: 千本桜の残り香
中等部 
7/36

ヒロイン 〈兄の登場〉

「好きな人、ですか?」

「ああ。」

「ええ。」

「それはお互いじゃなくて、全然関係ない人なんですか?」

「俺は、君が好きだよ。」

「私は、峻の兄の誠さんが。」

「誠さん??」

空原峻には兄がいたのか。そうじゃなきゃ、あんなに自由に婚約破棄とかできないよね。

「ああ。二個上には兄がいるよ。空原の跡継ぎだよ。だから麗も兄と婚約した方がよかったのだけど、兄にも婚約者がいてね。だけど、最近兄の婚約者に好きな人ができたみたいでね、婚約解消されるかもなんてぼやいていたが。」

「へ?ちょっと整理をさせてください。えーっと、空原峻さんのお兄さんである誠さんのことを麗子様が好きで、でも誠さんにも婚約者がいてその婚約者の方には好きな人がいて婚約解消をされそう...ってことですか?いまいちよくわからないんですけど...」

「大体あってますよ。もう!なんで聖奈様はあの誠さんを裏切って、山上のことなんかを...」

山上っ!まさか司にぃ...まあそんなことはないとは思うけど。すると保健室のドアがガラガラと開いた。

「はーい。君たち何してるんだ。授業はどうしたんだ?もう始まってるぞ。」

「うわっ!兄貴!」

「誠さん!」

保健室の入り口に登場したのは、噂の空原誠だった。

空原誠は流石、空原峻の兄というべきか、すさまじい程の美形だった。瞳は空原峻と同じ透き通った青。けれどお兄さんの方が少し濃い青。髪の毛は月の様な美しい銀髪でふわっとセンターで分けている。身長も高めで、180㎝前後で、空原峻と同じく8~9等身であろう顔の小ささ。どうした空原家。遺伝子おかしいだろう。こんな美形で、金持ちだなんて。

「麗も峻も、なんで保健室なんかにいる。さっさと授業に戻れよ。」

「でも…希が...」

空原峻が、言い訳をすると、空原誠はキッと睨んで、

「峻~。言い訳は通用しないよ。麗も急いで。」

「わかりましたわ。誠さん。峻も行くわよ。」

麗子様はキリっと答え、空原峻の手を引いて保健室を出て言った。

「で、君が神埼希さんだね。初めまして。僕は、空原誠。峻の兄だ。よろしくね。」

ヤバいヤバいヤバい~!!!!!何この爽やかさ。一人称僕なんだ。この見た目で?倒れそうだけれど、美形の前に私の醜態なんてさらせない。

「え...っと...何の御用で?」

「特殊能力の定期考査の話だよ。」

空原誠はその爽やかな御顔でニコッと笑いながら言った。なんだ、定期考査の話か...

「それと、昨日の一件のことかな...」

そう付け加えた空原誠は、爽やかというよりはゲスさが前面に押し出されていた。

お読みいただきありがとうございました。

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