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彼女こそヒロインです!!  作者: 千本桜の残り香
中等部 
3/36

入学式3 <ヒロイン>

気が付くと、私はベッドに寝かされていた。

「大丈夫ですか?希さん。突然お倒れになって、心配しましたわ。」

ベッドの横には、麗子様がっ!まぶしいっ!私、倒れたのか...

「入学式は...入学式はどうなりましたでしょうか?」

「それなら大丈夫だよ。」

イ...ケ...ボ...この声は...空原峻...

「な...な...んで...ここに…」

「なんでって、そりゃまあ婚約者様がお倒れになったからね。」

「婚約者様...?ああああああっ!婚約破棄ってどういうことですか??それで私と婚約って、もっとどういうことですか?」

「落ち着いて、希さん。」

麗子様が私の手を握った。ひいいいっ!女神様がっ!私の手をっ!落ち着かないとっ!女神さまがっ、私に言ってるんだもんね、落ち着けって私!

「婚約のことは気長に考えてくれていいからね。もう親御さんには話を通してあるし、4年後には結婚式決まってるから、いつの間にかで流されちゃって構わないからね。」

「ん??結婚式が決まってるって??どういうこと??ってそれよりも、なんで麗子様と婚約破棄なんて!なんで?なんで?なんでなんですか?」

「希さん、それはあとで話すわ。だからね、一回落ち着きましょうね。それで、ちょっとだけ、峻の話をきいてあげてくれないかしら。」

「しゅ、峻ですとっっ!呼び捨てですかっ!」

「まあ麗とは幼馴染だからね。」

「れ、麗っ!なんでそんなに仲がよさそうなのに婚約破棄なんてっ!お二人の結婚式のときは、私を絶対呼んでくださいね!命を懸けて向かいますから!」

「いや、希さん。私と峻の結婚式に希さんが行くんじゃなくて、希さんと峻の結婚式に私が行くのよ。」

「ええっ!なんでどうしてっ!」

「はははっ!ホントに君は面白いね。なんで結婚したいのかって...ねえ」

「ねえ」

神々しい二人が頷きあう。なんですか、これは?絵画ですか?そんなことを考えていたら、空原峻がこちらに向かってきた。近づけば近づくほど、まぶしいっ!顔ちっちゃ!ベッドの横の所で立ち止まるのかなと思っていたのに、彼はベッドの淵に腰かけて、私の顔の方に手を伸ばした。えっ、えっ、何をする気なのかまったくわからない。彼の綺麗な手は、私のあごに優しく添えられた。ぐっと彼の顔が近づく。

「ふぇ?」

あまりにも美しすぎる彼の顔に思わず変な声が出てしまう。毛穴がない…肌白い…

「僕の目を見て。」

こ...声がいい。クラっとする。彼の眼は、透き通った青。移りこんだ自分が醜くて笑いそうになる。

「なぜ結婚したいかって?理由は簡単だよ。」

彼は私の耳元に顔を持って行って囁いた。

「君が好きだからだよ。」

ハイ。ありがとうございました。希の耳と細胞は限界値を迎えました。

私はまたもや失神した。


お読みいただきありがとうございました。

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